高島屋増、日本橋三越、大丸、銀座三越、松屋減(2)

(一部、情報を追加して、書き換えます)
【銀座新聞ニュース=2020年5月19日】中央区とその周辺の主要百貨店の2019年度売上高がまとまった。日本橋高島屋が前年実績を上回ったものの微増にとどまり、日本橋三越、大丸東京店、銀座三越、松屋銀座店はいずれも前年を下回った。

4月から休業している松屋銀座店。

各店とも2019年10月からの消費増税と、2月に入って新型コロナウイルスの影響が広範囲に広がったのが原因とみられる。

とくに三越伊勢丹の2店舗は、決算月の3月ということもあって週末営業を時間短縮で続けたが、結果的には東京都知事の小池百合子(こいけ・ゆりこ)さんによる週末の外出自粛要請や一部の業種に対して営業自粛要請を出したこともあり、中央通りでは週末の恒例の歩行者天国も中止となるなど、大幅に人出が減ったことも影響したようだ。

三越伊勢丹ホールディングスの2020年3月期決算によると、日本橋三越(中央区日本橋室町1-4-1、03-3241-3311)は前年度比8.1%減の1330億1300万円だった。2017年3月期以降、4期連続のマイナスとなった。

銀座三越(中央区銀座4-6-16、03-3562-1111)は同9.2%減の828億1800万円と2017年3月期以来、3期ぶりに前年度を下回り、前期の初の900億円台から800億円台に戻った。

4月8日から休業を続ける銀座三越(右)。

訪日外国人観光客売上高(免税売上高)は日本橋三越が同10.0%減の30億2000万円、店舗売上高に占める割合が2.3%と前年並だった。銀座三越は同13.5%減の234億9900万円、店舗売上高に占める割合が28.4%で、前年よりも1.4%減少した。

日本橋高島屋(中央区日本橋2-4-1、03-3211-4111)の2020年2月期は同1.1%増の1307億9000万円と2018年2月期以来、2期ぶりのプラスで、2018年2月期以来2期ぶりに1300億円台を回復した。

日本橋三越が1300億円台に減少したのに対して、日本橋高島屋が1300億円台に回復したことで、ほぼ同規模で並んだ。

訪日外国人観光客売上高は金額では公開していないが、2月のみで前年同月比69%減、3月、4月は減少幅がさらに拡大している。

J.フロントリテーリングの2020年2月期決算で、大丸東京店(千代田区丸の内1-9-1、03-3212-8011)は同2.6%減の791億8500万円と2012年2月期以来、8期ぶりのマイナスとなった。2019年2月期で売上高が800億円を初めて超えたが、わずか1年で700億円台に戻った。

訪日外国人観光客売上高は同12.5%減の31億4600万円で、東京店の売上高に占める割合が4.0%だった。

また、「ギンザシックス(GINZA SIX)」などの不動産事業は同4.0%増の178億3200万円で、これに関わる従業員(社員、専任社員、有期雇用者の合計)は57人だった。

松屋銀座店(中央区銀座3-6-1、03-3567-1211)の2020年2月期は同2.5%減の763億400万円で、2017年2月期以来、3期ぶりのマイナスとなった。訪日外国人観光客売上高は6%減だった。

経産省の商業動態統計によると、2019年(1月から12月)の小売業の売上高は前年比0.1%増の145兆470億円で、スーパーが同0.5%減の13兆1015億円、百貨店が同2.4%減の6兆2919億円だった。