資生堂パーラーでカリーフェア、初のスープカリーや和牛カリー

【銀座新聞ニュース=2016年7月27日】資生堂(中央区銀座7-5-5、03-3572-5111)が運営する「資生堂パーラー銀座本店」(中央区銀座8-8-3、東京銀座資生堂ビル、03-5537-6241、0120-471-004)は7月26日から8月31日まで「2016夏のGINZAカリーフェア」を開いている。

資生堂パーラーで8月31日まで開かれている「2016夏のギンザ(GINZA)カリーフェア」で提供されている初のスープカレー「イベリコ豚スペアリブのサレと夏野菜のスープカリー」(税込2900円)。

資生堂パーラーで8月31日まで開かれている「2016夏のギンザ(GINZA)カリーフェア」で提供されている初のスープカレー「イベリコ豚スペアリブのサレと夏野菜のスープカリー」(税込2900円)。

また、日本橋高島屋(中央区日本橋2-4-1)の本館8階にある資生堂パーラーでも7月1日から8月31日まで「2016 夏のカレーフェア」を開いている。

「資生堂パーラー銀座本店」では、定番のカレーライス3種と、伝統のカレーソースやスープをアレンジし、選んだ素材を組み合わせたカレーメニュー3種を提供する。

今回のオリジナルメニューは塩漬けのイベリコ豚を、やわらかく煮込み、夏野菜と合わせ、香り高いスパイスを感じるカレーソースで辛すぎずさっぱりとした味わいの「イベリコ豚スペアリブのサレと夏野菜のスープカリー」(税込2900円)。資生堂パーラーで「スープカリー」を提供するのは初となる。

また、赤身と脂肪が交互に重なっている和牛の三枚肉のなかから、特別やわらかい部位を選び、エスパニョールソースで煮込み、とろけるような牛肉と玉ねぎの甘味を感じるカレーソースとを組み合わせた「和牛三枚肉のプレミアムカリーライス」(5000円)。

さらに、身のしまったオマールエビと大粒のホタテ貝を、軽くソテーし、甲殻類のうまみとココナッツの香るカレーソースと合わせた夏を感じさせる「オマール海老と帆立貝のカリー サフランライスを添えて」(4900円)。

ウイキペディアによると、カレーライスはインド料理を元にイギリスで生み出され、それに日本でアレンジが加えられたとされている。インドのカレーより、とろみが強く、イギリス海軍のメニューに採用されたとき、船の揺れに対応するためという説や、ソースを重視するフランス料理の手法を取り入れたとの説がある。

日本に初めてカレーライスの調理法を紹介したのは、1872年に出版された「西洋料理指南」で、食材として「ネギ、ショウガ、ニンニク、バター、エビ、タイ、カキ、鶏、アカガエル、小麦粉、カレー粉」を挙げている。同書にはインドのチャツネも掲載されているが、カレーとは結び付けられていないという。

また、同年に出された「西洋料理通」では「牛肉、鶏肉、ネギ、リンゴ、小麦粉、ユズ、カレー粉」を挙げている。しかし、カエル肉を使ったレシピは普及せず、ネギ(長ネギ)も大正時代にほぼタマネギに替わられた。大正時代後期(1923年の関東大震災後)には、そば屋がカレー南蛮やカレー丼のような和洋折衷料理を出すようになり、国産の安価なカレー粉が登場したことで、このころに現在の日本のカレーライスの原型が完成したと考えられている。

1873年に陸軍(幼年生徒隊)食堂の昼食メニューにライスカレーが加えられ、1876年に札幌農学校(現北海道大学)の教頭だったウィリアム・スミス・クラーク(William Smith Clark、1826-1886)が「生徒は米飯を食すべからず、但しらいすかれいはこの限りにあらず」という寮規則を定めた。

1877年に東京の洋食食堂「風月堂」が初めて日本でライスカレーをメニューに載せた。1908年に帝国海軍が配布した「海軍割烹術参考書」に「カレイライス」のレシピが載せられた。その後、新宿中村屋や資生堂パーラーや阪急百貨店などでカレーライスが発売されたが、1941年から1945年まで食料統制のため、軍用以外のカレー粉製造販売が禁止され、陸軍ではライスカレーのことを「辛味入汁掛飯」と言い換えた。1946年にカレー粉の製造販売が再開され、カレーメーカーは宣伝カーを使用して主婦へカレーのレシピを教えるなど、一般家庭への普及に努めた。

現在、日本の家庭ではカレー粉、小麦粉、油脂、うま味成分などを固形化した「インスタント・カレールウ」を使って調理することが多い。1926年にハウス食品(当時は浦上商店)が「ホームカレー粉」の商品名で初めて発売し、固形製品は1954年にエスビー食品が初めて発売した。また、カレーの具としてジャガイモ、ニンジン、タマネギが不可欠となっている。

農林水産省総合食料局食品産業振興課によると、2008年度のカレー粉の生産量(同年度で調査終了)が8406トン(前年度比10.1%減)、金額が71億円(同2.0%減)、カレールゥの生産量が10万5164トン(同1.6%増)、金額が860億円(同4.0%増)となっている。とくにカレールゥの生産金額は2000年度の856億円から2006年度まで減少を続けていたが、2007年度に増加に転じている。日本経済新聞によるとカレールゥのシェアはハウス食品が約61%、エスビー食品が約28%、江崎グリコが約10%と推計され、ほぼ3社による寡占市場となっている。

また、日本海軍では土曜日の昼食はカレーライスと決められていたが、これは海上自衛隊にも引き継がれている(週休2日制からは金曜日に変更)。長期航海中に曜日の感覚を取り戻すためだとも、休日前に食料庫の整理をするためだとも言われている。また、陸上自衛隊では各部隊ごとに独自のレシピによるカレーがあり、催事などで一般の見学者に振舞われている。

資生堂パーラーのカレーソースは3日かけて作られている。ラードで玉ねぎ、にんにく、しょうがをゆっくり揚げ、香りが移ったら、小麦粉とカレー粉を合わせて炒め、オーブンへ入れて1時間焼き、焼き色がついて深みのあるとび色になると、鶏ガラ、香味野菜、ブイヨンを加えて煮込み、ていねいにこして、まろやかでコクがあるカレーソースが出来上がるという。ごはんは銀製のアントレディッシュに、カレーソースはソースポットで提供される。

営業時間は11時30分から21時30分。ほかにサービス料が10%かかる。月曜日が休み(祝日は営業)。