ヴァニラで立花奈央子「ヒゲ女装レディビアード」展、才木玲佳らも

【銀座新聞ニュース=2016年9月12日】ヴァニラ画廊(中央区銀座8-10-7、東成ビル、03-5568-1233)は9月12日から10月1日まで立花奈央子さんによる写真展「レディビアードのKAWAII世界展」を開く。

ヴァニラ画廊で9月12日から10月1日まで開かれる立花奈央子さんの写真展「レディビアードのカワイイ(KAWAII)世界展」のフライヤー。

ヴァニラ画廊で9月12日から10月1日まで開かれる立花奈央子さんの写真展「レディビアードのカワイイ(KAWAII)世界展」のフライヤー。

「フォトスタジオ大羊堂」(新宿区新宿1-32-13、グランビル新宿)の代表で、写真家で、女装コーディネーターの立花奈央子(たちばな・なおこ)さんが2013年に出会ったレディビアード(Ladybeard)さんについて、「カワイイ(KAWAII)」世界観と足跡、撮り下ろし写真、生衣装、動画、フィギュアなどを公開する。

レディビアードさんはヒゲと筋肉の女装パフォーマーで、2009年に香港で活動を始めて以降、プロレスラー、ヘビーメタルシンガー、J-ポップ(POP)アイドルなどあらゆるパフォーマンスで、世界各地で活動しており、2015年にアイドルグループ「レディベイビー(LADYBABY)」を結成した。

ヴァニラでは、レディビアードさんは日本に活動拠点を置き、国外のアニメコンベンションで日本のポップカルチャーを融合させたパフォーマンスも行っており、既成概念を壊しながら新しいカワイイと元気を世界中に届けている破壊系アイドルとしている。

ウイキペディアによると、女装とは、「女性用」と規定されている衣服、装飾品を男性が身につけ、これによって外見の衣装上は女性の姿になることをいう。男性の「異性装」といえる。1993年のアメリカの調査では、男性の6%が女装の経験があり、女性の3%が男装の経験があると答えている。

古代ギリシアでは、ギリシャ神話の英雄、アキレウス(Achilles)はトロイア戦争に参加すれば必ず戦死するとの予言があったため、アキレウスが戦争に加わるのを防ぐため、彼を女装させて娘たちのなかに置き、隠蔽しようとしたとする挿話がギリシア神話で伝えられている。また、古代ローマでも、「サテュリコン」などが伝える性風俗として、少年が女装して売春を行っていたことなどが記されている。

古代エジプトやオリエントには宦官制度が存在し、男性の衣装とは異なる特別な服装で、女装に近い姿であった。中国にもその歴史のほぼ全時期を通じて宦官が存在し、女装に近い独特な衣装であった。中国では、古代より女装した若い男性や青少年の売春が盛んで、てん足が女性の一般な風俗であった清朝の時代にあっても、巧妙な偽装によっててん足しているかのような外見を作り、女装する男性が多くいたことが記録に残されている。

日本では、縄文時代、弥生時代には、男女の衣服があまり明確な区別を持たず、女装の定義を現代から窺い知ることは困難とされ、記紀においてはヤマトタケルが女装をして熊襲(くまそ)を撃つ場面が記述されていることから、日本においても女装の起源はかなり古い時期に遡ると推測されている。

「平家物語」には12世紀末の1180年に以仁王(もちひとおう、1151-1180)が謀反を起こし、発覚した際に、家臣の長谷部信連(はせべ・のぶつら、?-1218)が女装して脱出する奇策を進言し、脱出させることに成功したという逸話が残されている。

平安時代には、女人禁制の寺院で僧侶が稚児(ちご)と呼ばれていた少年を女装させて女性の代わりとする、といったことが日常的に行われるようになり、以降の男色(だんしょく)、衆道(しゅどう)といった同性愛文化の原点となった。

江戸時代には歌舞伎の女形などの女装少年が体を売る陰間茶屋(かげまちゃや)が武家などの上流階級だけでなく、庶民階級の間でも流行したりするなど、女装は男色、衆道文化の重要な要素のひとつとなっていた。歌舞伎においては男が女を演じる女形が存在した。

明治維新以降、西洋化に伴い洋装が標準の衣類となってくると、男女の衣服における差異は大きくなり、身体にぴったりと合う洋装では、女性用にデザインされた衣類を男性が着用するのが困難になっていた。ただ、明治期は司法省(1871年から1948年まで設置されていた)によって異性装禁止令が発令され、女装が法的に禁止されていた。

現代においては、女装をする人は1)身体は男性で、性的指向(恋愛対象)も女性であるが、女装することで服装違和を和らげようとする「異性愛異性装者」、2)身体は男性のままでいたいが、恋愛対象は男性もしくは両性で、女装をすることで服装違和を解消する「トランスジェンダー」、3)持って生まれた身体的性に違和感があり、性別適合手術を受け、なおかつ女装をして本来の性(女性)に戻る「性同一性障害(MTF)」の人。

4)「性の多様性」のアピールのために、女装を強調する同性愛者の男性が「ドラァグ・クイーン」、5)宗教的理由から、男性が女装して祭儀などを行うこと、6)呪術的な理由があると想定されるが、男児の早世を避けるため、女児の服装で育てる例があり、ヨーロッパの上流階級ではこのような習慣が20世紀までは普通にあった、7)母親または家族などが女児を欲していた場合に男児が生まれたとき、女児として育てるが、10歳になってもなお少女の服装で育てる、などがある。

立花奈央子さんは2009年3月に個展を開き、2010年に「コスプレイヤーのための2.5次元フォトレタッチガイド」を刊行、2011年に個展を開き、男の娘写真集「トラップ(TRAP)」を刊行、2013年に男の娘写真集「ゆりだんし」を刊行している。2010年から2013年まで合同展「ポートレート専科」に出展している。

21日19時30分からレディビアードさん、立花奈央子さん、ライター、編集者の九龍ジョー(くーろん・じょー)さんによるトークイベントを開く。定員は40人、入場料はワンドリンク、チェキ付で3000円。事前予約が必要。

九龍ジョーさんは1976年東京都生まれ、2004年よりライターとして活動をはじめ、主にポップカルチャーや伝統芸能について執筆している。

22日17時30分からレディビアードさん、立花奈央子さん、筋肉アイドルの才木玲佳(さいき・れいか)さんによるトークイベントを開く。定員は40人、入場料はワンドリンク、チェキ付で3000円。事前予約が必要。

才木玲佳さんは1992年埼玉県生まれ、慶応大学を卒業、2014年12月に「チアー(Cheer)1」の2期生として加入し、芸能界デビューし、2015年3月に格闘技大会「クラッシュ(Krush)」のラウンドガールとして、新生クラッシュガールズに選抜され、7月にベイ(bay)fmサマーキャンペーンレポーターに起用、8月に「第1回K-1チャレンジ全日本大会」Cクラス女子50キロ以下級でデビューし、1-2で判定負けした。

2015年10月にレッスル(WRESTLE)-1の設立したプロレス専門学校「プロレス総合学院」に1期生として入学、2016年3月に卒業し、「プロレス総合学院1期生卒業試合」でプロレスデビューし、白星で飾った。現在も筋肉アイドル、プロレスラーとして活動している。

開場時間は12時から19時(金曜日は20時、土・日曜日、祝日は17時)。料金は500円。25日は休み。