大丸松坂屋画廊で西村文子「リトグラフ」展、NYや日本の風景

【銀座新聞ニュース=2020年12月2日】国内百貨店業界2位の流通グループ、J.フロントリテイリング(中央区八重洲2-1-1)傘下の大丸松坂屋百貨店(江東区木場2-18-11)が運営するアートギャラリー「Artglorieux GALLERY OF TOKYO」(中央区銀座6-10-1、GINZA SIX、03-3572-8886)は12月3日から9日まで「Living in an Amazing World-西村文子展」を開く。

大丸松坂屋百貨店の「アールグロリュー ギャラリーオブトーキョー(Artglorieux GALLERY OF TOKYO)」で12月9日まで開かれている西村文子さんの個展に出品される「レキシントン通りから(From the Lexington Avenue)」。

リトグラフ(石版画)画家の西村文子(にしむら・ふみこ)さんは40年前に初めて訪れたニューヨークに魅せられ、リトグラフ制作をはじめ、以来ニューヨークの魅力を作品として発表し、昨今では日本の風景にも目を向けるようになった。80歳を超えても創作意欲が尽きることのない西村文子さんの作品を展示する。

武蔵野美術大学によると、リトグラフとは、石版石(石灰岩)や金属板(アルミ板、ジンク板)の平らな版面(平版)を、油性インクを引き付ける部分と水分を保つ部分(インクを弾く部分)に化学的処理で分離し、水と油の反発作用を利用して専用のプレス機により刷る版画で、版面に直接描いた絵を、ほぼそのまま紙に刷り取れるのが特徴としている。

美学校によると、リトグラフは描画したものがそのまま版になり、印刷されるというのが一番の特徴で、クレヨンや鉛筆タッチの自由な線や風合いを筆を使って、水彩タッチや滲みなども出すことができる。自分の描くイメージが直接、版に記録され、紙に写し出される面白さがあるとしている。

西村文子さんは1939年東京都生まれ、1953年に神田共立女子学園高等学校を卒業、1987年にアルテ・トネヤマ絵画研究所で利根山光人(とねやま・こうじん、1921-1994)に師事し、1993年から2003年まで春陽展に入選し(1999年に春陽展会友)、1996年に「第11回国民文化祭富山福光町実行委員会」で会長賞、1997年に「第12回国民文化祭香川」で佳作、1998年に「さっぽろ国際版画ビエンナーレ展」で入選、1998年に香川県の「さかいでアート(Art)グランプリ1998」で入選している。

1998年に「98ふくみつ棟方記念版画大賞展」で奨励賞(2001年にも奨励賞)、2000年にポーランド・クラコウの「国際版画トリエンナーレ」で入選(2003年、2006年年にも入選)、2001年に「池田満寿夫(いけだ・ますお)記念芸術賞展」で入選、「あおもり版画トリエンナーレ2001」で入選、2006年から2016年まで「CWAJ現代版画展」に出品、2007年から2017年まで「日本版画協会版画展に出品」し、2009年の第77回版画展で準会員に推挙される。

開場時間は10時30分から20時30分(最終日は18時)まで。