「宣言」7日目、ナインの天狗がランチ店に、ドンキがマスク販売

【銀座新聞ニュース=2020年4月14日】「緊急事態宣言」が出されて7日目となる4月14日は、朝から曇り空で、重たい感じがする1日だった。夕方、まだ足を運んでいない「銀座ナイン」に向かった。4丁目の人通りの少ない交差点を歩きながら8丁目の方に向かうと、途中で「ワイモバイルショップ」が16時までの営業になっていたことに気づいた。

平日16時の営業に変えた「ワイモバイルショップ」。

先週10日までは通常営業をしていても、11日の週末から休業し、それを契機にして、5月6日まで休業する流れが出来ているが、早く営業を終了する代わりに、営業を続けるという動きも出ていることがわかった。

6丁目の「銀座シックス(GINZA SIX)」の前を通り過ぎる際に気づいたのは、「セリーヌ」の店内には、商品がまったくないことだ。隣の「ディオール」でも一部、ウインドウディスプレー用も含めて、商品が残っていたが、セリーヌはきれいにしまわれていた。休業中に真夜中にガラスを壊されて、中の商品を盗られるのを警戒したのだろう。臨時休業の際のマニュアルがあるのだろう。

美容院は営業中

銀座ナインに入ると、予想していた通り、どの店もほとんどが休業しており、人通りも少なかった。その中では、土橋側にある「ミスタードーナッツ」が営業しており、それなりに客が入っていた。また、美容院のローザ(ROSA)も営業していた。理美容院は東京都と国が営業をめぐってもっとも対立した業種で、国が営業継続を要望し、東京都が自粛対象に含めていたが、結局、国の意見が通った。これが知事の小池百合子(こいけ・ゆりこ)さんの「社長かと思ったら中間管理職」という皮肉な発言につながったのだろう。

銀座ナインで営業を続ける美容院の「ローザ(ROSA)」。

しかし、百貨店については、経産省が7日夜の「宣言」を出す直前に、大手百貨店4社のトップを呼んで、食品売り場(通称・デパ地下)の営業を続けるよう要望した。百貨店側は東京都の休業要請に百貨店も入っていることを事前に知り、8日からの休業を決めていた。これに憤慨したのが経産省だが、百貨店側は東京都の意向を汲んで、休業要請の業種に入らなくても、全館休業を選んだ。百貨店では東京都の休業要請に入らなくても、自主的に休業を選んだ形だ。

このため、現在でも、百貨店は営業を再開しようと思えばできるのだが、今のところ、再開する雰囲気はない。

銀座ナインでは、土橋口にある1階のプロントは喫茶業態でも休業しているが、その裏のプロントの並びで、居酒屋やラーメン屋などが従来から店の入り口前にテントを張るように屋根を突き出しているのが売りなのだが、いずれも休業だった。

同じく銀座ナインで、ランチ営業に徹した「天狗」。

また、銀座ナインの地下にある居酒屋の「天狗」は洋食と和食スタイルと2種類の店舗を運営しており、洋食スタイルの店は休業中だが、和食の店は16時までのランチ営業に徹してしまい、週末は休業と、居酒屋の運営はやめていた。東京都の休業要請では、居酒屋は夜19時で酒の提供をやめ、20時で閉店としているが、天狗は大胆にランチ営業に集中していた。

しかし、それでも時間短縮の東京都からの協力金は100万円にすぎず、天狗の規模では、100万円では洋食と和食2店舗の賃料にさえならないだろう。おそらくは3月の外出の自粛要請の段階で、客足が遠のいてしまい、夜は営業していても、ほとんど客がいない状態が続いており、途中からランチ営業に切り替えたのだろう。

中央通りを挟んで、向かいにある「ハナマサ」は普通に営業しているが、普段は業務用のスーパーのようになっており、和食店の調理人が買い出しに来るのが常態化しているのが、今は一般客しかいない。一般客が買うには、サイズがやや大きく、値段も高めになっているので、買いにくいのが難点の店なので、レジを見るとやはり買う量が少ない。

「ドン・キホーテ」で売られていたマスク。1枚298円で、1人3枚までとなっていた。

その裏にある「ドンキホーテ銀座店」も営業しており、狭い中に多くの商品を並べるのはいつもの光景だが、複数のマスクを売っていたのには少し驚いた。

黒や白があるが、1枚がいずれも298円(税抜)なのが高いのか安いのか。店内放送もマスクを宣伝しているが、1枚298円を見て、手を出す人は少ないように思えた。また、入り口にはさまざまな消毒剤が売られていた。今、なかなかドラッグストアでも手に入りにくいを商品を売るのはさすがと思った。

ぐんまちゃん家は平日営業

銀座ナインから4丁目の交差点に戻る途中で、裏の道を歩いたら、7丁目の「ぐんまちゃん家」が営業しているのに気づいた。平日営業のみで、週末は休業で、さらに4月29日から5月10日までのGWの期間は休業となっていた。ぐんまちゃん家はかつては5丁目の歌舞伎座の近くにあったのだが、いつの間にか7丁目に移ってしまい、あんまり行かない店になってしまったのだが、こういう時でもきちんと営業しているのは感心した。

平日営業を続ける「ぐんまちゃん家」。

木村屋も平日営業継続

さらに4丁目の交差点では木村屋が平日17時までに営業時間を短縮していた。週末の休業はすでに11日から実施しており、こんごも毎週末は営業を自粛するが、平日は営業を続ける。

地方のアンテナショップでは「銀座わしたショップ本店」が18日からの休業を決めた。アンテナショップは先週の11日から休業に入り、そのまま休業する店が増eえている。

みずほ銀は朝から店内シャッター

また、みずほ銀行2丁目店では店内のATMの機械と窓口業務の場所をシャッターで2分している。従来は15時以降にシャッターを閉めるのだが、「宣言」以降はATMと窓口の風通しをなくすために、朝から閉めている。(「宣言」は緊急事態宣言が出された後の銀座と周辺の風景を随時、掲載します。また宣言は7日深夜に発令されましたが、実際に影響を及ぼしたのは8日朝からなので、8日を「初日」としています)。

朝からATMと窓口業務をシャッターで分ける「みずほ銀行2丁目店」。

夕方の4丁目の交差点。夕方でも人通りは少なく、車は晴海通りが多いが、銀座通りは少ない。夜になると、タクシーが走っているぐらいで、人はほとんど見かけない。

銀座ナインで営業を続ける「ミスタードーナッツ」。