大丸松坂屋画廊で石川幸奈、小野彩華、山本有彩ら7人の若手女流展

【銀座新聞ニュース=2020年6月11日】国内百貨店業界2位の流通グループ、J.フロントリテイリング(中央区八重洲2-1-1)傘下の大丸松坂屋百貨店(江東区木場2-18-11)が運営するアートギャラリー「Artglorieux GALLERY OF TOKYO」(中央区銀座6-10-1、GINZA SIX、03-3572-8886)は6月11日から17日まで石川幸奈さんら7人の若手画家による「銀座・小町通り-百美人画展 Galaxy of Beauties」を開く。

大丸松坂屋百貨店のギャラリー「アールグロリュー ギャラリーオブトーキョー(Artglorieux GALLERY OF TOKYO)」で6月11日から17日まで開かれる7人の若手画家による「銀座・小町通り-百美人画展 ギャラクシー・オブ・ビューティー(Galaxy of Beauties)」に出品される市川光鶴さんの「フォーチュン・テリング(Fortune telling)」。

江戸時代の浮世絵からの流れを汲む美人画の世界だが、ここ数年、女性像を描く作家が増えており、今回は現代の画壇で人気を博す石川幸奈(いしかわ・ゆきな)さん、市川光鶴(いちかわ・みつる)さん、小野彩華(おの・さいか)さん、粉川江里子(こかわ・えりこ)さん、平野実穂(ひらの・みほ)さん、松本潮里(まつもと・しおり)さん、山本有彩(やまもと・ありさ)さんの7人の若手女流作家が描く美人画を展示する。日本画、油彩画など異なる技法、モチーフで描かれ、それぞれの美意識をもとに表現されている。

ウイキペディアによると、「美人画」は単に美しい女性をモチーフにした絵画という概念に囚われがちだが、「広辞苑」では「女性の美しさを強調し」という抽象的表現で規定されており、「新潮世界美術辞典」(1985年版)では「女性の容姿の美しさ」とあり、「現代日本美人画全集 名作選I」(関千代さん、1979年)では「女性の中にある美」を探究しモチーフとしたものと定めてあり、必ずしも美人を描いたものという定義だけでその本質を表現できるものではない。実際、浮世絵の美人画は様式化されたもので、美しい女性をリアルに描いたものではない。

「美人画」という用語は、1940年代から1950年代の頃に文部省美術展覧会で醸成され形作られた言葉で、それ以前は、女性をモチーフとした、例えば浮世絵に見られる諸作品は「美人絵(びじんえ)」や「女絵(おんなえ)」として分類されていた。特に後者の呼称では源氏物語絵巻にあるような引目鉤鼻の記号的な女性図をも含んでいた。

同じく出品される平野実穂さんの「装い」。

明治末期には、新しい女性像を提案する画家(上村松園=うえむら・しょうえん、1875-1949=ら)の台頭や、過去の封建的な女性に対する社会的認知が変化を見せ始めたことが美人画という新しい分類が生まれた一要因とみなされる。

「百美人(東京百美人)」というのは、1891(明治24)年に浅草の凌雲閣(りょううんかく、1890年完成、同年11月11日に開業、高さ52メートル、12階建て、1階が入り口、2階から7階が外国の物品販売店(計46店)、8階が休憩室、10階から12階が眺望室(望遠鏡設置)、1923年に解体)で、日本初のエレベーターが故障が頻発し、5月に運転停止命令が出され、経営者の江崎礼二(えざき・れいじ、1845-1910)が入場料が大人8銭、子ども4銭(当時、かけそば1杯が1銭の時代)でも客が来てくれるアイデアとして、考案した。

エントリーしたのは102人の芸者で、写真家の小川一真(おがわ・いっしん、1860-1929)が撮影した写真を階段の壁面に展示し、12階の最上階で投票できるようにした。このアイデアが成功して、5日間の会期で延べ5万人が投票した。ただし、「東京百美人」が日本初のミス(美人)コンテストとされているが、1890(明治23)年4月19日付の読売新聞に「応募者の写真を審査して賞金を与える」美婦人品評会合イベントが報道されている。

同じく出品される松本潮里さんの「霧の中」。

また、ギャラリーによると、「ギャラクシー(Galaxy)」は銀河、天の川 (広大・多種類) という意味で、「ビューティー(Beauties)」は美しいもの、美しいことの総称で、人物画中心であり、技法やモチーフの異なる7人の展覧会ということから、今回はこのタイトルにしたという。さらに、「ギャラクシー・オブ・ビューティー(Galaxy of Beauties)」には「扇影衣香(せんえいいこう)」 という訳もあるという。

石川幸奈さんは1987年静岡県生まれ、2014年に名古屋芸術大学美術学部美術学科日本画コースを卒業、2015年に「三菱アートゲートプログラム27」で入選、2019年に「百美人画展」に出品している。

市川光鶴さんは1983年愛知県生まれ、1995年に第21回現創展に出品 (その後、2007年まで出品し、1999年に新人賞、2002年、2004年に努力賞 2003年に奨励賞、2005年に大賞、2006年に協会賞、2007年に会長賞)、2004年に第72回独立展に出品し(その後、2012年まで出品し、2007年に新人賞、2011年と2017年に佳作賞、2015年に芝田米三賞、2018年に奨励賞、2019年に損保ジャパン日本興亜美術財団賞)、2007年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業、卒業時に卒業制作研究室賞、2009年に武蔵野美術大学大学院造形研究科油絵コースを修了、独立春季新人選抜展に出品し(2012年に新人選抜賞)、現在、独立美術協会準会員。

同じく出品される山本有彩さんの「綻(ほころ)びを繕(つくろ)わずとも」。

小野彩華さんは1996年千葉県生まれ、2018年に東京造形大学絵画専攻領域を卒業、在学中の2016年に中山アカデミーアート(ART)アワードで特別賞、2017年に第94回白日会展で入選(その後毎年出品し、2018年に一般佳作賞、関西画廊賞)、2020年に第96回白日会展で準会員に推挙される。現在、白日会準会員。

粉川江里子さんは武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業、2010年に「画廊生誕 100周年記念大賞展」で優秀賞、2011年に「ACTアート大賞展」で佳作(2012年と2014年に優秀賞)、2013年に「第9回ベラドンナ・アート展」で春蔵絵具賞。視覚障害を抱えながら、制作している。

平野実穂さんは2007年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業、卒業時に卒業制作研究室賞、2008年から2014年まで銀座フォレストで個展、2017年にアメリカ・ロサンゼルスで個展、2018年に百美人画展、香港で「アフォーダブル・アート・フェア(Affordable Art Fair)」、2019年にギンザシックスで「ミューズ(Muse)たちの競演」に出品している。

松本潮里さんは1973年香川県高松市生まれ、1994年に京都嵯峨美術短期大学美術学科絵画2科(洋画)を卒業、卒業制作大学賞、1996年に同大学美術学科絵画専攻科を修了、修了制作大学賞、2001年に「第5回さかいでアート(Art)グランプリ」で佳作、2015年に台湾の「ヤングアート台北」に出品、2018年に「百美人画展」に出品している。

山本有彩さんは2015年に金沢美術工芸大学日本画専攻を卒業、在学中の2014年に「第6回トリエンナーレ豊橋星野真吾賞展」で入選、審査員推奨、「ワンダーシーズ(WONDER SEEDS)2014」で入選、2015年に「カナビ(KANABI)クリエイティブ賞2014公募展コンクール部門」で入賞、2017年に同大学大学院修士課程絵画専攻日本画コースを修了、在学中の2016年に公益財団法人佐藤国際文化育英財団の第25回奨学生美術展に出品し、2018年に個展、2020年に個展を開いている。

開場時間は10時30分から20時30分(最終日は18時)まで。入場は無料。

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