中央の百貨店7月、全5店マイナス、銀座三越と大丸がほぼ半減

【銀座新聞ニュース=2020年8月4日】中央区とその周辺の主要百貨店の7月売上高(速報値、店頭ベース)は、日本橋三越、大丸東京店、日本橋高島屋、銀座三越、松屋銀座店の5店ともマイナスだった。5店舗とも前年を下回るのは6カ月連続となる。

7月の売上高が前年比50.8%減と苦戦している銀座三越。

7月は新型コロナウイルスの感染防止のため、不要不急の外出を控える状況が続き、各店舗とも大幅なマイナスとなっているが、オンライン(EC)の売り上げが「前年比約1.4倍」(三越伊勢丹ホールディングス)、「中元はオンライン売り上げが好調」(高島屋)など、顧客の需要がオンラインに移りつつあることを示している。ただ、オンラインは各店舗の売上高に算定されないため、店舗別の売上高としては当分、苦戦が続くことを示唆している。

また、訪日外国人観光客売上高(インバウンド、免税売上高)はほとんど消滅しているが、その比重が大きい店舗では銀座三越のように店舗全体の売上高が半減するなど、影響が大きい。

三越伊勢丹ホールディングスの日本橋三越(中央区日本橋室町1-4-1、03-3241-3311)は前年同月比17.0%減(6月速報値17.1%減、確定値16.1%減、小型店舗と恵比寿三越、ソリューション統括部を含む、確定値ベースでの店舗別売上額は2019年5月から未公表)と店頭ベースでは10カ月続けて前年を下回った。

一方、銀座三越(中央区銀座4-6-16、03-3562-1111)は同50.8%減(同速報値45.3%減、確定値45.3%減、但し空港型免税店の売り上げを除く)と6カ月続けてマイナスとなり、マイナス幅も拡大した。

三越伊勢丹ホールディングスでは、首都圏三越伊勢丹の店舗ではコロナ禍による外出自粛要請などにより客数が減少し、6月売上前年比を下回った。カテゴリーとしては、室内でより快適に豊かに暮らしたい消費傾向から、家具インテリアや食品(生鮮、惣菜、菓子)などは堅調に推移した。また、大都市圏や東京都心店舗では、宝飾時計やラグジュアリーブランドのハンドバッグなど高額品への関心が高まってきている傾向も見られたとしている。

同じく40.0%減と三越と同様に苦しい経営が続く松屋銀座店。

さらに、首都圏三越伊勢丹では、オンライン(EC)の売り上げが前年比約1.4倍と引き続き好調で、ワインなどの酒類やハンドバッグ、財布などが人気だった。6月9日に刷新した三越伊勢丹オンラインでは、「マイバッグ」や「洋菓子関連」の特集への反響が大きく、来店客数が伸び悩む中、東京都心の店舗を中心に一部の婦人ファッション(衣料やアクセサリー)のオンライン接客もスタートさせた。訪日外国人観光客売上高は依然として低調で、訪日外国人観光客売上高シェアの高い店舗はマイナス幅が大きくなっている。

日本橋高島屋(中央区日本橋2-4-1、03-3211-4111)は同17.9%減(同速報値17.9%減、確定値18.1%減)と6カ月続けてマイナスとなり、マイナス幅も横ばいだった。日本橋店は2018年9月からレストラン街の運営を子会社の東神開発に移管し、百貨店としての売場面積が縮小している。

店頭売り上げは、訪日外国人観光客売上高の大幅な減少(92.2%減)に加え、外出を控える傾向や、天候不順、夏セール前倒し開催の影響などにより、前年実績を下回った。訪日外国人観光客売上高を除いた売上高は15.0%減だった。

また、中元はオンライン売り上げの好調により、前年並の推移、商品別売上高(16店舗ベース)については、すべての商品群が前年を下回った。

J.フロントリテーリングの大丸東京店(千代田区丸の内1-9-1、03-3212-8011)は同46.3%減(同速報値49.8 %減、確定50.1%減)と昨年10月の消費税増税以降、10カ月続けて前年を下回った。

百貨店事業は「3密回避」の目的でセールを分散開催したことや、新型コロナウイルスの感染再拡大により外出を控える傾向が強まり、入店客数が減少し、衣料品を中心に苦戦した。一方で、ラグジュアリーや宝飾などの生活に彩りを添える商品カテゴリが健闘した。訪日外国人観光客売上高は97.7%減(客数99.2%減、客単価175.5%増)としている。

J.フロントリテーリングでは2017年4月から「不動産事業」を独立させて、確定ベースで伸び率を公表しており(速報値ベースは未公表)、6月の「ギンザ シックス(GINZA SIX)」や「上野フロンティアタワー」などの家賃収入は同4.7%減だった。不動産事業がマイナスとなるのは、4カ月連続となる。

松屋銀座店(中央区銀座3-6-1、03-3567-1211)は同40.0%減(同速報値37.2%減、確定37.2%減、4月は未公表だったが、5月の確定値段階で、4月が91.4%減と公表)と6カ月続けてマイナスとなった。

銀座店は、クリアランスセールにおいて衣料品が苦戦するなど、月累計の売上高は前年に対して約4割減、また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、入店客数も前年に対して約5割減など月間を通して苦戦した。一方では、訪日外国人観光客売上高がほぼ消失した中、引き続き、国内客による海外ラグジュアリーブランド(前年比8.7%増)や、時計(同3%増)が堅調に推移するなど、高品質、高価格帯商材へのニーズの高さを示したとしている。

また、中元商戦においては、前年に対し約2割増と好調に推移し、月後半から開かれている「誕生65周年記念 ミッフィー展」は館全体の回遊・買廻りを促し、強い来店促進策として好調に推移しているという。

日本百貨店協会(中央区日本橋2-1-10、03-3272-1666)によると、国内73社203店舗(総従業員6万1774人)の6月売上高(店舗調整後)は前年同月比19.1%減の3829億4724万円で、9カ月続けてのマイナスとなった。

6月は新型コロナウイルスによる外出自粛ムードは残るものの、全店が全館営業を再開したことから、入店客数も徐々に上向き、食料品や衛生用品など生活必需品が好調で、ラグジュアリーブランドや宝飾品など一部高額商材にも動きが見られ、減少幅が5月(65.6%減)から大きく改善し(46.5ポイント)、業績持ち直しの局面に転換してきたとしている。

地区別では、地方(10都市以外の地区)が11.3%減、営業自粛の影響が大きい大都市(10都市)は22.0%減と、引き続き大都市の苦戦が目立っている。

訪日外国人観光客需要(インバウンド、免税売上高)は、入国制限の継続により、売上高が90.5%減(26.8億円、5カ月連続、シェア0.7%)と依然厳しい状況が続いている。一方、国内市場は14.6%減(9カ月連続、シェア99.3%)と48.6ポイント改善した。

商品別では、「イエナカ需要」の高まりを背景に、精肉や鮮魚などの生鮮食品、食器・キッチン関連、寝具などのリビング用品が健闘し、パラソルやサンダルなどの季節商材、ブライダル需要の宝飾品、学校再開により子ども服も動いた。また、中元商戦は、店頭の減少をEC(ネット通販)の大幅な伸びがカバーし、堅調に推移している。

クリアランスセールは開始時期の前倒しや分散開催、長期化、ECの拡大展開など、一連のコロナ対策が顧客ニーズに適合し、衣料品を含むファッション商材中心に動きが見られたとしている。

全国の百貨店の6月の営業日数は前年と同じ29.8日、111店舗の回答によると、入店客は5店が増え、101店が減ったとし、87店舗の回答によると6月の歳時記(中元、父の日)の売り上げについては8店が増え、65店が減ったとしている。東京地区(12社25店)の6月の売上高(店舗調整後)は同24.3%減の1047億5039万円と9カ月続けてのマイナスとなった。

国内90店舗の訪日外国人観光客需要の6月の売上高は同90.5%減の約26億8000万円と5カ月続けてマイナスとなり、国内の百貨店に占めるシェアが0.7%としている。

このうち、一般物品売上高は同89.7%減の約15億3000万円で、5カ月続けて前年を下回った。化粧品や食料品などの消耗品売上高が同91.4%減の11億5000万円、購買客数が同97.3%減の約1万2000人と5カ月続けてマイナスとなり、1人あたりの購買単価が同248.1%増の21万6000円で、7カ月続けて前年を上回った。

人気のあった商品は1位が化粧品(2018年1月から2020年5月まで1位)、2位にハイエンドブランド(2018年1月から2019年4月まで2位、5月3位、6月から2020年5月まで2位)で13カ月連続で2位、3位が婦人服飾雑貨(2018年1月3位、2月4位、3月3位、4月5位、5月3位、6月から2019年7月まで4位、8月3位、9月から5月まで4位)で、ひとつランクを上げた。

4位が婦人服・用品(2020年1月から2月5位、3月6位以下、4月5位、5月3位)で、3位からひとつ下げた。同じく4位に紳士服・用品が入った。

免税手続きカウンターの来店国別順位は1位が中国本土(2018年1月から2020年5月まで1位)、2位は5月2位に上がった台湾(2018年1月と2月3位、3月4位、4月3位、5月から1月4位、2月3位、3月から6月4位、7月3位、8月4位、9月から11月2位、12月と1月3位、2月2位、3月4位、4月3位、5月2位)で2カ月で連続となった。

3位は韓国(2018年1月4位、2月から6月2位、7月3位、8月から10月2位、11月から2019年1月まで3位、2月から6月2位、7月4位、8月2位、9月から2月まで4位、3月3位、4月2位、5月3位)で、2カ月連続だった。

4位は4月に5位だったマレーシア(2018年1月から1月まで7位、3月に6位、4月、5月5位)で、初めて4位に上がった。5位が香港(2018年1月と2月3位、3月4位、4月3位、5月から1月4位、2月3位、3月から6月4位、7月3位、8月4位、9月から11月2位、12月と1月2位、2月3位、3月2位、4月、5月4位)で、初めて5位に下がった。

6位は4月から3カ月連続でタイ(2018年1月から10月5位、11月と12月6位、2019年1月から8月5位、9月6位、10月から2月まで5位、3月7位、4月、5月6位)だった。7位はシンガポール(2018年1月から10月6位、11月と12月5位、2019年1月から8月6位、9月5位、10月から2月まで6位、3月5位、4月、5月7位)で、3カ月連続となった。

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