中央の百貨店5月、三越2店、松屋、大丸約9割減、高島屋6割減

【銀座新聞ニュース=2020年6月2日】中央区とその周辺の主要百貨店の5月売上高(速報値、店頭ベース)は、日本橋三越、大丸東京店、日本橋高島屋、銀座三越、松屋銀座店の5店ともマイナスだった。5店舗とも前年を下回ったのは、4カ月連続となる。

5月30日から営業を再開した銀座三越(右)と和光。撮影は6月1日夕方で、4丁目周辺の人出は多いが、この時間帯になると、店に入る客はそれほど多くない。

5月は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「緊急事態宣言」が発出された4月7日以降、全館臨時休業や食品フロアのみの営業体制となったことで、各店舗とも大幅なマイナスとなった。ただ、日本橋高島屋のように食品フロアの営業継続や大丸東京店も5月7日から食品売り場の営業再開、その後、両店舗ともほかのフロアへの再開拡大もあって、マイナス幅がやや縮小した。

また、訪日外国人観光客売上高(インバウンド、免税売上高)については、入国制限の強化や臨時休業が国内百貨店全店舗に拡大したことにより、各店とも大幅に落ち込んだ。高島屋全店では訪日外国人観光客売上高が前年比98.7%減、大丸松坂屋百貨店全店では同99.0%減となっている。

三越伊勢丹ホールディングスの日本橋三越(中央区日本橋室町1-4-1、03-3241-3311)は前年同月比90.5%減(4月速報値90.2%減、確定値85.3%減、小型店舗と恵比寿三越、ソリューション統括部を含む、確定値ベースでの店舗別売上額は2019年5月から未公表)と店頭ベースでは8カ月続けて前年を下回った。

4丁目交差点側の出入り口では、出口と入口が分かれており、入口では体温測定が行われ、マスク着用が求められる。従業員はマスクとフェイスシールドを着けている。

一方、銀座三越(中央区銀座4-6-16、03-3562-1111)は同95.4%減(同速報値94.9%減、確定値94.9%減、但し空港型免税店の売り上げを除く)と4カ月続けてマイナスとなった。

三越伊勢丹ホールディングスでは新型コロナウイルスの感染拡大による政府の「緊急事態宣言」発令を踏まえ、首都圏三越伊勢丹をはじめ、グループ百貨店全店舗において、順次全館臨時休業や食品フロアのみの営業体制となったことで、国内百貨店の売上高は8カ月連続で前年実績を下回った。

首都圏三越伊勢丹の百貨店全店舗では、新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的に4月4日、5日、宣言発令後の4月8日以降、全館臨時休業としていたが、30日から52日ぶりに営業を再開し、食品や化粧品、子ども用品などで購入目的が明確なお客が多かったとしている。

一方で、百貨店の店頭売上には含まれないが、EC事業は7日から再開し、前年比約1.4倍と好調に推移している。食品やライフスタイル関連用品が特に伸長し、自宅での時間を楽しく快適に過ごすためのキッチン雑貨、家電、フィットネスアイテム、食品では洋菓子やワインなどが求められたとしている。訪日外国人観光客売上高は入国規制や店舗臨時休業により、「4月同様厳しい状況」が続いている。

日本橋高島屋(中央区日本橋2-4-1、03-3211-4111)は同61.8%減(同速報値67.7%減、確定値67.5%減)と4カ月続けてマイナスとなった。日本橋店は2018年9月からレストラン街の運営を子会社の東神開発に移管し、百貨店としての売場面積が縮小している。

店頭売り上げは、全店で食料品フロアを除き臨時休業を実施し、5月中旬から段階的に営業範囲を拡大し、27日には日本橋店を含む全店で営業を再開した。しかし、店舗別売上高は、全店が前年実績を下回り、商品別売上高も、すべての商品群が前年を下回った。また、訪日外国人観光客売上高は同98.7%減となった。

J.フロントリテーリングの大丸東京店(千代田区丸の内1-9-1、03-3212-8011)は同87.4%減(同速報値93.2%減、確定93.2%減)と昨年10月の消費税増税以降、8カ月続けて前年を下回った。

百貨店事業は5月中旬まで、ほぼすべての店舗で臨時休業や食料品売場のみの営業を継続し、「緊急事態宣言」の段階的解除を踏まえ、徐々に全館営業店舗を増やし、27日には全16店舗で全館営業を再開した。このため、大丸松坂屋百貨店合計では同72.7%減、関係百貨店を含めた百貨店事業合計では同73.2%減と、4月よりもマイナス幅を縮小させた。

大丸松坂屋百貨店合計の訪日外国人観光客売上高(速報値)は同99.0%減(客数99.7%減、客単価275.1%増)となった。

J.フロントリテーリングでは2017年4月から「不動産事業」を独立させて、確定ベースで伸び率を公表しており(速報値ベースは未公表)、4月の「ギンザ シックス(GINZA SIX)」や「上野フロンティアタワー」などの家賃収入は同52.3%減だった。不動産事業がマイナスとなるのは、2カ月連続となる。2017年4月から「不動産事業」の数値を公表している。

松屋銀座店(中央区銀座3-6-1、03-3567-1211)は同91.3%減(4月は未公表)と4カ月続けてマイナスとなった。5月25日から食品フロアのみ営業時間を短縮して再開し、6月1日から全館で営業を再開した。このため、5月は食品フロアの7日間と一部外商の売上高前年増減率となっている。

食品については、生鮮三品(精肉、鮮魚、野菜)が昨年5月25日から31日と比較すると、2桁増で推移し、特に高価格帯の牛肉や寿司などが牽引したという。また、嗜好品(ワイン、紅茶、コーヒー)の売り上げも前年を越え、不要不急の外出を控える中で、お客の購買意欲が高まり売り上げに繋がったと分析している。

一方、外商(法人営業部)では、金製品やテレビ通販、日用品、制服の大口特注があり、法人営業部では同4.2%増だった。

日本百貨店協会(中央区日本橋2-1-10、03-3272-1666)によると、国内73社203店舗(総従業員6万1801人)の4月売上高(店舗調整後)は前年同月比72.8%減の1208億5966万円で、7カ月続けてのマイナスとなった。

4月は新型コロナウイルス感染拡大により、4月7日に7都府県に発出された「緊急事態宣言」が、16日には全国に拡大したことに伴い、営業自粛がさらに広がった。外出自粛の気運も一段と強まり、入店客数も8割弱減と大幅にマイナスとなった。地区別では、大都市(10都市、76.0%減)のマイナス幅が地方(64.2%減)よりも悪化した。

海外からの渡航者の入国制限はほぼすべての国が対象となり、訪日客が激減したことから訪日外国人観光客売上高は購買客数99.5%減(3カ月連続減)、売上高98.5%減(5億円、3カ月連続減、シェア0.4%)と大きく落ち込んだ。

国内市場は、食料品などとともに一部法人外商やECサイトが動いたものの70.6%減(7カ月連続、シェア99.6%)となった。

食料品については、生活必需品の確保の観点から、多くの店舗において営業を継続したことにより、全売上の4割以上のシェアを占める結果となった。野菜や精肉などのデイリーニーズから生鮮食品が堅調だった他、宅配も好調だった。ECサイトについては、構成比は低いものの、2倍以上の伸びを示す店舗も見られるなど急伸した。特に、食料品、化粧品、婦人バッグ、衛生用品などが動いた。

全国の百貨店の4月の営業日数は前年より5.2日少ない24.7日、111店舗の回答によると、入店客は1店が増え、109店が減ったとし、82店舗の回答によると4月の歳時記(春物商戦、GW)の売り上げについては2店が増え、77店が減ったとしている。東京地区(12社25店)の4月の売上高(店舗調整後)は同76.1%減の301億1409万円と7カ月続けてのマイナスとなった。

国内90店舗の訪日外国人観光客需要の4月の売上高は同98.5%減の約5億円と3カ月続けてマイナスとなり、国内の百貨店に占めるシェアが0.4%としている。

このうち、一般物品売上高は同98.6%減の約2億4000万円で、3カ月続けて前年を下回った。化粧品や食料品などの消耗品売上高が同98.5%減の2億6000万円、購買客数が同99.5%減の約2400人と3カ月続けてマイナスとなり、1人あたりの購買単価が同184.3%増の21万円で、5カ月続けて前年を上回った。

人気のあった商品は1位が化粧品(2018年1月から2020年3月まで1位)、2位にハイエンドブランド(2018年1月から2019年4月まで2位、5月3位、6月から3月まで2位)で11カ月連続で2位、3位が婦人服飾雑貨(2018年1月3位、2月4位、3月3位、4月5位、5月3位、6月から2019年7月まで4位、8月3位、9月から3月まで4位)で8カ月ぶりに3位の上がった。

4位に子ども服・雑貨(2020年3月5位)でランクがひとつ上がり、5位が婦人服・用品(2020年1月から3月5位、3月6位以下)で、5位に復活した。

免税手続きカウンターの来店国別順位は1位が中国本土(2018年1月から2020年3月まで1位)、2位は3月に3位に上がった韓国(2018年1月4位、2月から6月2位、7月3位、8月から10月2位、11月から2019年1月まで3位、2月から6月2位、7月4位、8月2位、9月から2月まで4位、3月3位)がさらに上昇した。

3位には3月に4位に下げた台湾(2018年1月と2月3位、3月4位、4月3位、5月から1月4位、2月3位、3月から6月4位、7月3位、8月4位、9月から11月2位、12月と1月3位、2月2位、3月4位)がひとつ上げた。4位は香港(2018年1月と2月3位、3月4位、4月3位、5月から1月4位、2月3位、3月から6月4位、7月3位、8月4位、9月から11月2位、12月と1月3位、2月2位、3月4位)で、3月に続いて2カ月連続で4位だった。

5位は、2018年から2020年2月まで7位、3月に6位と上がっているマレーシア(2018年1月から1月まで7位)がまたひとつ上げた。6位は3月に7位に下がったタイ(2018年1月から10月5位、11月と12月6位、2019年1月から8月5位、9月6位、10月から2月まで5位、3月7位)が上がった。7位は3月に5位に上げたシンガポール(2018年1月から10月6位、11月と12月5位、2019年1月から8月6位、9月5位、10月から2月まで6位、3月5位)がまたランクを下げた。

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