資生堂でアートエッグ展、西太志、橋本晶子、藤田クレア、デザートも

【銀座新聞ニュース=2020年10月16日】国内最大の化粧品メーカーの資生堂(中央区銀座7-5-5、03-3572-5111)は12月20日まで資生堂ギャラリー(中央区銀座8-8-3、東京銀座資生堂ビル、03-3572-3901)で「第14回shiseido art egg展」を開いている。

資生堂ギャラリーで12月20日まで開かれている「第14回シセイドウ アートエッグ(shiseido art egg)展」で、10月25日まで個展を開いている西太志さんの「ナイト・シー・ジャーニー(NIGHT SEA JOURNEY)」(2018年、水性アルキド樹脂、油絵具、木炭、顔料、キャンバス)。

「シセイドウアートエッグ(shiseido art egg)」は資生堂が2006年からはじめた若手作家を対象にした公募展で、応募者の中から3人を選んで、例年は1月から3月にかけて、2018年から6月ころから8月にかけて個展を開き、最終的に「アートエッグ」賞(賞金20万円)を決めていた。しかし、2020年は当初、4月から6月にかけて開く予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大により、延期し、10月から12月に開いている。

最終審査に挑む3人を選ぶのは、東京芸術大学教授で資生堂ギャラリーアドバイザーの伊藤俊治(いとう・としはる)さん、美術評論家で資生堂ギャラリーアドバイザーの光田由里(みつだ・ゆり)さんと資生堂社会価値創造本部の3人で、最終審査の「アートエッグ」賞は毎年変わる3人の特別審査員が決める。

2020年は美術作家の今井俊介(いまい・しゅんすけ)さん、詩人の大崎清夏(おおさき・さやか)さん、ジャーナリストで「21_21 DESIGN SIGHT」アソシエイトディレクターの川上典李子(かわかみ・のりこ)さんが務める。

同じく10月30日から11月22日まで展示される橋本晶子さんの「イエスタデイ・ストーリー(Yesterday’s story)」(部分、2018年、鉛筆、紙、部屋、撮影:Watson studio)。

14回目は215人の応募があり、その中から1983年大阪府生まれ、2006年に大阪芸術大学芸術学部美術学科絵画コースを卒業、2015年に京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻油画を修了した西太志(にし・たいし)さん、1988年東京都生まれ、2013年に武蔵野美術大学造形学部日本画学科を卒業、2015年に同大学大学院造形研究科修士課程日本画コースを修了した橋本晶子(はしもと・あきこ)さん。

1991年中国北京市生まれ、2011年に北京世青国際学校を卒業、2016年に東京芸術大学美術学部先端芸術表現科を卒業、2018年に同大学大学院美術研究科修士課程先端芸術表現専攻を修了した藤田クレア(ふじた・くれあ)さんが入選した。

同じく11月27日から12月20日まで展示される藤田クレアさんの「閾(いき)-ザ・スモーレスト・ディテクタブル・センセーション(The smallest detectable sensation)」(2018年、ミクストメディア)。

10月25日まで西太志さん、10月30日から11月22日が橋本晶子さん、11月27日から12月20日が藤田クレアさんがそれぞれ個展を開く。

西太志さんは、虚構と現実の境界や匿名性をテーマに制作しており、絵画と陶土で形づくられた立体作品を通じて、画像と物質性の相互関係を探っている。世界中に氾濫する情報に対して、自身の体験や記憶を織り込みながら再構築する行為は、作家にとってのリアリティを追求するものであり、絵画と現実世界を対比する試みは見るものに新たな景色を提示するとしている。

橋本晶子さんは、鉛筆で描いたモノトーンの絵画を現実の世界に同期させ、空間に潜むもうひとつの風景を生み出している。植物やグラス、鳥などをモティーフに緻密に描写された絵画は、ギャラリーの白い壁に呼応しながら光や時間、距離、気配を感じさせるという。

藤田クレアさんは、世の中に存在するさまざまな差異や境界線、変化するコミュニケーションのあり方に着目している。人間の関係性を見つめなおし、素材を組み合わせ、動き、音などを用いることで、あいだに存在するエネルギー、リズム、距離、時間/歴史などを表現している。

「シセイド・ザ・テーブル(SHISEIDO THE TABLES)」で期間中、提供している「シセイドウアートエッグ スペシャルデザート」。

恒例の作家本人が会場で自作について解説するギャラリートークについては、各個展開始後にオンライン配信している。

また、期間中、「シセイド・ザ・テーブル(SHISEIDO THE TABLES)」(中央区銀座7-8-10、SHISEIDO THE STORE、03-3571-1420)では、「シセイドウアートエッグ」とコラボした「シセイドウアートエッグ スペシャルデザート」(ドリンク付、税別1400円)を提供している。

このスペシャルデザートは熊本県の社会福祉法人愛火の会の「野々島学園」(熊本県合志市野々島字丸内2774-4、096-242-6811)が運営する「スロー・ジェラート-メイド・イン・ノノシマ(SLOW GELATO-MADE IN NONOSHIMA)」が考案している。

開場時間は11時から19時(日曜日、祝日18時)、毎週月曜日が休み(祝日でも休み)。入場は無料だが、事前に予約する。