「宣言」16日、駅構内で土産物店が再開、新富町は時間短縮

(写真説明は本文の後にあります)
【銀座新聞ニュース=2020年4月23日】「緊急事態宣言」が出されて16日目となる4月23日は、朝は晴れてよかったが、午後から次第に薄寒くなり、夕方には小雨が降りだした。

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朝、東京駅八重洲南口構内を歩いていて、1軒の土産物・弁当の店が営業を再開していた。4月13日前後には営業をやめていたので、再開するのはおよそ10日ぶりぐらいだった。この1軒は4月7日の「宣言」後も、ほかが休業する一方で乗客が減り続ける中で、最後まで営業を続けていたのだが、乗客が減少している状況は変わらないもかかわらず、再開した。

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いまや東京駅構内で営業しているのは、JR東日本系のコンビニ「ニューズデイズ」程度で、しかも八重洲口に今年になって誕生したペットボトル専用の小型の「ニューズデイズ」は「宣言」前後に休業してしまった。また、大丸東京店は1階と地下1階の食品売り場が百貨店の中心にもかかわらず、全館休業を選んでしまった。

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東京駅構内の壁の片側に軒を並べていた土産物店は、「宣言」の翌8日からシャッターを閉める店が相次ぎ、2店舗が残っていたが、それも13日前後には閉じてしまった。それがようやく再開し、この後、大丸やほかの店がどうするのか、注目している。

本日は夕方に銀座に出て、さらに新富町、築地1丁目を歩いてみた。とにかく、元々人通りが少ない街なので、「宣言」後にはさらに減っているのがわかった。新富町も築地1丁目も小さな店ばかりで、ほとんどが営業しているだろうと思って足を運んだが、やはり多くの店が開いていた。

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しかし、よく見ると、「宣言」後のさまざまな自粛要請の中で、ランチ、テイクアウトなどの営業中心に変更し、夜の営業はかなり自粛している姿が見えてきた。

かつて何度か入ったことのあるダイニングバー「バルディゴ」は時間を短縮していたが、いつも通りに営業していた。やき鳥居酒屋「ほそ川」はランチとテイクアウトのみになっていた。居酒屋の「まめや」は昼間だけ営業し、夕方からはテイクアウト専門店になっていた。

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新富町では珍しい八百屋も営業しているだけでなく、軒先を超えて、大幅に道路に出して野菜類を並べているので、少し離れたところからでも目につく。ただ、野菜類の値段が多少高いと思ったが、都心でそれなりに高い賃料を払っているので、仕方ないのだろう。まして、「宣言」が出ても休む余裕がないのだろう。

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でも、築地から豊洲に移転した市場では野菜類の取り扱いが少ないので、調達に限界があり、ほかの市場から調達しているのだろう。その分、割高になるのかもしれない。

少し変わった食料品店も営業していた。お菓子類の雑貨やさまざまなインスタントラーメン、カップラーメンなどが並べられていたが、この手の店は外にテーブルを並べて、多くの商品を陳列する方式が当然なのに、外に並べていたのは目玉商品ぐらいだった。ただ、あまり客が多いようには見えなかった。

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ピザ店も、花屋も営業しているが、やはりあまり客が多くなかった。中には「ヘアサロン」は営業自粛要請の対象外にされたにもかかわらず、自ら休業を選んでいる店もあった。「紺屋(こうや)広瀬」は営業しているが、元々、和服の店だけに、専門家を相手にしているので、店を開いていることに意味があるのだろう。中華の「湯浅」は営業時間を短縮しているが、入り口前はテイクアウト中心になっていた。

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築地1丁目になると、「タリーズ」が休業していたが、「15日から休業」という貼り紙に「14日は営業する」という文言に経営側の苦心がにじみ出ていた。この辺りは衣料品店、鰻店、ワインバルなども営業を続けているが、寿司屋の「玉寿司」と「すし鮮」も時間短縮で昼休みもなく営業しているのが目についた。寿司屋は回る寿司などを除くと、昼食と夕食の間の休み時間を取るのが一般だが、この2店は夜早く終わる分、昼間の時間を大切にしているわけで、夕方早い時間にもかかわらず、入っている客がいた。

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この辺りで中に入って来店客が多いと思ったのは、100均のダイソーとドラッグストアのマツモトキヨシの子会社「どらっぐぱぱす」が併設している店で、1階のぱぱすはあんまり人がいなかったが、2階のダイソーはかなりのお客が入っていた。しかもレジは1m以上の間隔を開けて並んでいるので、かなりの人が並んでいるのはわかった。

それにしても、郊外型の店舗はそれなりに場所があるので、100均とドラッグストアが一緒に出店するのはあまりないと思われるが、都心では店舗が狭く、こうした併設はほかでもありうる展開だろう。近くにあるクリーニング店は自粛対象ではないが、自ら休業を選んでいた。やはり外出の自粛要請で需要が減ったのだろう。

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途中で銀座方面に向かって歩くと、1階に小料理店2軒と2階にスナックの店が目についたが、いずれも休業を選んでいた。また、地下がお好み焼き、1階がピザとイタリアンの店があり、こちらは時間短縮で営業している。とくに、お好み焼き店は飲み物を注文すると、お好み焼きはすべて半額という出血サービスをしていた。

また、なかなかユニークなのは、ひとつの通りから見ると、総菜、弁当の定食屋に見えて、横に曲がると「大衆酒場」になるという、店構えだ。なかなかのアイデアで、こうした「災難」を事前に想定しているかのような店舗だ。その近くにある定食屋もガラスにさまざまなメニューを貼りつけ、客の目を引いている(「宣言」は緊急事態宣言が出された後の銀座と周辺の風景を随時、掲載します。また宣言は4月7日深夜に発令されましたが、実際に影響を及ぼしたのは8日朝からなので、8日を「初日」としています)。

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JR東京駅構内で、営業を再開した1軒の土産物店。

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店の営業は昼過ぎまでで、夜はテイクアウト専門にしていた「まめや」。

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新富町では珍しい八百屋は、大幅に道路に出して野菜類を並べている。

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雑貨やインスタント食品を並べる食料品店。

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15日から休業した「タリーズ」だが、貼り紙の「14日は営業」という文言の中に、経営側の苦心がにじみ出ている。

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ダイソーと「どらっぐぱぱす」の併設店。この時期でも2階のダイソーは混んでいた。

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一方からは総菜、弁当の定食屋に見え、横に曲がると「大衆酒場」になるという、ユニークな店構え。

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ガラスにメニューからお知らせまで何でも貼りつけている定食屋。

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休業を選んだクリーニング店。

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地下がお好み焼き、1階がピザとイタリアンの店があり、地下の店は飲み物注文すると、お好み焼きを半額にしていた。