「ドラゴン」のマーラ「リスベットが魅力的」、菜々緒が踊り

【銀座新聞ニュース=2012年1月31日】ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(港区虎ノ門4-1-28、虎ノ門タワーズオフィス)は1月30日夕に東京国際フォーラム(千代田区丸の内 3-5-1、03-5221-9000)は「ドラゴン・タトゥーの女」のジャパンプレミアを開催した。

2月10日からトーホー(TOHO)シネマズ日劇(千代田区有楽町2-5-1、有楽町マリオン11階、03-3574-1131)などで一般公開される「ドラゴン・タトゥーの女」の前宣伝に、監督のデヴィッド・フィンチャー(David Fincher)さんと、体にドラゴンのタトゥーを入れた「リスベット・サランデル」役を演じるルーニー・マーラ(Patricia Rooney Mara)さんが来日し、舞台あいさつした。

また、モデルの菜々緒(ななお)さんが「リスベット」に扮して、パンクファッションで登場し、ダンス・パフォーマンスを披露した。

原作はスウェーデンの作家スティーグ・ラーソン(Stieg Larsson、1954-2004)の死後、2005年から2007年にかけて刊行された推理小説「ミレニアム(Millennium)」の3部作の第1部「ドラゴン・タトゥーの女」で、こんご、第2部の「火と戯れる女」、第3部の「眠れる女と狂卓の騎士」も映画化される予定になっている。

デヴィッド・フィンチャーさんは映画化の理由を「2人のキャラクターに惚れ込んで、ぜひ映画化しようと思いました」と語ると、ジバンシィの真っ白な衣装のルーニー・マーラさんも「まずは原作を読んだのですが、リスベットというキャラクターに私も惚れ込みました。また、脚本には入念にキャラクターについて書いてありましたし、素晴らしい監督による指導もあったので、楽しんで演じることができました」と述べ、2人とも「リスベット」という調査員の女性に魅力を感じたことがきっかけとなったようだ。

ルーニー・マーラさんは「リスベット」と似ている点を聞かれると、横からデヴィッド・フィンチャーさんが「シャイ」と突っ込みを入れると、会場で笑いが広がり、ルーニー・マーラさんは「どちらかというと人なつっこくなくて、新しい方になじむのには時間がかかる、というところ」とはやり、「シャイ」な点を強調した。

会場では、舞台あいさつ前に小林東雲(こばやし・とううん)さんが水墨画で龍を描くパフォーマンスを披露し、その中で菜々緒さんが黒の衣装で登場し、ダンスを踊り、曲が終わると同時に龍も完成した。さらに、デヴィッド・フィンチャーさんとルーニー・マーラさんの舞台あいさ後に、小林東雲さんが再登場して、「中国には壁面に描かれた目のない龍に目を入れると、壁をぶち破って天に登ったという伝説があります」と。龍に目を入れると、水墨画の龍が動き出し、稲光が光り、赤く燃え、会場からは歓声と拍手が起こった。

ウイキペディアによると、「ミレニアム」はスウェーデンで2005年から3年で280万部を売るベストセラーとなり、世界で800万部が販売された。第1部「ドラゴン・タトゥーの女」と第3部「眠れる女と狂卓の騎士」はスカンジナビア推理作家協会の「ガラスの鍵賞」、第2部「火と戯れる女」はスウェーデン推理作家アカデミー最優秀賞を受賞している。

本来は5部作の予定で、スティーグ・ラーソンの残したパソコンには4部の大半が書かれているが、共同執筆者の女性と結婚してなく、遺言もなかったため、女性が著作権などの権利をもたず、公表されるかどうか未定になっている。

また、「ミレニアム」はスウェーデンでは3部ともテレビドラマ、映画化されているが、今回の映画はアメリカ・ハリウッドによるもので、デヴィッド・フィンチャーさんが監督し、ダニエル・クレイグ(Daniel Wroughton Craig)さんが「ミカエル・ブルムクヴィスト」を、ルーニー・マーラーさんがドラゴンのタトゥーを入れた女性「リスベット・サランデル」役を演じて制作された。

物語は大企業グループの前会長ヘンリック・ヴァンゲルがライターのミカエルに、36年前にヴァンゲル一族が住む島から忽然と姿を消した少女ハリエットの失踪事件の調査を依頼するところからはじまる。ミカエルの調査の手助けとしてヘンリックの弁護士フルーデが紹介した女は、全身に龍のタトゥーが彫られたリスベット。リスベット共に調査を進めるミカエルは、恐ろしい連続殺人とヴァンゲル家の繋がり、ハリエット失踪事件のてん末を知る。

デヴィッド・フィンチャーさんは1962年アメリカ・コロラド州デンバー市生まれ、10代の時にオレゴン州に移り、現地の高校を卒業、1980年にILMのアニメーターとして働き(1984年まで所属)、1986年にビデオ制作会社を設立、ミュージックビデオや多くのCMを手掛けた。

1992年に「エイリアン3」で映画監督デビューしたが、興行的にも内容的にも失敗作とされたが、その後、「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」や「ソーシャル・ネットワーク」でアカデミー監督賞にノミネートされている。

ルーニー・マーラさんは1985年アメリカ・ニューヨーク生まれ、父親がアメリカンフットボール「ニューヨーク・ジャイアンツ」の副社長、ティモシー・クリストファー・マーラ、母親がキャスリーン・マクナルティさん(旧姓ルーニー)で、ルーニー家は北アイルランドのダウン州から移民してきたアイルランド系アメリカ人という。

2010年にニューヨーク大学を卒業、2006年から女優として活動し、2009年に「ER緊急救命室」、2010年に「エルム街の悪夢」、「ソーシャル・ネットワーク」などに出演し、「ドラゴン・タトゥーの女」でアメリカ・アカデミー賞の主演女優賞でノミネートされている。

菜々緒さんは1988年埼玉県さいたま市(旧大宮市)生まれ、2009年にスーパーGT「チーム・ヨシキ・ロックスター・ガール(TEAM YOSHIKI ROCKSTAR Girl)」のレースクイーンを務め、ファッション雑誌「ピンキー(PINKY)」の「プリンセスピンキーオーディション」で準グランプリ、「東京ガールズコレクション2009ミスTGCグランプリ」に選ばれた。

同グランプリのスポンサー、メイベリン ニューヨークの親善大使に起用され、「2010三愛水着イメージガール」にも選ばれた。2010年に「レースクイーン・オブ・ザ・イヤー 09-10」に選ばれ、ファッション雑誌「ノンノ」の専属モデルを務めている。

小林東雲さんは1961年東京都生まれ、幼少の頃から書家の母親より筆法を学び、高校時代に中国水墨画の技法を学び、1987年にフランス・パリの「日本の美術展」会場で障壁画を描き、1988年に「昇龍」で芸術公論賞、「虎声」で日光山輪王寺賞を受賞した。

その後、中国、インドネシア、アメリカなどで障壁画を手がけ、1991年に公募全日展常任理事、審査員、1992年に天安門広場の中国歴史博物館で文化部主催の「中日友好20周年記念・小林東雲書画展」を開いた。1994年にアメリカ・カルフォルニア州観光局長賞を受賞した。現在も多くの会場で水墨画の実演をしている。