ヴァニラ画廊で高橋美貴展、暗闇から見つめ返す存在

【銀座新聞ニュース=2020年10月11日】ヴァニラ画廊(中央区銀座8-10-7、東成ビル、03-5568-1233)は10月15日から26日まで高橋美貴さんによる個展「魑魅の栖」を開く。

ヴァニラ画廊で10月15日から26日まで開かれる高橋美貴さんの個展「魑魅の栖」のフライヤー。

長年ゲームクリエーターとして活躍してきたイラストレーターの高橋美貴(たかはし・みき)さんが「魑魅の栖(すだまのすみか)」と題して、個展を開く。

高橋美貴さんは「曖昧なものに潜む美しさに惹かれ続けています。性別も種別も生死も地続きで、この世でもあの世でもない世界に思いに浸るとき説明できない何か-魑魅-が私の中にいます。責めることも肯定することもなく、ただじっと暗闇からこちらを見つめ返しています。この不安と安らぎが混在する矛盾を、絵に落とし込もう」としている。

ただ「私のこの魑魅の正体を、別の形で暴いてむき出しにしたら、それは姿を消してしまうような気がする」と考え、「この曖昧で形にならず、つかめない存在が、鑑賞者の内側で何か形造る時、その時こそが、私の作品が完成する瞬間」としている。

「魑魅の栖」とは2014年に刊行された「SFマガジン700(海外篇)」(ハヤカワ文庫)に掲載されたアメリカのSF作家、ジョージ・R・R・マーティン(George Raymond Richard Martin)さんのSF短編小説「夜明けとともに霧は沈み」に登場する惑星で、高橋美貴さんはそこから取っている。

「魑魅魍魎(ちみもうりょう)」の「魑魅」で、「山林・木石の精気から生じるという霊」(goo国語辞書)という意味がある。

高橋美貴さんは東京都生まれ、1995年に武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科を卒業、ソニー・インタラクティブエンタテインメントにアーティストとして在籍し、日本を舞台にしたホラーゲームシリーズで「屍人・闇人」のデザインに携わり、2014年よりオリジナル作品を発表、「ベハンス・ワコム(Behance Wacom)」賞を受賞し、2016年にヴァニラ画廊大賞展に参加、2017年にヴァニラ画廊で個展を開いている。

開場時間は12時から19時(土・日曜日、祝日、最終日は17時)。入場料は500円。会期中は無休。入場に際してはマスク着用、検温などがある。時間指定有の完全チケット制で、定員制で1時間単位の時間指定で完全入れ替えとなる。ライブポケット(https://t.livepocket.jp/t/genk_kizimecca)を通じて予約する。当日券はない。

注:「高橋美貴」の「高」は正しくは旧漢字です。名詞は原則として常用漢字を使用しています。