資生堂、前田会長が社長兼務「危機回避的」「不祥事はない」(2)

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【銀座新聞ニュース=2013年3月11日】資生堂(中央区銀座7-5-5、03-3572-5111)は3月11日に臨時取締役会を開いて、4月1日付けで末川久幸(すえかわ・ひさゆき)さんが社長を退任し、会長の前田新造(まえだ・しんぞう)さんが社長を兼務する人事を決めたと発表した。

4月1日付けで社長を兼務する資生堂の会長、前田新造さん。2011年4月に就任した末川久幸さんはわずか2年で社長を辞任する。

同社では退任の理由として、末川久幸さんから「健康上の理由」から申し出はあたとしている。3月31日付けで代表取締役執行役員社長を辞任し、あわせて取締役も辞任し、4月1日付けで相談役に就任する。

ロイターによると、前田新造さんは「先月半ば頃に体調不安による進退の相談を受けた」という。このため、兼務については「不測の事態における危機回避的なもの」で、任期については「1年はやり通さないといけないと思っている」と語ったとしている。また、退任の理由については、業績悪化の引責ではなく「あくまで体調不良」とし、不祥事の可能性については「今日の発表を信じてもらうしかない。他の問題はない」としたという。

資生堂は1月31日付けで国内事業や中国事業の不振で業績が低迷し、2013年3月期は連結売上高6800億円(前年比0.3%減)、営業利益245億円(同37.4%減)、経常利益25億円(同35.4%減)」、純利益105億円(同27.7%減)と2012年10月31日の増収増益予想から一転して減収減益予想に下方修正している。

前田新造さんは1947年大阪府生まれ、1970年に慶応義塾大学文学部を卒業、資生堂に入社、1996年6月にマーケティング本部化粧品企画部長、1997年6月に国際事業本部国際事業1部長兼マーケティング開発室長、同年12月に国際事業本部アジアパシフィック地域本部長、2000年1月にコスメニティー価値創造センター海外セルフ営業部長、2001年4月に化粧品事業戦略本部推販部長、2003年1月に経営企画室長、同年6月に取締役、執行役員に就任、2005年6月に代表取締役・執行役員社長、2011年4月に会長に就任している。