大丸松坂屋画廊で高村総二郎「ウォーホルへのオマージュ」展

【銀座新聞ニュース=2020年7月1日】国内百貨店業界2位の流通グループ、J.フロントリテイリング(中央区八重洲2-1-1)傘下の大丸松坂屋百貨店(江東区木場2-18-11)が運営するアートギャラリー「Artglorieux GALLERY OF TOKYO」(中央区銀座6-10-1、GINZA SIX、03-3572-8886)は7月2日から15日まで高村総二郎さんによる「前略 ウォーホル様」を開く。

大丸松坂屋百貨店の「アールグロリュー ギャラリーオブトーキョー(Artglorieux GALLERY OF TOKYO)」で7月1日から15日まで開かれる高村総二郎さんの「前略 ウォーホル様」に出品される作品。

画家で、細やかな伝統技術と技法を用いて絵画という表現から逸脱せず、直感的に創造する高村総二郎(たかむら・そうじろう)さんが、アメリカの「ポップアートの旗手」とされたアンディ・ウォーホル(Andy Warhol、1928-1987)のシルクスクリーン印刷した「キャンベルスープ缶」のオマージュ作品であり、高村総二郎さんの代表作とされている「カップヌードルシリーズ」を中心に、「纏(MATOI、まとい)」や大阪で刺青スタジオなどが集中している「住之江(JAPANESE TATTOO)」(ジャパニーズ・タトゥ)、「政治家(POLITICIANS)シリーズ」(ポリティシャンズ)も展示する。

「キャンベルスープ缶」は世界120カ国で販売されているスープ缶で、アンディ・ウォーホルは1962年に32種に及ぶキャンベルスープ缶の作品を発表した。ギャラリーでは「それまでの絵画表現を否定するかのようなアートの新しい形を提示し、モダンで最先端のアメリカ社会を表現すると同時に、目まぐるしく発展するアメリカ社会の闇、大量生産と大量消費を前提とした社会へ警鐘を鳴らしました」としている。

それから40年以上も経た2005年にニューヨーク近代美術館(MOMA)に無断で自分の作品を展示したのが英国の匿名の芸術家、バンクシー(Banksy)で、テスコ(tesco社)のスープ缶をモチーフにした作品を勝手に飾り、6日間も撤去されずに展示され続けた。

高村総二郎さんはアンディ・ウォーホルの「キャンベルスープ缶」にあたるのが、今日の日本では「カップヌードル」ととらえ、毎日のように「カップヌードル」を食べ、「私達の生活を豊かにするものと捉え、決して否定的なものとして捉えていません」(ギャラリー)。

メインモチーフのカップヌードルは「その背景もすべて違った仕様になっており、色そのものの変化、グラデーション、ドットや市松などの模様、箔の使用などにより、背景のパターンは複雑化しており、独自の個性を持った作品」となっている。

高村総二郎さんは大量生産を「生み出す者、使用する者の捉え方により、一つ一つが個性を持った物として存在し、人々を豊かにする」とし、ギャラリーは「ウォーホルから半世紀以上を経て進化した現代のポップアート」としている。

高村総二郎さんは1965年大阪府生まれ、1988年に京都市立芸術大学日本画専攻を卒業、2004年に第10回尖展に出品(2014年に第20回に出品)、2008年に第27回損保ジャパン美術財団選抜奨励展に出品、2011年に第5回トリエンナーレ豊橋星野真吾賞展三頭谷鷹史推奨に出展(2014年に第6回で準大賞)、2013年に「今日の墨の表現展」などに参加している。

開場時間は10時30分から20時30分(最終日は18時)まで。入場は無料。