エアアジアジャパン国内3線、10月から国際線も、記念で5円

【銀座新聞ニュース=2012年5月30日】全日空とマレーシアのエアアジアが合弁で設立した格安航空会社、エアアジア・ジャパン(千葉県成田市公津の杜4-11-2、0476-27-7375)は5月30日午後、六本木ラフォーレミュージアム(港区六本木1-9-1)で会見して、8月1日から運航をはじめる札幌線など3線の特別運賃を片道5円で発売すると発表した。

エアアジアジャパンは8月1日から成田と札幌線、福岡線、8月3日から沖縄線を就航する。通常の運賃は片道で札幌線が4580円(格安のジェットスターが4590円から)から1万8880円(全日空で3万3500円)、福岡線が5180円(同3590円から)から1万9580円(同3万6700円)、沖縄線が6680円(未公表)から2万3080円(同4万800円)に設定した。

また、5月31日から6月4日までHPから予約限定で、3路線全体で1万席まで5円で販売する。8月28日から11月28日までの間、使用できる。エアアジアジャパンでは「5円は日本語では”ご縁”につながり、成田空港までの交通費が高いという人にとっても利用してほしいので設定した」(社長の岩片和行=いわかた・かずゆき=さん)としている。

機材はエアバス320型機3機で、通常150席を180席に増やして運用し、札幌線が1日3往復、福岡線が1日2往復、沖縄線が1日1往復で運航する。安全面についてはもっとも重視していると岩片和行さんが強調し、「まずはA320型機で格安航空会社のビジネスモデルを確立したい」と語った。

10月からは成田と韓国ソウル(仁川空港)線、釜山線の国際線を就航する予定で、将来は4時間から6時間の距離の台湾・台北や中国路線などに拡大する。また、ベースとなる成田空港については「11時前後と16時前後のピーク以外は空港使用料を安くしてほしいと空港に要望している」(岩片和行さん)ことも明らかにし、「われわれのライバルは航空会社ではなく、運航コストで、少しでも引き下げたい」と述べた。

ただ、電車の始発で空港についても朝の6時ぐらいになり、「来年から朝の6時台の運航を考えているが、今のままでは難しい」と問題点を指摘した。

また、フライト・アテンダントについては大手のように、誰もが同じに見えるのではなく、化粧も少し濃い目にするなど、個性を重視する方針という。

売り上げ計画は3年後に年商300億円、5年後に1000億円を見込んでおり、機材も3機から毎年5機程度購入し、5年後にはおよそ30機まで増やす。国内線と国際線の比率については「こんごの需要次第だが、国際線の方が増える」(岩片和行さん)とみている。ただ、エアアジアグループCEOのトニー・フェルナンデス(Tony Fernandes)さんは「もっと早く成長するのではないか」と期待を投げかけた。

エアアジア・ジャパンは2011年8月31日に全日空が67パーセント、エアアジアが33パーセント出資して資本金1000万円で設立、成田空港で制限されている国際線の発着枠については全日空の枠を利用する。

日本の格安航空会社としてはほかに、2011年2月に設立され、関西国際空港をベースにし、3月1日から順次、大阪と札幌、福岡、長崎、鹿児島の国内線とソウルを運航しているピーチアビエーション(現在、資本金75億円で全日空が38.67パーセント、香港の投資会社ファーストイースタン・インベストメントグループが33.33パーセント、産業革新機構が28パーセント)。

2011年9月5日にが設立したジェットスター・ジャパン(資本金48億円。日本航空が42パーセント、オーストラリアのカンタス航空が42パーセント、三菱商事が16パーセント)があり、7月5日から成田と関空線、札幌線、福岡線、沖縄線を就航し、他社の運賃よりも10パーセント安くする最低価格保証を導入する方針だ。