資生堂ギャラリーでヒーマン&ヒロイ、潮田登久子、片山真理ら女性5人展

【銀座新聞ニュース=2021年1月15日】国内化粧品業界首位の資生堂(中央区銀座7-5-5、03-3572-5111)は1月16日から4月18日まで資生堂ギャラリー(中央区銀座8-8-3、東京銀座資生堂ビル、03-3572-3901)で「アネケ・ヒーマン&クミ・ヒロイ、潮田登久子、片山真理、春木麻衣子、細倉真弓、そして、あなたの視点」を開く。

資生堂ギャラリーで1月16日から4月18日まで開かれる「アネケ・ヒーマン&クミ・ヒロイ、潮田登久子、片山真理、春木麻衣子、細倉真弓、そして、あなたの視点」に出品される潮田登久子さんの作品(「本の景色/BIBLIOTHECA」(2008年、(C)Tokuko Ushioda,Courtesy of PGI)。

今回は、移り変わる時代に存在する「境界」をテーマに、5組の女性作家による作品を展示する。また、会期中の3月8日には「国際女性デー(International Women’s Day)」を迎えることから、多角的にダイバーシティを捉える機会を提供するとしている。

写真表現を軸に活動する女性作家5組を取り上げる。広告をモチーフに別の視点から再構築する、オランダ在住のアネケ・ヒーマン(Anneke Hymmen)さん&クミ・ヒロイさん、撮影された本の佇まいから背景や関係性を提示する潮田登久子さん、手縫いのオブジェを身につけたセルフポートレイトを起点に幅広い制作活動を展開する片山真理さん、「見る」という行為をインスタレーションで問う春木麻衣子さん、いくつもの「かつて当たり前であったはず」の境界を再提示する細倉真弓さんが展示する。

アネケ・ヒーマンさんは1977年ドイツ・ルーデンシャイト生まれ、2005年にAKIアート&デザイン・アカデミー 写真・モニュメンタルアート学科を卒業、ポートレート写真家として20年以上活動している。

クミ・ヒロイさんは1979年岐阜県生まれ、2002年に埼玉大学経済学部を卒業、2008年にへリット・リートフェルト・アカデミー グラフィックデザイン学科を卒業、グラフィックデザイナー、アーティストとして活動している。

同じく片山真理さんの作品、左は「shadow puppet #014」(2016年)、右が「Renaiss Hall(ルネスホール)#003」(2016年、いずれも(C)Mari Katayama)。

2014年からユニットとして活動、既存の広告を作り変える「Remodeling Project(リモデリング・プロジェクト)」に取り組み、人々が「広告」から受け取る女性像、消費、ファッションへの固定概念に対して、写真と文章を通じて多様な視点を投げかけている。

主な展覧会に2017年から2018年にオランダ・アムステルダムで「Remodeling」、ドイツ・ベルリンで「State of Fashion(ステート・オブ・ファッション)」、2019年に長崎オランダ村などで「真珠の輪郭・Parel Silhouet(パレル・シルヒュエト)」を開く。今回は資生堂の広告をモチーフに「Remodeling Project」の新作を制作、作家の大竹昭子さんによるショートスト―リーも展示する。

潮田登久子さんは1940年東京都生まれ、1963年に桑沢デザイン研究所リビングデザイン研究科写真専攻を卒業、1975年頃よりフリーランスの写真家として活動をはじめ、2018年に20年以上に渡って図書館や個人の蔵書、出版社の編集室などにある本をオブジェとして撮影した「本の景色 BOBLIOTHECA(ボブリオテカ)」で第37回土門拳賞、第34回東川賞国内作家賞を受賞している。

ほかに、家庭で実際に使われている冷蔵庫を記録した「冷蔵庫/ICE BOX(アイスボックス)」などあり、今回は「本の景色/BIBLIOTHECA」より、未発表作品を含む作品を展示する。

片山真理さんは1987年埼玉県生まれ、2010年に群馬県立女子大学文学部美学美術史学科を卒業、2012年に東京芸術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修士課程を修了した。先天性の四肢疾患により9歳の時に両足を切断し、身体を模った手縫いのオブジェや立体作品、装飾を施した義足を使用しセルフポートレイト作品を制作している。

2005年に「群馬青年ビエンナーレ」奨励賞、2020年に「第45回木村伊兵衛写真賞」を受賞している。今回は、2本指という自身の左手をモチーフにしたオブジェと戯れるようにして撮影した「shadow puppet(シャドウ・パペット)」を中心に展示する。

春木麻衣子さんは1974年茨城県生まれ、1997年に玉川大学文学部芸術学科を卒業している。
作品は露光を過剰にオーバーまたはアンダーにして撮影し、白または黒の大胆なコントラストによって画面を構成している。近年は、印画紙上で異なる風景を重ねて現実には存在しない空間を作り出すシリーズを展開している。

2008年に「「六本木クロッシング2007:未来への脈動」で特別賞、2015年に「第31回東川賞」新人賞、今回は鑑賞者が能動的に「見る」行為に向き合う新作インスタレーションを発表する。

細倉真弓さんは1979年京都府生まれ、2002年に立命館大学文学部を卒業、2005年に日本大学芸術学部写真学科を卒業している。身体の表象をベースに人種や国籍、人と植物や機械、有機物と無機物など「かつて当たり前であったはず」の境界を再編する作品を制作している。

2019年に発表した「NEW SKIN(ニュースキン)」では、ゲイ雑誌の切り抜きや美術館で展示される男性の彫像、ネット上のセルフィ―画像などをコラージュし、さらに分割・再構築することで、境界について問うている。今回はその「NEW SKIN」を会場に合わせて再構築して展示する。

オープニングトークを予定しているが、詳細はHPにて発表する。

開場時間は11時から19時(日曜日、祝日は18時)。月曜日は休み。入場は無料。