ためながでパリで注目された9人展、吉川民仁、大竹寛子、大沢拓也ら

【銀座新聞ニュース=2020年7月10日】ギャルリーためなが(中央区銀座7-5-4、03-3573-5368)は7月10日から8月16日まで「巴里を魅了する和の九人展」を開いている。

ギャルリーためながで8月16日まで開かれている「巴里を魅了する和の九人展」のフライヤー。

ギャルリーためながは2015年からパリ店で「ヌーベル・エル・ドゥ・ジャポン(Nouvelle ere du Japon、日本の新たな時代展)」を開き、日本で活躍する画家をヨーロッパに紹介していくグループ展を企画してきた。「海外では無名に近い日本人の作家がどのように評価されるのか、楽しみと不安の交錯する中、展覧会は大きな反響を呼び、作家と共に多くの刺激を受けた」としている。

他方で、これらの日本の画家を日本で発表する機会を逸していたことに気がつき、パリで称賛された「和の国」の9人が銀座でどのように評価されるのか。今回、9人の作品展を開くことにした。

9人は吉川民仁(よしかわ・たみひと)さん、江川直也(えがわ・なおや)さん、菅原健彦(すがわら・たけひと)さん、細川貴司(ほそかわ・たかし)さん、大竹寛子(おおたけ・ひろこ)さん、村本真吾(むらもと・しんご)さん、中村ケンゴ(なかむら・けんご)さん、北川麻衣子(きたがわ・まいこ)さん、大沢拓也(おおさわ・たくや)さん。

吉川民仁さんは1965年千葉県生まれ、1989年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業、1991年に同大学大学院造形研究科油絵コース修士課程を修了、在学中の1990年に鎌倉画廊で初個展、1995年に文化庁芸術インターンシップ研修員、2018年から武蔵野美術大学油絵学科教授。

江川直也さんは1988年埼玉県生まれ、2011年に京都造形芸術大学美術工芸学科日本画コースを卒業、在学中の2010年に第8回「雪舟の里総社墨彩画公募展2010」で入選、2011年に京都造形芸術大学卒業制作展で細川護煕賞、学科賞、エマージング賞を受賞、第29回上野の森美術館大賞展で入選(2012年、2014年、2017年、2018年に入選)、第61回埼玉県美術展覧会で埼玉県教育委員会賞を受賞した。

2012年に第6回前田青邨記念大賞展で入選、第23回臥龍桜日本画大賞展で入選(2014年に入選)、第17回三菱商事アート・ゲート・プログラムで入選、2013年に第26回日本の自然を描く展でニッポン放送賞、第13回佐藤太清賞公募美術展日本画の部で特選、福知山市長賞(2014年に特選、横浜賞)、2016年にシード(Seed)山種美術館日本画アワード2016「未来をになう日本画新世代」で入選(2019年に奨励賞)、2019年にギャルリーためながパリ店の「ヌーベル・エル・ドゥ・ジャポン(Nouvelle ere du Japon)Ⅳ」に出展している。

菅原健彦さんは1962年東京都生まれ、1989年に多摩美術大学美術学部絵画科日本画専攻を卒業、在学中の1987年に第5回上野の森美術館大賞展で佳作賞、1995年に第5回五島記念文化賞で美術新人賞、五島文化財団研修員として1996年までドイツに留学した。

1997年に両洋の眼・現代の絵画展で倫雅賞、1998年に第11回MOA岡田茂吉賞絵画部門で優秀賞(文化庁作品買い上げ)、2003年に両洋の眼・現代の絵画展で河北倫明賞、2004年に第2回東山魁夷記念日経日本画大賞展で大賞を受賞している。現在、京都芸術大学美術工芸学科教授。

細川貴司さんは1964年高知県土佐清水市生まれ、1989年に東京芸術大学大学油画専攻を卒業、卒業時に久米賞、安宅賞、卒業制作買い上げ賞、1991年に同大学大学院修士課程を修了、修了時に大和銀行買い上げ賞、1994年に同大学大学院美術研究科後期博士課程油画専攻を満期退学した。

同年に野村国際文化財団助成、2001年に第16回ホルベイン(HOLBEIN)スカラシップ奨学生、2016年にギャルリーためながパリ店の「ヌーベル・エル・ドゥ・ジャポン(Nouvelle ere du Japon)Ⅱ」に出展、2015年から208年まで武蔵野美術大学造形学部油絵学科非常勤講師、東北芸術工科大学芸術学部美術科洋画コース准教授。

大竹寛子さんは1980年岐阜県生まれ、2006年に東京芸術大学絵画科日本画専攻を卒業、卒業制作で帝京大学買い上げ、2008年に同大学大学院美術研究科日本画専攻を修了、2009年に第19期佐藤国際文化育英財団奨学生、2011年に同大学大学院美術研究科博士後期課程日本画研究領域を修了、美術研究博士号を取得した。

2011年から2014年まで東京芸術大学教育研究助手(日本画)、2014年に東京芸術大学のエメラルド賞を受賞、2015年から2016年に文化庁新進芸術家海外派遣制度でアメリカ・ニューヨークに滞在、2019年にローマ教皇来日に伴い、バチカン市国に作品を寄贈している。

村本真吾さんは1970年石川県生まれ、1995年に東京芸術大学美術学部工芸科漆芸専攻を卒業、1997年に同大学大学院美術研究科修士課程漆芸専攻を修了、1999年に国際漆デザイン展’99石川で特別賞、1999年から2002年まで金沢卯辰山工芸工房で研修、2000年にアート&クラフトイン(in)御仏供杉で優秀賞(2001年に奨励賞)を受賞した。

2000年にクラフトコンペ高岡2000で審査員賞、2002年に国際漆展・石川2002で審査委員奨励賞、2010年から2015年4月まで金沢卯辰山工芸工房漆芸工房専門員を務め、2016年に第72回金沢市工芸展で金沢市長最優秀賞を受賞している。

中村ケンゴさんは1969年大阪府生まれ、1993年に多摩美術大学絵画科日本画専攻を卒業、1995年に同大学大学院美術研究科修士課程を修了、1994年から個展を開いており、Eメールで使われる顔文字、ワンルームマンションの間取り図、マンガの吹き出しやキャラクターのシルエットなどを手掛けている。

北川麻衣子さんは1983年埼玉県生まれ、2010年に東京芸術大学絵画科油画専攻を卒業、2012年に同大学大学院美術研究科絵画専攻油画研究室博士課程を修了した。2006年から個展を開き、2013年にシンガポールで個展を開いた。

2017年に台湾・台北でグループ展「アート・タイペイ(ART TAIPEI)2017」に参加(2018年、2019年も出品)、2018年に香港の「ファイン・アート・アジア(FINE ART ASIA)2018」に参加(2019年も出品)、2019年にベルギー・ブリュッセル、フィリピン・マニラのグループ展にも出品している。

大沢拓也さんは1979年埼玉県生まれ、2004年に東京芸術大学美術学部絵画科日本画専攻を卒業、卒業制作が台東区長賞、サロンドプランタン賞、2006年に同大学大学院美術研究科日本画専攻を修了、修了制作が大学美術館買上賞、在学中の2005年に第32回創画展で入選(以後、2006年に奨励賞など毎年入選)、2006年に第32回春季創画会で入選(以後、2008年、2010年に春季展賞など毎年入選)した。

2009年に同大学大学院美術研究科後期博士課程美術専攻日本画研究領域を修了、博士号(美術)取得、修了作品が野村賞、大学美術館収蔵され、2012年に東京芸術大学美術学部絵画科日本画教育研究助手、2013年に台湾・台北のグループ展「アート台北2013」に参加(以降、毎年出品)、2014年にトルコのグループ展に出品、2015年にイタリア・ミラノのグループ展に出品、2019年に英国ロンドンのアートフェアに出品している。

10日から12日まで11時から19時まで画家が来場する。10日大沢拓也さん、北川麻衣子さん、11日が菅原健彦さん、大竹寛子さん、江川直也さん、12日が吉川民仁さん、中村ケンゴさん、細川貴司さん。

開場時間は11時から19時(日曜日、祝日17時、12日は19時)。入場は無料。