丸善日本橋でシャガール、ユトリロ、ローランサン「エコール・ド・パリ」展

【銀座新聞ニュース=2020年6月10日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・日本橋店(中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は6月10日から16日まで3階ギャラリーで「夢見るフランス版画展」を開く。

丸善・日本橋店で6月10日から16日まで開かれる「夢見るフランス版画展」に出品されるマルク・シャガールの「カップルと魚」(1967年、リトグラフ)。

19世紀末から20世紀にかけて、フランス・パリには、世界中から才能のある画家が集まったが、なかでも、「エコール・ド・パリ」と呼ばれる画家たちが華々しく活躍した。その中で、愛と幻想の画家と呼ばれ、ユニークな色彩感覚と夢のある画風で知られる、ロシア出身のユダヤ系フランス人画家、マルク・シャガール(Marc Chagall、1887-1985)、パリのモンマルトルの風景を哀愁豊かに描き続けた、近代のフランス人画家・モーリス・ユトリロ(Maurice Utrillo、1883-1955)、淡く繊細な線と色使いで女性を優美に描いた、フランスの女流画家、マリー・ローランサン(Marie Laurencin、1883-1956)の3人の画家を中心に展示販売する。

ウイキペディアによると、「エコール・ド・パリ(パリ派)」は20世紀前半、各地からパリのモンマルトルやモンパルナスに集まり、ボヘミアン的な生活をしていた画家たちをさす。厳密な定義ではないが、1920年代を中心にパリで活動し、出身国も画風もさまざまな画家たちを総称した表現で、1928年にパリのある画廊で開かれた「エコール・ド・パリ展」が語源といわれている。

印象派のようにグループ展を開いたり、キュビスムのようにある芸術理論を掲げて制作したわけではなく、「パリ派」とはいっても、一般に言う「流派」や「画派」ではない。狭義のエコール・ド・パリは、パリのセーヌ川左岸のモンパルナス(詩人の山)につくられた共同アトリエ「ラ・リューシュ(蜂の巣)」に集った画家たちをさす。

一方、セーヌ河右岸のモンマルトルには、ピカソが住んでいた「バトー・ラヴォワール(洗濯船)」があり、キュビスムの画家が多かった。狭義のエコール・ド・パリはキュビスムなどの理論に収まらない画家のことで、広義のエコール・ド・パリは、キュビストも含めてこの時代のパリで活躍した外国人画家(異邦人的なフランス人画家も含む)すべてをさす。

国籍は違えども、ユダヤ系の画家が多く、「エコール・ド・ジュイフ(ユダヤ人派)」と呼ばれることもある。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日は17時)まで。