サニーヘルス、山芋や冷めたおにぎりなどで難消化性でんぷん摂取を

【銀座新聞ニュース=2020年9月19日】健康食品、美容商品、化粧品などの販売会社、サニーヘルス(中央区八重洲2-1-6、八重洲kビル、03-6701-3000)はこのほど、レポート「太らない炭水化物!?レジスタントスターチにダイエット効果」を発表した。

でんぷんはブドウ糖がいくつも連なった多糖類と呼ばれるもので、体内に入るとブドウ糖単体に分解され、小腸で吸収され、血糖となり、エネルギーとして利用される。

ここ何年か、炭水化物抜きダイエット(糖質制限ダイエット)の流行により、炭水化物(糖質)は太りやすい食べ物として扱われるようになり、控える人が増えてきている。しかしながら、炭水化物の中には、食物繊維と同様の働きをするという特殊かつダイエットに有効な「レジスタントスターチ(resistant starch、難消化性でんぷん、耐性でんぷん)」という成分を含んでいる食品がある。

炭水化物でありながら、ダイエットに有効なレジスタントスターチとは、一体どういうものなのか?腸内環境を整えダイエットを促進するための食べ方を紹介する。

●食物繊維と同じはたらきをする炭水化物

米や小麦などの穀類やいも類などに含まれる炭水化物はでんぷんで、でんぷんはブドウ糖がいくつも連なった多糖類と呼ばれるもので、体内に入るとブドウ糖単体に分解され、小腸で吸収され、血糖となり、エネルギーとして利用される。エネルギーとして使われなかった余剰分は、脂肪細胞に取り込まれ脂肪となるため、穀類やいも類の食べすぎは太ると言われてきた。

お米なら温かいご飯よりも寿司や冷めたおにぎり、じゃがいもならポテトサラダにするなど温度を下げる料理にすることで、レジスタントスターチを増やすことが可能となる。

しかし、でんぷんの中には消化、吸収されず、大腸にまで届き、食物繊維と同じようなはたらきをするものがあることが研究により明らかにされており、それがレジスタントスターチだ。

●レジスタントスターチのダイエット効果

食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があり、どちらも腸内環境の改善に役立つという共通点はありつつも、それぞれ特徴が異なる。レジスタントスターチはこれら2つの食物繊維の両方のはたらきをすると考えられており、第3の食物繊維と呼ばれ、今注目されている栄養素という。

不溶性・水溶性の両食物繊維の機能を併せ持つことから、レジスタントスターチには、
1.ダイエット効果
2.腸内環境の改善
3.美肌・エイジングケア
が期待されている。

1.ダイエット効果
レジスタントスターチは腸内環境を整える効果が期待でき、便通をスムーズにし、ダイエット効果も高める。

普通のでんぷんは体内に入ると、ブドウ糖に分解されたのち吸収され、血糖となるが、レジスタントスターチは小腸で吸収されずに腸内を移動するという特徴があり、血糖値の上昇を抑える効果がある。血糖値の急上昇はインスリンの過剰分泌につながり、血糖が脂肪に変わるのを促進させてしまう。つまり、ダイエットにおいて、血糖値を急上昇させないことが不可欠とされている。

血糖値を上げにくいということはダイエット面のみならず、成人病のケアにも効果が期待できることと同じで、レジスタントスターチを摂取することで血液中の総コレステロールや悪玉コレステロールが低下することも研究により明らかにされている。

また、レジスタントスターチを多く含んだ食品は、小腸での吸収がゆっくりなので、腹持ちがよく、ダイエット中に辛い空腹感を緩和することができる。

2.腸内環境の改善
レジスタントスターチは炭水化物でありながら小腸で吸収されず、大腸まで届く。大腸で不溶性食物繊維のように便のかさを増してぜんどう運動を促進する効果、水溶性食物繊維のように善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やしたり、活動を活性化させたりなどの作用がある。

これらのはたらきにより、腸内環境を整える効果が期待でき、便通をスムーズにし、ダイエット効果も高める。大腸で善玉菌がレジスタントスターチを分解し、発酵すると、腸内では酪酸やプロピオン酸、酢酸などの「短鎖脂肪酸」が生成される。

この短鎖脂肪酸は、腸のエネルギー源となり、腸のバリア機能を高め、全身の健康に関わっていると考えられている重要な存在という。レジスタントスターチを摂取すると、腸内の短鎖脂肪酸の濃度が高まることが研究により判明している。

3.美肌・エイジングケア
腸内環境が悪化すると、目に見えて影響を及ぼすのが肌だ。便秘のときに肌荒れが目立つのが分かりやすい例で、腸内環境が悪いと肌トラブルを起こしてしまう。

これは腸内で悪玉菌が増えることによって有害物質が産生され、それが血液を通して全身に巡り、肌にまで到達するためといわれている。

2の「腸内環境の改善」を行うことが、美肌作りには必須で、どれだけ高級なスキンケア商品を使っても、体の内側である腸からきれいにしなければ、外側にも如実に表れてしまう。レジスタントスターチのはたらきによって「美腸」を保つことができれば、肌も美しく保つことができる。

●ご飯も冷ますことでダイエット向きに変身!

レジスタントスターチは、穀類、豆類、いも類、パスタ、コーンフレークなどでんぷんを多く含む食品に含まれている。また、同じ食品であっても、レジスタントスターチの含有量は加熱すると減り、冷ますことで増えるという特性を持つものもある。

この特性を生かして、例えばお米なら温かいご飯よりも、寿司や冷めたおにぎり、じゃがいもならポテトサラダにするなど、温度を下げる料理にすることで、レジスタントスターチを増やすことが可能となる。

注目したいのが、レジスタントスターチが豊富に含まれていて、しかも、加熱調理不要、生食可能な山芋だ。すりおろしてとろろにするよりも、切ってたべるほうが効率的にレジスタントスターチを摂取することができるので、短冊切りなど包丁で切る方法がお勧めとしている。

ダイエットのために炭水化物を抜く人は増えてきているが、その分、食物繊維の摂取量が少なくなってしまっては、本末転倒になる。ダイエットに役立つレジスタントスターチを含む炭水化物なら、制限することなく摂取したい。

もちろん炭水化物の食べすぎは体型に影響を及ぼすが、過度な制限は腸内環境を悪化させてしまう。正しく取捨選択できるようにしたい。

レジスタントスターチをダイエットに利用するなら、普段の主食を温かい白米ではなく、雑穀や冷ました酢飯やおにぎりなど、レジスタントスターチの含有量が多いものに変える。

また、生の山芋を日々の食卓に乗せるようにする。生で食べるなら短冊切りにするほか、ぬか漬けや浅漬けにしてもおいしいので、副菜として添える、などの方法がある。