丸善日本橋で寺田豊、落合邦子ら「着物と帯」展、黒文字と楠木の抗菌力

【銀座新聞ニュース=2020年11月8日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・日本橋店(中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は11月11日から17日まで3階ギャラリーで「京絞り寺田 きものと帯展 京絞りの源流を探る 第10回黒文字と楠木の抗菌力」を開く。

丸善・日本橋店で11月11日から17日まで開かれる「京絞り寺田 きものと帯展 京絞りの源流を探る 第10回黒文字と楠木の抗菌力」のフライヤー。

4代目京絞り作家の寺田豊(てらだ・ゆたか)さんを中心に開く「着物と帯展」で、「京絞りの源流を探る」をテーマに、今回は「抗菌性」の黒文字が楊枝や器、楠木が仏像や防腐剤などでなじみの樟脳として今も使われており、これらの作品を展示する。

今回、出品するのは「京絞り寺田」(京都府京都市北区紫野大徳寺町5、075-406-5571)の主宰者で作家の寺田豊さん、京都西陣織の「帯屋捨松」、フラワー&アロマフレグランスデザイナーで、「アトリエオルタンシア」(都港区高輪4-24-36、03-3446-5371)を主宰する落合邦子(おちあい・くにこ)さん、クチュールエヌデザイナーの新井典子(あらい・のりこ)さん。

寺田豊さんは1958年京都府京都市生まれ、1994年にフランス・パリ市主催フランスオートクチュール組合後援により「バガテル城美術館」の「燦功工房展」に招待出品、東京で個展を開催、1996年にフランス・パリ国立ギメ美術館が「雪に萩」を買い上げ、2002年に「布結人の会」を設立した。

イタリア・ミラノの美術学校と交流、2007年に歌舞伎役者の中村芝雀(なかむら・しばじゃく)さんの「人魚の恋椿」の衣装を制作し、2008年に京都絞工芸展で知事賞と近畿経済産業局長賞、源氏物語千年紀「夢浮橋」の几帳を作成している。

「帯屋捨松」は江戸時代の1854(安政元)年に創業し、「木村捨織物所(きむらすておりものしょ)」として帯を生産してきたが、昭和30年代に5代目木村四郎(きむら・しろう)が図案家、織匠、染色家の故徳田義三(とくがわ・よしぞう)に弟子入りし、指導を受け、その後を引き継いだ6代目木村弥次郎(きむら・やじろう)さんも故徳田義三に弟子入りし、1978年に独立し、曾祖父の木村捨松(きむら・すてまつ)の名前をとって屋号を「帯屋捨松」と改称した。

その後、7代目の木村博之(きむら・ひろゆき)さんが社長に就任し、10数人のスタッフで運営し、週2回の勉強会によりすべての従業員が織りの技術を学んでいる。また、帯屋捨松では分業体制をとらず、企画、意匠、デザインから生産まですべてを自社内で一貫生産しており、2012年より東京芸術大学大学院絵画専攻油画の学生が帯屋捨松で「帯」について実地で学んでいる。

落合邦子さんは慶応義塾大学文学部仏文学科を卒業、日産自動車に入社、西アフリカフランス語圏への輸出営業を担当、その後、フラワーアレンジメントの世界に入り、1987年にフラワーショップ「アトリエオルタンシア」を設立し、フラワーアレンジメントスクールなどを運営している。

2010年にパリのパリ日本文化会館のブティックにて、「涼」をテーマに個展、2017年にパリの「サロン・デ・ボザール(Salon des Beaux Arts)展」で審査員特別賞を受賞している。

新井典子さんは子ども服、婦人服、ブライダルシューズのデザイナーを経て、タイアップハンドル「サムコ(Someco)」を開発、現在、「サムシング・エコ(something eco)」をテーマにさまざまな布で作品を発表している。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日は17時)、入場は無料。