インド首相、コロナ撲滅強化、5月3日までロックダウンを延期(3)

【モハンティ三智江のインド発コロナ観戦記=2020年4月17日】ついにインド全土で感染者が1万人を突破した(4月14日現在で1万363人)。2週間で千人台から万人台というのは、私が思っていた以上に早かった。予測の範囲内だったとはいえ、やはり少しパニくってしまった。

ロックダウン中で閑散としたC.T.ロードに、久々にゆっくりと歩くお牛さまを目撃した。

アメリカのニューヨーク州が5日間て一気に千人台から万人に跳ね上がったのに比べると、ましだけど、ロックダウン(都市封鎖)効果は現れているのか、いないのか、どんどん急増して、気を揉むばかりだ。

今日(4月15日)で封鎖20日目だが、明日解除される予定だったのが案の定、モディ(Modi)首相の現地時間10時(日本時間13時30分)からのビデオ表明で延期を決定した。ショックだったのは、予想していた4月末まででなく、5月3日までと、何とまだ後19日間も耐え忍ばねばならないことだった。

首相は、お金や食料、移動の問題で国民に不自由を強いることを詫びながも、不退転の決意でウイルスとの闘いに挑む意思を力強く表明、国民の協力を仰いだ。ついては、20日まではよりいっそうの強化措置を講じ、外出禁止の徹底、全土150カ所のホットスポットを重点的に取り締まり、20日以降、推移を見て感染者の少ないその他の地域の措置を若干緩めていく方針を表明した。

5月3日までロックダウン延期を表明したインドのナレンドラ・モディ首相。

当オディシャ(ODISHA)州は4600万人という人口比率からいっても54人(1人死亡)とよく抑えられている方で、全土に3日先駆けて封鎖されたため、さすがにロックダウン疲れが出ており、昨日辺りから、夕刻路上に繰り出す人がちらほら、久々にのろのろ這うお牛さまも目撃、インドで8割方を占めるヒンドゥ教徒にとって、牛は神さまなのである。ロックダウンと共に、牛や野犬まで消えていたが、餌をやる人がいなくなると、真っ先に死ぬのは、動物かもしれないなとふと思った。

自分のサバイバルのことだけで手一杯でそこまで気が回らないのだ。殺伐(さつばつ)として優しくないな、と思うけど、気持ちに余裕がない。わが家も何匹もの野良犬や野良猫を飼っているけど、餌はサーバント任せ、亡夫が動物好きで毎日餌代に糸目をつけず、ぜいたくさせてやっていた頃に比べると、カラスに一包みのハンを砕いて投げ与えるのもやめてしまったし、ビスケットや残飯を3度の餌の他におやつ代わりにもらって丸々していたのが、痩せてしまったようだ。

同じ地球上の生き物、運命共同体で共に新型コロナと闘っていかねばと思いを新たにし、明日からはもう少し餌のことも気遣ってやろうと心を入れ替えるのだった。

●郷里北陸の新型コロナ余話

私のふるさとは福井県だが、日本でも感染率1位の悪名高さ、人口77万人で92人(4月17日午前現在103人)、同郷の旧友によると、新型コロナを舐めたからなんだそうだ。県が独自に緊急事態宣言発令で、舐めていた県民はショックを受けているとか。ちなみに、感染源の片町のスナック街は風評被害で悲惨なことになっているらしい(店名が明らかにされていないため、憶測が飛び交い、高級キャバクラとの説も)。看護師が感染するなど、医療機関のストレスは並大抵のものでなく、対応ベッド数も足らず逼迫(ひっぱく)しているとのこと。

私がベースを持っている石川県金沢市でも、感染者が急増しており、石川県全体で131人(同146人)、やはり緊急事態宣言発令、たとえ予定通り4月に帰国できていたとしても、外出自粛で思うように動けなかったに違いない(「インド発コロナ観戦記」は「観戦(感染)記」という意味で、インドに在住する作家でホテルを経営しているモハンティ三智江さんが現地の新型コロナウイルスの実情について書いており、随時、掲載します。モハンティ三智江さんは感染していません。また、息子はラッパーとしては、インドを代表するスターです。13億人と中国に次ぐ世界第2位の人口大国、インド政府は3月24日に全28州と直轄領などを対象に、完全封鎖命令を発令し、25日0時から21日間、完全封鎖し、4月14日に5月3日まで延長しました)。