丸ビルで芸大アーツ、三菱賞ライブや作品展、アートの力を発信

【銀座新聞ニュース=2020年10月23日】不動産業界国内3位の三菱地所(千代田区大手町1-1-1、大手町パークビル、03-3287-5100)と東京芸術大学(台東区上野公園12-8、050-5525-2000)は10月24日から31日までの7日間、丸ビル(千代田区丸の内2-4-1、03-5218-5100)で「芸大アーツイン丸の内2020」を開く。

10月24日から31日まで丸ビルで開かれる「芸大アーツイン丸の内2020」のメインビジュアル。

「芸大アーツイン丸の内」は2006年から開いており、次代を担う新鋭作家を支援し、ビジネス街の丸の内を「キャンバス」にみたて、音楽や美術といった芸術を情報発信するためのイベントで、2020年で14回目を迎え、全体のプロデュースを芸大特任教授の伊東順二(いとう・じゅんじ)さん、音楽監督は芸大特任教授の千住明(せんじゅ・あきら)さんが担当している。

今回は「アートワクチン(C)」をテーマとした。プロデュースを手掛けた伊東順二さんは「歴史を振り返っても、このようなパンデミック(世界的流行)の時代に私たちを未来へと再び奮い立たせたのは決して萎えることのない心の力であり、芸術はいつもその瞬間に寄り添うワクチンであり続けた」とし、新型コロナが感染拡大する中でも「音楽を奏でる一つ一つの音、イメージを作る線や色彩、人々に問いかける言葉の塊、それらは危機に跪(ひざまず)こうとする私たちにもう一度立ち上がる力を与えてきた。今年の芸大アーツイン丸の内は、心のワクチンとしてのアートの力を力強く発信」するとしている。

例年、募集している学生企画の一環として、既成概念に捕らわれない企画を全学から募集し、応募した企画の中からオーディション形式で選考し、実施作品(審査員賞) を決めた。審査員は舘鼻則孝(たてはな・のりたか)さん、伊東順二さん、秋元康(あきもと・やすし)さん、千住明さんの4人で、ほかに事務局推薦がある。

また、例年通り、丸ビル1階マルキューブや3階回廊で、「三菱地所賞」の美術部門受賞者の立体作品を展示し、7階丸ビルホールで音楽部門受賞者によるリサイタルを開く。「三菱地所賞」は2008年より設けられており、音楽部門6人、美術部門6人の計12人に賞を授与する。

「心のワクチンとしてのアートの力を力強く発信」するため、総合プロデュースを手掛けた伊東順二さん。

今回の三菱地所賞は音楽部門がトランペット奏者の三村梨紗(みむら・りさ)さん、ピアノ奏者の千葉遥一郎(ちば・よういちろう)さん、作曲家の冷水乃栄流(ひやみず・のえる)さん、バイオリン奏者の野口(のぐち)わかなさん、声楽家の秋本悠希(あきもと・ゆき)さん、声楽家の松原(まつばら)みなみさん。

丸ビルホールの記念リサイタルは毎日18時30分から20時で、17時30分から整理券を配布する。27日が三村梨紗さん(ピアノ伴奏が下田望=しもだ・のぞみ=さん)、28日は千葉遥一郎さん、29日は冷水乃栄流さんの曲を演奏する。演奏者は箏(そう、こと)が森梓紗(もり・あずさ)さん、長谷由香(ながたに・ゆか)さん、小林甲矢人(こばやし・はやと)さん、笙(しょう)が東田はる奈(ひがしだ・はるな)さん。

30日が野口わかなさん(ピアノ伴奏が山崎早登美=やまざき・はとみ=さん)、31日が秋本悠希さんと松原みなみさん(ピアノ伴奏が千葉=ちば=かほるさん、円谷俊貴=つむらや・としき=さん)。

美術部門が彫刻科の植松美月(うえまつ・みづき)さん、彫刻科の小野海(おの・かい)さん、デザイン科の加藤皓之進(かとう・ひろのしん)さん、彫刻科の木村知史(きむら・さとし)さん、工芸科の佐野圭亮(さの・けいすけ)さん、彫刻科の三好桃加(みよし・ももか)さん。

3階回廊では植松美月さん、佐野圭亮さん、1階マルキューブでは小野海さん、加藤皓之進さん、木村知史さん、三好桃加さんが展示する。

「アートワクチン」オーディションは、舘鼻則孝賞が芸大美術学部先端芸術表現科4年の川畑那奈(かわばた・なな)さんらの「生音楽絵本」で、絵本の朗読とピアノ、フルート、バイオリン、声楽の生演奏、アニメ映像で構成されている。25日16時30分から17時40分に公開する。

伊東順二賞が芸大美術研究科デザイン専攻修士2年の若田勇輔(わかた・ゆうすけ)さんと芸大美術研究科油画技法・材料第1研究室修士1年の田村正樹(たむら・まさき)さんの「NKPM」の作品で、VR(仮想空間)上のドローイングを現実空間で立体化し、3階回廊に展示し、25日18時から18時30分に作品を説明する。

事務局推薦賞が芸大美術学部建築科2年の杉原有香(すぎはら・ゆか)さんらの「ボーダーレスアーティスト(BORDERLESSARTISTS)」で、ライブペインティングと生演奏、舞踊を組み合わせた2部構成になっている。26日18時から18時30分に披露する。

秋元康賞が芸大音楽研究科邦楽専攻長唄修士2年の三井千絵(みつい・ちえ)さんの「あつまれ!長唄の動物たち」で、映像と長唄を組み合わせた構成で動物の鳴き声や広がる風景を長唄を通して感じられる演奏会で、28日18時から19時に上演する。

千住明賞が芸大音楽学部器楽科バストロンボーン専攻3年の大関一成(おおぜき・かずなり)さんらの「移動遊園地-トラベリング・カーニバル(the TravelingCarnival)」で、サン・サーンス(Charles Camille Saint-Saens、1835-1921)作曲の「動物の謝肉祭」を金管アンサンブルとコンテンポラリーダンスで上演する。29日18時から19時に披露する。

24日と25日に丸ビル1階マルキューブでガライベントを開く。24日は11時45分から伊東順二さんと邦楽ガラプロデューサーの花柳輔太朗(はなやなぎ・すけたろう)さんによる邦楽ガラオープニングトークイベントを開く。12時から13時が学生企画の「日本舞踊-十人十色」、14時から15時が学生企画の「創作日本舞踊-箏の演奏にのせて」と「長唄の世界イン(in)丸の内」、16時から17時が学生企画の「和の音が描く日本の景色」、18時30分から19時20分が学生企画の「づーま2020イン(in)丸の内『恋積雪廓話』」を演奏する。

「日本舞踊-十人十色」は義太夫「寿式三番叟」、奏風楽「花影風韻-つばくらめ」、大和楽「河」、清元「六玉川」を演じる。「創作日本舞踊-箏の演奏にのせて」は箏曲生田流の演奏者と日本舞踊者が「さくら変奏曲」を演奏する。「長唄の世界イン丸の内」は長唄に使われる楽器の紹介と「勧進帳」を演奏する。

「和の音が描く日本の景色」は山田流「岡康砧」演奏、4人の尺八による「紅葉」演奏、生田流の演奏者が「琉球民謡による組曲」を披露する。

「づーま2020イン丸の内『恋積雪廓話』」は11人が日本舞踊を踊り、15人が箏や三味線、尺八、琵琶などを演奏し、唄や囃子も入る。

25日は12時から12時30分まで大手町アートラボ(ARTLAB)・グッドデザイン賞受賞記念イベント、13時から14時30分が「第5回母学会議イン(in)丸の内」、16時30分から17時40分が「アートワクチン」の舘鼻則孝賞の川畑那奈さんが「生音楽絵本」を披露する、18時から18時30分が「アートワクチン」の伊東順二賞の若田勇輔さんと田村正樹さんが「NKPM」について説明する。

26日は13時からマルキューブでオープニングセレモニーを開く。13時から開会宣言、オープニングトーク、「センジュラブアンサンブル(SENJU LAB Ensemble)」コンサート、三菱地所賞授与式を行う。14時30分から15時30分に三菱地所賞受賞インタビュー、18時から18時30分に「アートワクチン」の事務局推薦賞の杉原有香さんらが「ボーダーレスアーティスト」を披露する。

27日はマルキューブで12時から12時30分に芸大クラシック(GEIDAICLASSIC)として江口クラス(石坂奏=いしざか・そう=さんら3人)、18時から18時30分が芸大ジャズナイト(GEIDAI JAZZ NIGHT)として楠瀬亮(くすのせ・りょう)さんら4人が出演する。

28日はマルキューブで12時から12時30分に芸大クラシック(GEIDAICLASSIC)として有森クラス(伊達広輝=だて・こうき=さんら2人)、18時から19時が「アートワクチン」の秋元康賞の三井千絵さんが「あつまれ!長唄の動物たち」を公開する。

29日18時から19時が「アートワクチン」の千住明賞の大関一成さんらが「移動遊園地-トラベリング・カーニバル(the TravelingCarnival)」を演奏する。

30日12時から12時40分にマルキューブで「センジュ・ラボ・プレゼンツ(SENJU LAB presents)アルパカベースウイズ(with)内田早紀(うちだ・さき)-コントラバスとハープのデュオが織り成す癒しの音色とアートとの調和」を開く。

19時30分から20時30分にマルキューブで丸の内ワーカーによる「金曜日のピアニスト」を開く。丸の内で働く人が1人5分ほど演奏し、芸大音楽学部ピアノ専攻教授の渡辺健二(わたなべ・けんじ)さんが講師として講評する。

31日マルキューブで12時から12時30分に芸大クラシック(GEIDAICLASSIC)として青柳クラス(八部陽菜=やべ・はるな=さんら2人)が演奏する。

14時から17時まで芸大オークションを開き、絵画、彫刻作品、音楽作品を競売にかける。期間中、絵画、彫刻作品は3階回廊に展示する

開場時間は11時から21時(日曜日は20時)、入場は無料。

注:「東京芸術大学」の「芸」、「円谷俊貴」の「円」、「渡辺健二」の「辺」はいずれも正しくは旧漢字です。名詞は原則として常用漢字を使用しています。