中央の百貨店12月、全5店とも2カ月連続で減少、コロナ感染再拡大で

【銀座新聞ニュース=2021年1月5日】中央区とその周辺の主要百貨店の2020年12月売上高(速報値、店頭ベース)は、日本橋三越、日本橋高島屋、大丸東京店、銀座三越、松屋銀座店の5店ともマイナスだった。5店舗とも減少するのは11月に続いて2カ月連続となる。

12月の売上高で減少幅が5.1%減と縮小している日本橋高島屋。

12月は、各店とも新型コロナウイルス感染拡大の影響により入店客数が伸び悩んだことで前年売上高を下回ったが、「11月売上よりプラスに推移した」(三越伊勢丹ホールディングス)ところも出ている。また、日本橋三越と日本橋高島屋の日本橋2店は10%以下のマイナスと減少幅が縮小している。

さらに、各社とも「巣ごもり需要の高まり」(J.フロントリテーリング)から広域配送可能な冷凍のクリスマスケーキやおせち、歳暮ギフトの受注が伸長しており、三越伊勢丹ホールディングスではオンライン売上高が前年比約1.5倍としている。

三越伊勢丹ホールディングスの日本橋三越(中央区日本橋室町1-4-1、03-3241-3311)は前年同月比8.4%減(11月速報値10.0%減、確定値9.0%減、小型店舗と恵比寿三越、ソリューション統括部を含む、確定値ベースでの店舗別売上額は2019年5月から未公表)と店頭ベースでは2カ月続けて前年を下回った。

一方、銀座三越(中央区銀座4-6-16、03-3562-1111)は同29.6%減(同速報値31.7%減、確定値31.7%減、但し空港型免税店の売り上げを除く)と11カ月続けてマイナスとなった。

三越伊勢丹ホールディングスでは、国内百貨店(既存店計)の売上は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により入店客数が伸び悩んだことで前年売上を下回ったが、11月売上よりプラスに推移した。

同じく8.4%減とマイナス幅が縮小している日本橋三越。

伊勢丹新宿本店と三越日本橋本店では、 日本人顧客による季節を問わず使用できる付加価値のある高額品への関心は引き続き高く、ラグジュアリーブランドのハンドバック、靴、財布や宝飾、時計が好調だった。

また、旅行や外出の機会が減ったことを受け、クリスマスギフトや自分へのごほうびとして例年より”少しいいもの”を購入する傾向が見られた。さらに、オンライン売上高は、特におせちやセール特集の反響が大きく、前年比約1.5倍と伸長した。しかし、訪日外国人観光客売上高(インバウンド、免税売上高)は、引き続き低調に推移している。

日本橋高島屋(中央区日本橋2-4-1、03-3211-4111)は同5.1%減(同速報値7.5%減、確定値7.4%減)と2カ月続けてマイナスとなった。

訪日外国人観光客売上高の大幅な減少が継続していることに加え、新型コロナウイルスの感染再拡大に伴い、外出を控える傾向が高まった影響などにより、前年を下回ったとしている。

訪日外国人観光客売上高は前年比87.6%減、訪日外国人観光客売上高を除いた店頭売上高は同8.9%減(既存店計7.1%減)となった。2018年12月比では、店頭売上高は17.4%減(既存店計15.8%減)、訪日外国人観光客売上高を除いた店頭売上高は12.9%減(同11.2%減)だった。

商品別売上高(15店舗ベース)では、特選衣料雑貨、美術などが前年実績を上回ったが、一方で、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、宝飾品、リビング、食料品などは前年を下回った。また、おせちとクリスマスケーキは期間累計で前年を大きく上回ったとしている。

J.フロントリテーリングの大丸東京店(千代田区丸の内1-9-1、03-3212-8011)は同32.7%減(同速報値40.7%減、確定40.3%減)と昨年10月の消費税増税以降、15カ月続けて前年を下回った。

全体の商品別では、ラグジュアリーブランドや美術が前年実績を上回ったほか、宝飾や住文化用品が相対的に堅調だった。また、巣ごもり需要の高まりから広域配送可能な冷凍のクリスマスケーキやおせちの受注が伸長し、歳暮ギフトにおいては、海産物や鍋惣菜などの越年食材や、自宅用グルメカタログの受注が好調だったとしている。

大丸松坂屋百貨店合計の訪日外国人観光客売上高(速報値)は前年比94.5%減(客数同99.3%減、客単価同643.8%増)だった。また、訪日外国人観光客売上高を除いた大丸松坂屋百貨店合計の国内売上高は11.4%減だった。

J.フロントリテーリングでは2017年4月から「不動産事業」を独立させて、確定ベースで伸び率を公表しており(速報値ベースは未公表)、11月の「ギンザ シックス(GINZA SIX)」や「上野フロンティアタワー」などの家賃収入は同1.4%減だった。不動産事業がマイナスとなるのは、9カ月連続となる。

松屋銀座店(中央区銀座3-6-1、03-3567-1211)は同27.8%減(同速報値28.6%減、確定28.6%減、4月は5月の確定値段階で91.4%減と公表)と11カ月続けてマイナスとなった。

銀座店は、年始初商の密を回避するため、年末より福袋、クリアランスセールを展開、また、「イエナカ消費」と「巣ごもり需要」が一層加速し、リビング関連やクリスマス商戦における食品部門が活況を呈した。

ラグジュアリーブランドも大幅な伸び(訪日外国人観光客売上高を除いた国内客の売上高は、前年に対して2割増)を示したが、国産アパレルを軸とした衣料品の不調、新型コロナウイルス感染症の再拡大と「Go To トラベルキャンペーン」の一時停止も要因となり、入店客数が減少し(前年に対して約3割減)、訪日外国人観光客売上高の消失も加わり、12月の売上高は減少した。

日本百貨店協会(中央区日本橋2-1-10、03-3272-1666)によると、国内73社196店舗(総従業員6万0089人)の11月売上高(店舗調整後)は前年同月比14.3%減の4178億7420万円で、14カ月続けてのマイナスとなった。

11月は、消費増税の反動要因があった10月(1.7%減)から水準を下げた。月の前半まで回復基調にあったが、中旬から新型コロナ感染症が再度拡大し、高齢層を中心に外出自粛気運が高まったことで、大きな影響を受けた。一方で、時計、宝飾品やラグジュアリーブランドなど高額商材は引き続き好調に推移したという。

顧客別では、国内市場は10.0%減(2カ月ぶり、シェア99.3%)、訪日外国人観光客売上高は入国規制の影響から89.3%減(27.9億円、10カ月連続、シェア0.7%)と低水準のまま推移している。

地区別では、大都市(10都市、15.9%減)、地方(10都市以外の地区、10.2%減)共に不調で、大都市と地方の伸び率格差は5.7ポイントまで縮小した。特に、月初から感染症再拡大の影響を受けた札幌(33.3%減)がマイナスが大きかった。

商品別では、美術、宝飾、貴金属が前年10月の消費増税による影響(12.3%減)の反動もあって、ふた桁増(12.0%増、2カ月連続)と高い伸びを示した。食料品もイエナカ需要、絆消費の盛上りで、クリスマスケーキやおせち、歳暮が好調に推移している。

各社注力しているEC売り上げも引き続き伸長し、シェアを徐々に高めているという。また、衣料品は高気温による冬物需要の減退に加え、国内アパレルのブランド改廃や販路集約の影響もあって苦戦が続いている。コロナ禍での年末・年始商戦を控え、各店では福袋の事前予約やネット対応、クリアランスセールの会期拡大など、混雑緩和(三密回避)を軸とした感染予防に配慮して、需要動向や買物行動の変化に適合した新施策を展開している。

全国の百貨店の11月の営業日数は前年と同じ29.9日、106店舗の回答によると、入店客は2店が増え、97店が減ったとし、81店舗の回答によると11月の歳時記(歳暮、七五三)の売り上げについては4店が増え、59店が減ったとしている。

東京地区(12社25店)の11月の売上高(店舗調整後)は同17.8%減の1169億0362万円と14カ月続けてのマイナスとなった。

国内89店舗の訪日外国人観光客需要の11月の売上高は同89.3%減の約27億9000万円と10カ月続けてマイナスとなり、国内の百貨店に占めるシェアが0.7%としている。

このうち、一般物品売上高は同89.2%減の約15億9000万円で、10カ月続けて前年を下回った。化粧品や食料品などの消耗品売上高が同89.5%減の約12億円、購買客数が同98.2%減の約7000人と10カ月続けてマイナスとなり、1人あたりの購買単価が同495.4%増の38万円で、12カ月続けて前年を上回った。

人気のあった商品は1位が化粧品(2018年1月から2020年10月まで1位)、2位にハイエンドブランド(2018年1月から2019年4月まで2位、5月3位、6月から2020年10月まで2位)で18カ月連続で2位、3位が婦人服飾雑貨(2018年1月3位、2月4位、3月3位、4月5位、5月3位、6月から2019年7月まで4位、8月3位、9月から2020年5月まで4位、6月から10月3位)で、6カ月続けて3位だった。

4位が食料品(3月、4月は6位以下、5月4位、6月6位以下、7月と8月4位、9月3位、10月4位)で、2カ月連続だった。5位が家庭用品だった。

免税手続きカウンターの来店国別順位は1位が中国本土(2018年1月から2020年10月まで1位)、2位は台湾(2018年1月と2月3位、3月4位、4月3位、5月から2019年1月4位、2月3位、3月から6月4位、7月3位、8月4位、9月から11月2位、12月と2020年1月3位、2月2位、3月4位、4月3位、5月から10月2位)で、7カ月連続だった。

3位は香港(2018年1月と2月3位、3月4位、4月3位、5月から1月4位、2月3位、3月から6月4位、7月3位、8月4位、9月から11月2位、12月と1月2位、2月3位、3月2位、4月、5月4位、6月5位、7月3位、8月から10月5位)が7月以来、4カ月ぶりに3位に上がった。

4位は韓国(2018年1月4位、2月から6月2位、7月3位、8月から10月2位、11月から2019年1月まで3位、2月から6月2位、7月4位、8月2位、9月から2月まで4位、3月3位、4月2位、5月3位、6月3位、7月と8月4位、9月6位、10月3位)で、ワンランク下げて、8月以来3カ月ぶりの4位だった。

5位はタイ(2018年1月から10月5位、11月と12月6位、2019年1月から8月5位、9月6位、10月から2月まで5位、3月7位、4月から7月6位、8月7位、9月4位、10月6位)で、前月の6位からワンランク上がった。

6位はマレーシア(2018年1月から2020年2月まで7位、3月に6位、4月、5月5位、6月と7月4位、8月と9月3位、10月7位)でひとつ上げた。7位はシンガポール(2018年1月から10月6位、11月と12月5位、2019年1月から8月6位、9月5位、10月から2月まで6位、3月5位、4月から7月7位、8月6位、9月7位、10月4位)で、2カ月ぶりに順位を下げた。

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