銀座M84で田保橋淳「曼陀羅」展、同じ展示形式で

(「開学70周年金沢美大同窓会金の美大展覧会」にて既報ですが、詳細を書きました)
【銀座新聞ニュース=2016年9月18日】Art Gallery M84(中央区銀座4-11-3、ウインド銀座ビル5階、03-3248-8454)は9月19日から24日まで田保橋淳さんによる「曼陀羅妖華」を開く。

アートギャラリーエムハッシー(Art Gallery M84)で9月19日から24日まで開かれる田保橋淳さんの「曼陀羅妖華」に展示される作品。すべて販売される。

アートギャラリーエムハッシー(Art Gallery M84)で9月19日から24日まで開かれる田保橋淳さんの「曼陀羅妖華」に展示される作品。すべて販売される。

デジタル版画の第一人者で、多摩美術大学名誉教授の田保橋淳(たぼはし・じゅん)さんが「曼陀羅」をテーマにした12回目の個展で、「開学70周年 金沢美大同窓会 金の美大展覧会」の一環としてアートギャラリーエムハッシー(Art Gallery M84)で開き、約30点を展示する。

田保橋淳さんは「曼陀羅というテーマは変わらないけど、毎回違った表現造型を追求してきた。しかし、展示形式は、いくつかの例外を除いて同じサイズで、フレームレス、デジタルプリント、画面のレイアウトなども一定にした」という。

「テーマが変わらないし、作品形式も同じだから、みんな同じに見えて、マンネリとかタイクツだとか、お叱りを何度もうけた。しかし、変化をつけたりすると自分で自作を評価することになる。作品の良し悪しは、ご覧になる方の直接的な判断によるものであって、制作者や解説者が強要してはいけないのではないか」と考えている。

ウイキペディアによると、「曼陀羅(曼荼羅)」は仏教(特に密教)において聖域、仏の悟りの境地、世界観などを仏像、シンボル、文字、神々などを用いて視覚的、象徴的に表したものという。

古代インドに起源をもち、インドでは諸神を招く時、土壇上に円形または方形の魔方陣、マンダラを色砂で描いて秘術を行う。色砂で土壇上に描くため、古い物は残っていないが、チベット仏教などでは今でも修行の一環として儀式、祭礼を行う時に描かれる。

曼陀羅はその形態、用途などによってさまざまな分類があるが、すべての曼陀羅に共通する点は、1)複数の要素(尊像など)から成り立っている、2)複数の要素が単に並列されているのではなく、ある法則や意味にしたがって配置されている、の2点としている。密教系の絵画でも、仏像1体だけを表したものは「曼陀羅」とは呼ばれない。

「曼陀羅」とは、複数の要素がある秩序のもとに組み合わされ、全体として何らかの宗教的世界観を表したものと要約できるとしている。

田保橋淳さんは1931年韓国ソウル市生まれ、1953年に金沢美術工芸大学美術科油彩専攻を卒業、東京教育大学(現筑波大学)教授の大智浩(おおとも・ひろし、1908-1974)に師事し、1957年に株式会社電通に入社、1969年から金沢美術工芸大学客員教授を兼務、1980年に電通第二クリエーティブ局長。

1991年に電通を退職、多摩美術大学教授(グラフィック学科長)、東京アートディレクタークラブ会員、日本グラフィックデザイナー協会会員、日本広告学会会員などを経て、2002年に多摩美術大学を退職し、現在、多摩美術大学名誉教授、産業広告アカデミー委員。
19日17時からオープニングレセプションを開く。

開場時間は10時30分から18時30分(最終日は17時)まで。入場は無料。日曜日は休館。