銀座蔦屋で「自由放任」展、岡田菜美、川平遼佑、野原邦彦ら6人

【銀座新聞ニュース=2021年2月6日】書店やレンタル店、フランチャイズ事業などを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(渋谷区南平台町16-17、渋谷ガーデンタワー)グループの銀座 蔦屋書店(中央区銀座6-10-1、GINZA SIX、03-3575-7755)は2月21日まで6階「GINZA ATRIUM」で岡田菜美さんら6人の作家による「Laissez-faire」を開いている。

銀座 蔦屋書店で2月21日まで開かれている6人の作家による「Laissez-faire(レッセフェール、自由放任)」に出品されている上段左から川平遼佑さんの「午前四時、目覚める」(2019年、アクリル絵具、オイルパステル)、ニワタカユキさんの「スーパー・ジャンボ・ラブ」(2016年、FRP)、田島享央己さんの「イカピエタ」(2020年、樟)、下段左から岡田菜美さんの「がらんどう」(2016年、油絵具、アクリル絵具)、野原邦彦さんの「カプチーノV」(2020年、FRP)、千葉美香さんの「Twilight Tokyo(トワイライト・トウキョウ)」(2014年、油彩、アクリル絵具)。

岡田菜美さん、千葉美香さん、川平遼佑さんの平面作品と、ニワタカユキさん、野原邦彦さん、田島享央己(たかおき)さんの立体作品を展示する。

岡田菜美さんは自身が訪れた場所の風景をモチーフにしているが、「異なる経験を持つ観る者に既視感や時を超えた心象風景を想起させる」ようにしており、「風景や建物に対するイメージは、それぞれの人が持つ経験や思い出、記憶によって異なってくる。つまり、それらの場所には何通りものイメージがある」という。「幾重にも重なる『イメージを帯びた風景』と、『まだ意味を持たない風景』の関連性を作品の軸にして、『One view(ワン・ビュー)』を描」く。

千葉美香さんは「黄昏時の空はロマンチックで、一瞬の儚(あわ)い水しぶきをよりドラマチックに照らし出す。水に浸かっていた肌も生き返ったかのように艶やかに輝きを帯びる。水はとても身近な物質であるが、そこに神秘的な美しさを見出し癒しや感動を味わったとき、私たちは神様との繋がりを再認識する」とし、水をモチーフにして、作品を制作している。

川平遼佑さんは子どもの頃に見た怖い夢やホラー映画、そこから生まれる空想のお化けや風景をモチーフにユーモラスなパンツ・ペインティングシリーズを制作している。

ニワタカユキさんは「造形で人を笑わせたいという気持ちを常に持っています。人間の業をばかばかしく表現したい」と考えて、独自の立体作品を制作している。

野原邦彦さんは「自分が感じとったさまざまなシーンを作品として形に残す。今、現在、記憶からは排除されそうな自由や時間、欲望を表現する」ことにしており、「それは自分が自分であるため、その人がその人であるために重要なことだと感じている」としている。

田島享央己さんは仏師の流れを汲む彫刻家一家の5代目として生まれ、「多種多様な作品を生み出すことは自然なことであり、一見全く意図が違うように見える等身の女性像と可愛らしい二頭身像は、彼にとってはどちらも目には見えない“存在”を形にしている」という。

「女性像の視線は焦点が不確かでありながらも力強く、普賢菩薩のような慈悲深い存在を、二頭身像は私たち日本人にとってなじみ深い八百万(やおろず)の存在に近しいものを感じることができる。目には見えない、言葉にはできない、何らかの存在は、時代が移り変わっても普遍的なものであり、この現代社会において忘れずに感じていたいもの」としている。

岡田菜美さんは1991年群馬県生まれ、2016年に多摩美術大学大学院を修了、2014年から個展を開き、2020年にニューヨークのアートフェアVOLTA(ボルタ)に招待参加している。

千葉美香さんは1991年北海道札幌市生まれ、2009年に第2回道展U21で奨励賞(2011年に朝日新聞北海道支社賞、2012年に準大賞、2013年に松山額縁店賞)、2014年に北海道教育大学旭川校教員養成課程芸術・保健体育教育専攻美術分野を卒業、2019年に第35回上野の森美術館大賞展で絵画大賞を受賞している。

川平遼佑さんは1990年愛知県生まれ、2014年に名古屋芸術大学を卒業、2012年に「TURNER AWARD(ターナーアワード)2012」で未来賞、2014年に名古屋芸術大学卒業制作展で優秀賞、「三芸大学生選抜 H/ASCA展」で優秀賞、2016年に「第22回おひさま大賞」で佳作、2018年に「MONSTER Exhibition 2018」で入賞している。

ニワタカユキさんは1981年愛知県生まれ、2004年に愛知県立芸術大学美術学部彫刻科を卒業、2017年に「ART STAGE SINGAPORE(アート・ステージ・シンガポール)」に出展、「アートフェア東京」に参加している。

野原邦彦さんは1982年北海道生まれ、2007年に広島市立大学大学院芸術学研究科彫刻専攻を修了、2005年に第90回二科展で入選、特選を受賞、2006年に第11回日本文化藝術奨学金を取得、2007年に広島市立大学芸術学部・修了作品展でプリラジュネス賞、2020年にチョコレートでのコラボレーション作品を展示(Ginxa Six)している。

田島享央己さんは1973年千葉県生まれ、2000年に愛知県立芸術大学美術学部彫刻科を卒業、1999年に国際瀧冨士美術賞を受賞、2009年に北の動物大賞展で大賞、2014年に第78回新制作展で新作家賞(2016年に新作家賞)を受賞している。

時間は11時から19時。入場は無料。