【銀座新聞ニュース=2020年12月19日】健康食品、美容商品、化粧品などの販売会社、サニーヘルス(中央区八重洲2-1-6、八重洲kビル、03-6701-3000)はこのほど、レポート「BBQやステーキが好きな人は要注意!? AGEsが老化を促進」を発表した。
肉を食べるなら、どんな調理法が好みだろうか。バーベキュー(BBQ)、焼肉、ステーキ、とんかつなどを好んで食べる機会が多い人は、そうでない人に比べて体の老化が促進しているかもしれない。同じ食材でも、調理法によって体の状態が変わるというのは、どういうことなのだろうか?
●高温調理がAGEsを発生させる
南オーストラリア大学の新しい研究により、赤身の肉(牛、豚、鹿、羊など)をグリル、ロースト、フライなどの高温で調理すると、細胞の正常なはたらきを妨げ、心臓病、脳卒中、糖尿病を引き起こす可能性のある化合物を生成することが発見された。
これらの調理法はすべて高温であり、AGEs(終末糖化産物、Advanced Glycation End-products、エージーイーまたはエージス)と呼ばれる化合物が生成される。AGEsは体内に溜まると、正常な細胞機能を妨げる可能性もある。
体内でのAGEsのレベルが高くなると、血管や心筋の硬化、炎症、酸化ストレスなど、すべて変性疾患の兆候が現れる。
この研究では、2つの食事パターンで体への影響をテストした。
1つ目のパターンは、赤身の肉をグリルまたは揚げる調理法、それに精白された穀物を摂取、2つ目のパターンは、白身の肉(鶏肉)を蒸し、茹でる、煮込みなどの調理法にし、全粒穀物、ナッツを食べるという方法で実験した。
その結果、1パターン目の赤身の肉を多く含む食事は、血中のAGEsレベルを有意に増加させることがわかり、心血管疾患や糖尿病の進行に影響があることを示唆している。
研究者らは、食事のAGEsが慢性疾患とどのように関連しているかについてはまだ疑問があるものの、病気のリスクを減らしたい場合は、赤身の肉を食べる量を減らすか、グリルや揚げ物ではない調理方法にするほうが健康的だと述べている。
●「AGEs」とは?
AGEsとは、タンパク質と糖が結びつくことで起こる「糖化」という変性によって生成され、体に蓄積される。活性酸素による体の酸化が、通称「体のさびつき」と呼ばれるように、体の糖化は「体の焦げつき」といわれ、老化や数多くの病気の原因となっていると考えられている。
AGEsによる体への影響は病気のリスクを高めるほか、肌のくすみやハリが失われたり、シワが増えたりなど、見た目の老化だけに留まらず、タンパク質の存在する場所、例えば内臓、血管、脳、骨、髪、目など全身にまでその影響を及ぼす。
AGEsは食材自体にもともと含まれており、肉、バター、植物油、チーズ、魚などに多く、穀類、卵、野菜、果物、豆類などは少ない傾向にあるが、多かれ少なかれ食品を口にすることでAGEsを体に取り込むことになる。
しかしながら、それよりもAGEsが体に溜まる大きな要因となっているのは、上述の研究でもわかるように調理法だ。
●「糖化」による老化は調理法に左右される
食品を加熱調理することで糖化、つまりAGEsの量が増加し、加熱する温度が高いほどより多くのAGEsが発生する。体内に入って消化の段階でAGEsはある程度分解されるものの、7%前後は排出されず体内に蓄積されると考えられている。
加熱温度は高い順に以下の通り。
1.オーブン焼き(180度から250度)
2.揚げ物・炒め物(180度から200度)
3.フライパンで焼く(180度)
4.茹でる・蒸す(100度以下)
5.生食(非加熱)。
例えば豚肉であれば、とんかつよりもしゃぶしゃぶのほうがAGEsが少なくなるということになる。このため、揚げ物や炒め物の頻度が高い人ほど、AGEsをたくさん取り込んでいることになる。
また、電子レンジを頻繁に使う人は要注意だ。マイクロ波による加熱は、見た目に焦げ目がなくても焦げているのと同様の状態を作ってしまうといわれている。1度調理されたものを温め直すということは、AGEsをさらに増加させてしまうことにもなる。
AGEsは高温調理された食品を食べることにより体に蓄積されるが、食品から摂取した糖が体内で余ってしまい高血糖状態が続くと、体の組織を作っているタンパク質と結びつき体温によっても糖化が起こり、AGEsが発生してしまう。それを予防するためには、以下が有効だとされている。
〇早食い、長すぎる食事時間、お菓子をダラダラと食べ続けるなどの行動は、血糖値が急上昇したり高い状態が長くなったりする要因となり、糖化につながる。食事はよく噛み、長時間に渡って糖質を摂取し続けるのはやめる。
〇食事はサラダや汁物、副菜をなどから箸をつけ、ご飯ものは最後にする「食べる順番ダイエット」は、血糖値の上昇を緩やかにするためAGEsが発生しづらく、老け防止に有効だ。ごま和えや豆腐など、副菜に使われる食材は抗酸化力の高いものも多いので、最低でも1品はつけるようにしたい。
〇野菜、きのこ類、海藻類、豆類を積極的に取り入れる。よく噛んでゆっくり食べると尚よい。
〇揚げ物やオーブン焼きより、蒸す、煮るなどの調理法のほうがよりいい。オーブンを使うならなるべく低温で使うのがいい。揚げ物の温め直しはAGEsの観点からは最悪の部類といえる。
〇忙しい現代人はなかなか難しいかもしれないが、なるべく出来立てのものを食べるようにし、電子レンジによる温め直しをなるべく控え、回数を減らすことを心がけたい。出来立てを食べることで食品の酸化を防ぐこともできる。
〇ジュースやコーヒー飲料など、甘い飲み物は控えめにする。
〇血糖値が高い時にに運動をすると、糖がエネルギーとして利用されるため糖化のリスクが低下する。食後15分から30分後頃からウォーキングなどの軽い運動を20分ほどできれば最適だ。
〇酢やレモン汁はAGEsの抑制に有効だ。オーブン調理する肉や魚は酢を使ってあらかじめマリネをしておく、酢の物を食べる、揚げ物にはレモン汁をかけるなど。
〇タバコには有害物質が多量に含まれている。AGEsを増やし老けるだけでなく、あらゆるガンリスクを高めてしまう。
生活習慣では、運動嫌い、喫煙(主流煙、副流煙ともに)、飲酒、睡眠不足などがAGEs増加の要因になる。健康的な生活を送り、バランスのよい食事を取ることが、老けにくく、病気になりにくい体づくりになる。