インドの感染者数天井知らずに、回復者6割に一筋の光明(27)

【モハンティ三智江のインド発コロナ観戦記=2020年7月14日】本日7月10日現在、インド全土の感染者数は80万人近くに跳ね上がり(79万4000人)、死者数も、狂犬病死者数の2万人を超えた(2万1604人)。救いは回復者数が他国に比べると、高めなことで、49万6000人である。

上菊橋(かみきくばし)周辺の犀川(さいかわ)上流光景(金沢市)。美しい緑地公園が開け、風情ある佇(たたず)まいは、自室マンションからの定番散歩コースだった。コロナ禍による便の欠航で帰国の目処が立たぬ中、郷愁が募る。

ワースト3の内訳を見ると、1位がマハラシュトラ州(Maharashtra)で、22万4000人(回復者数12万3000人、死者数9448人)、2位はタミルナドゥ州(Tamil Nadu)の12万2000人(回復者数7万4167人、死者数1700人)、3位がデリー(Delhi)で、10万5000人(回復者数7万8199人、死者数3213人)となる。

ワースト感染都市、マハラシュトラ州の州都ムンバイ(Mumbai)は、8万5000人近い感染者数の5万6000人近い人が回復しており、2位のタミルナドゥ州の州都チェンナイ(Chennai)も、7万2000人超の5万人近い人が回復している。

感染爆発していたデリー準州も、実質患者数は2万2000人ちょっとで、2000万人都市の2万人超なら、秋あたりに国際線が再開したとき、首都の国際空港から飛び立つのも、そう怖くないかという気もする。

さて、わが居住州オディシャ(Odisha)だが、日毎に感染者数が急増、1日600人近い勢いで1万1000人超に達してしまった(うち7407人が回復、実質患者4476人)。これからがピークという感じで、当地プリー町(Puri)の属するプリー地方の内訳は、実質感染者数92人(回復者数244人)で死者数はいまだにたった1人である。

幸いにも、私の住むプリータウンはグリーン・ゾーンのステイタスを維持している。

州都ブバネシュワール(Bhubaneshwar)の感染爆発が懸念されており、民間大手のICICI銀行で15人の行員の集団感染や、IT企業テク・マヒンドラでの7人の社員の感染も報告されている。この勢いでいくと、今月中には2万人を越してしまうかもしれない。

州政府は、病床数を増やしたり、対策に追われているが、在外住民の不満としては、何ら具体的な救済措置が講じられないことである。一体いつまで休業要請を強いるつもりなのか、現在ロックダウン(都市封鎖)111日目に突入し、ホテル産業は壊滅的なダメージを食らっており、臨戦体制で救済まで手が回らない現状もわからないでもないが、州経済の打撃をどう考えているのかと、為政者に問い質したい。

橋の袂にある喫茶店からのパノラマビュー。この風光明媚さに惹かれ、即座に破格の安値で売り出されていた中古マンション購入を決めだ。

ただ厳しければ、それでいいというもんでもない。私は恵まれている方で、家もあるし、息子も無事ムンバイから戻ったし、何とか食べていけるが、ロックダウンで失職した大勢の貧民を見殺しにするのかと問いたい。

いまだに奥地の原住民地域では、餓死者も出る、後ろから数えた方が早い貧困州、早急に救済措置を打ち出してほしい。

中小企業への支援策も忘れずに望みたいところだが、財源のない州には、とてもそこまではと諦めの境地だが、まずは救済措置の第1歩を踏み出してほしい。

インド全土まだまだピークが見えてこず、一体どこまで伸びるのかという感じだが、回復率の高さを見ると、そう恐れるに足らないと、一筋の希望も湧いてくる昨今だ。

●コロナ余話/成田空港のPCR検査シミュレーション

たまたま成田空港でのPCR検査体験動画を見つけたおかげで、実態が具体的にわかり、重宝させてもらった。

自家用車やレンタカーがない帰国者が体験ビデオを公表(6月13日付け)した。それによると、検査は撮影禁止だったが、綿棒2本程度の長さの棒を鼻の奥に挿入され、ぐりぐりやって終わり、感触は注射より不快感があり、違和感が残ったとのことだった。

4時間後に、バスで国指定の3食付きホテルへ(動画では小綺麗て、おにぎり2個にインスタント味噌汁、唐揚げ・卵焼きなどのお菜付き弁当も美味しそうだった)。そこで2日待機のあと、陰性と判明し、自分が予約した空港近くのホテルに移動したとのこと(有名なホテルチェーンで13泊5万4000円)、ちなみに、待機中のホテル代は国持ち、陽性と判明した場合搬送される病院やホテルも、国持ちとなるらしい。

それにしても、検査では、血が取られるのかと思っていた私には、意外だったが、鼻孔に差し込まれてのぐりぐりの不快感も、ちょっと耐え難い。

(「インド発コロナ観戦記」は「観戦(感染)記」という意味で、インドに在住する作家で「ホテル・ラブ&ライフ」を経営しているモハンティ三智江さんが現地の新型コロナウイルスの実情について書いており、随時、掲載します。モハンティ三智江さんは福井県福井市生まれ、1987年にインドに移住し、翌1988年に現地男性(2019年秋に病死)と結婚、その後ホテルをオープン、文筆業との二足のわらじで、著書に「お気をつけてよい旅を!」(双葉社)、「インド人には、ご用心!」(三五館)などを刊行しており、感染していません。

また、息子はラッパーとしては、インドを代表するスターです。13億人超と中国に次ぐ世界第2位の人口大国、インド政府は3月24日に全28州と直轄領などを対象に、完全封鎖命令を発令し、25日0時から21日間、完全封鎖し、4月14日に5月3日まで延長し、5月1日に17日まで再延長、17日に5月31日まで延長し、31日をもって解除しました。これにより延べ67日間となりました。ただし、5月4日から段階的に制限を緩和しています。

7月13日現在、インドの感染者数は84万9553人、死亡者数が2万2674人、回復者が53万4621人、アメリカ、ブラジルに次いで3位になっています。州別の最新の数字の把握が難しく、著者の原稿のままを載せています。また、インドでは3月25日から4月14日までを「ロックダウン1.0」とし、4月14日から5月3日までを「ロックダウン2.0」、5月1日から17日までを「ロックダウン3.0」、18日から31日を「ロックダウン4.0」、6月1日から6月末まで「アンロックダウン(Unlockdown)1.0」、7月1日から「アンロックダウン2.0」と分類していますが、原稿では日本向けなので、すべてを「ロックダウン/アンロックダウン」と総称しています。

ただし、インド政府は5月30日に感染状況が深刻な封じ込めゾーンについては、6月30日までのロックダウンの延長を決め、著者が住むオディシャ州は独自に6月末までの延長を決めています。この政府の延長を「ロックダウン5.0」と分類しています。また、タージ・マハルも開放する方針を撤回して、引き続き閉鎖されています)

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