大丸松坂屋画廊で西陣の裕人礫翔展、金銀箔を青く変色させる

【銀座新聞ニュース=2020年9月9日】国内百貨店業界2位の流通グループ、J.フロントリテイリング(中央区八重洲2-1-1)傘下の大丸松坂屋百貨店(江東区木場2-18-11)が運営するアートギャラリー「Artglorieux GALLERY OF TOKYO」(中央区銀座6-10-1、GINZA SIX、03-3572-8886)は9月10日から16日まで裕人礫翔さんによる個展「青の世界」を開く。

大丸松坂屋百貨店の「アールグロリュー ギャラリーオブトーキョー(Artglorieux GALLERY OF TOKYO)」で9月10日から16日まで開かれる裕人礫翔さんの「青の世界」に出品される「紺碧に包まれて 静寂」。

西陣の伝統技術をアートに用い、金銀箔に熱を加え、変色させる独自の技術で色彩を自在に操る金属箔アーティストの裕人礫翔(ひろと・ゆうしょう)さんが、文字通り青く変色させた金属箔の作品や、大自然を感じさせる屋久杉の作品などを展示する。

タイトルの「青の世界」とは、海、空、水など自然をイメージしたもので、絶えず流れ、留まることなく再生していく自然のように、今の時代や社会、人々の心が少しでも早く再生するように、との祈りが込められている、としている。

裕人礫翔さんは1962年京都府京都市生まれ、京都市伝統産業技術功労者の父親、西山治作(にしやま・じさく)さんを師として柄絵箔業に携わり、アートとして金銀模様箔の創作に取り組み、桂由美(かつら・ゆみ)さんや片岡鶴太郎(かたおか・つるたろう)さんらと共同で制作し、京都国立博物館、名古屋ホテルマリオットなどで文物の修復やインテリア装飾などの創作活動を行っている。

2002年に「2002京都デザイン優品」に認定され、第30回世界司厨士界連盟世界会議協賛テーブルアート展で伝統的工芸品産業振興協会会長賞、また、文化財保存を目的とするデジタルアーカイブ事業で、文化財の保護と活用に貢献し、その手法で2006年に特許を取得している。

国宝「風神雷神図屏風」高精細複製を制作し、建仁寺に奉納している。また、南禅寺、妙心寺、相国寺、隨心院、二条城、名古屋城などの障壁画の複製にも取り組んでいる。文化財複製への貢献が認められ、「京版画」として商標登録されている。2011年には京都・未来の名匠に認定されている。

開場時間は10時30分から20時30分(最終日は18時)まで。入場は無料。