丸善日本橋で万年筆展、長原幸夫ら実演、宍倉潔子クリニックも

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【銀座新聞ニュース=2013年2月27日】丸善・日本橋店(中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は3月1日から7日まで1階と地下1階、3階ギャラリーで「第4回世界の万年筆展-手書きの魅力を伝える」を開催する。

丸善・日本橋店で3月1日から7日まで開催される「第4回世界の万年筆展-手書きの魅力を伝える」のポスター。

丸善・日本橋店が全面改装開店して以来、3周年が経つのを記念して2010年から開いているイベントで、世界各国の名前の知られているブランドから国内の手づくり万年筆まで世界の万年筆を展示販売する。

今回、出品されるのは1937年に発売された「オノト万年筆」の「オノトマグナクラシック」(50本限定)や、「セーラー万年筆」の「プロフェッシャルギアスリム」、「パイロット万年筆」の「シルバーン虎」や「エラボー」など。イタリアの万年筆メーカー「アウロラ」の万年筆「ダンテ・インフェルノ」も販売する。

ウイキペディアによると、「万年筆」は1809年にイギリス人がペン軸にインクを貯蔵するペンを発明し、特許を取得したのが最初とされ、1883年にアメリカの保険外交員ルイス・エドソン・ウォーターマン(Lewis Edson Waterman、1837-1901)が、調書にインクの染みを作ってしまい、契約を取り逃がしたことをきっかけとして、毛細管現象を応用したペン芯を発明したことが万年筆の基となった。

万年筆が日本に入ってきたのは1884年で、横浜のバンダイン商会が輸入し、東京日本橋の丸善などで販売された。当時は「針先泉筆」と呼ばれ、「万年筆」と命名したのは、1884年に日本初の国産万年筆を模作した時計商の大野徳三郎(おおの・とくさぶろう、生没年不詳)と言われている。戦前は日本の万年筆製造が盛んで、1940年には世界生産量の50パーセントを日本で生産していたといわれている。

万年筆はペンとともに1960年代頃まで、手紙やはがき、公文書などを書くための筆記具として主流であったが、徐々にボールペンに取って代わられ、1970年代に公文書へのボールペンの使用が可能になり、また水性ボールペンが開発されたことにより、万年筆は事務用、実用筆記具としては利用されなくなっている。

期間中、1階催事フロアでは11時から19時まで「手作り万年筆の大橋堂」(宮城県仙台市青葉区中央3-8-5、新仙台駅前ビル1008、022-266-2332)が手作り万年筆の実演販売をする。また、ユーロボックス(中央区銀座1-9-8、奥野ビル、03-3538-8388)もビンテージ筆記具を販売する。

1日から3日の11時から19時まで「プラチナ万年筆」(台東区東上野2-5-10)の子会社「中屋万年筆」(台東区東上野2-5-16、岩原ビル2階)が手作り万年筆の実演販売をする。

3月4日から7日の11時から19時まで「セーラー万年筆」(江東区毛利2-10-18、03-3846-2651)のインクブレンダーで入社以来30年以上経つ、石丸治(いしまる・おさむ)さんがインクの調合の実演販売をする

地下1階特別催事場では、「サンライズ貿易」(千代田区岩本町2-13-6、第3ミツボシビル、03-5833-7701)の内田成一(うちだ・せいいち)さんと前沢正俊(まえさわ・まさとし)さん、「ペリカン日本」(台東区上野1-1-12、03-3836-6541)の山本英昭(やまもと・ひであき)さんが「万年筆に関わる相談」を受け付ける。

1日11時から19時まで「セーラー万年筆」の長原幸夫(ながはら・ゆきお)さんによる特殊ペン先万年筆の実演販売をする。

4日と5日の11時から19時まで「パイロット」(中央区京橋2-6-21、03-3538-37)がペンクリニックを行う。

6日と7日の11時から18時まで「サンライズ貿易」の宍倉潔子(ししくら・きよこ)さんがペンクリニックを開く。

3階ギャラリーでは2日11時から19時まで「パイロット」が万年筆組立て教室を開く。材料費として525円。

開場時間は9時30分から20時30分まで。入場は無料。