日本橋三越で伝統工芸展、総裁賞丸山浩明ら600点、村山明らトーク

【銀座新聞ニュース=2016年9月19日】日本橋三越(中央区日本橋室町1-4-1、03-3241-3311)は9月21日から10月3日まで本館、新館の7階ギャラリーで「第63回日本伝統工芸展」を開く。

日本橋三越で9月21日から10月3日まで開かれる「第63回日本伝統工芸展」のフライヤー。

日本橋三越で9月21日から10月3日まで開かれる「第63回日本伝統工芸展」のフライヤー。

「日本伝統工芸展」は文化庁(千代田区霞が関3-2-2、03-5253-4111)、東京都教育委員会(新宿区西新宿2-8-1)、日本放送協会(NHK、渋谷区神南2-2、0570-066-066)、公益社団法人「日本工芸会」(台東区上野公園13-9、03-3828-9789)、朝日新聞社(中央区築地5-3-2、03-3545-0131)が共催している国内最大級の公募展で、陶芸、染織、漆芸、金工、木竹工、人形、諸工芸(ガラス、七宝など)7部門の重要無形文化財保持者の最新作と一般公募作品より選ばれた入選作約600点を展示する。

第63回日本伝統工芸展は応募1551点から入選627点を選び、8月30日に入賞作品16点を決めた。9月21日からの日本橋三越を皮切りに全国12会場で展示される。

最優秀の日本工芸会総裁賞は丸山浩明(まるやま・ひろあき)さんの「蝋引楓造象嵌飾箱(ろうびき・かえでつくりぞうがん・かざりはこ)が選ばれた。高松宮記念賞は松本三千子(まつもと・みちこ)さんの「省胎七宝鉢(しょうたい・しっぽうはち)『蒼海(そうかい)』」、文部科学大臣賞が海老ヶ瀬順子(えびがせ・じゅんこ)さんの「穀織着物『海に聞く』」。

東京都知事賞は杉浦美智子(すぎうら・みちこ)さんの「桐塑紙貼(とうそかみばり)『船出』」、NHK会長賞が山岸一男(やまぎし・かずお)さんの「沈黒象嵌合子(ちんこくぞうがんごうす)『能登残照』」、朝日新聞社賞が田島正仁(たじま・しょうに)さんの「彩釉器(さいゆうき)」、日本工芸会会長賞が萩野紀子(はぎの・のりこ)さんの「鍛はぎ合壺(たんはぎあわせつぼ)『線』」、日本工芸会保持者賞が寺西松太(てらにし・しょうた)さんの「蒔絵箱(まきえばこ)『夜景』」。

日本工芸会奨励賞が加藤清和(かとう・きよかず)さんの「藍三彩(らんさんさい)『1607』」、城間栄順(しろま・えいじゅん)さんの「琉球紅型染着物(りゅうきゅうびんがたそめきもの)『彩海』」、築地久弥(つきじ・ひさや)さんの「乾漆蓋物(かんしつふたもの)『ふたひら』」、田辺小竹(たなべ・しょうちく)さんの「千筋組花籃(せんすじぐみはなかご)『創造都市』」、名倉達了(なぐら・たつのり)さんの「暁岸硯(ぎょうがんけん)」。

日本工芸会新人賞は高橋奈己(たかはし・なみ)さんの「白磁水指(はくじみずさし)」など3人が選ばれた。

「日本伝統工芸展」は1954年から年1回毎年開いている、文化財保護法の改正(1954年)に沿って、工芸技術を保護育成するために開かれている日本で最大規模の公募展で、1955年に設立された日本工芸会は、現在、重要無形文化財保持者(人間国宝)を中心に伝統工芸作家、技術者等で組織する団体で、工芸分野重要無形文化財保持者59人中、日本刀、手漉和紙などの分野を除く48人を含めて正会員が約1300人が所属している。2011年に公益社団法人化されている。

期間中、会場で12時30分からギャラリートークが開かれる。

21日は陶芸家で、東京芸術大学大学院を修了した前田正博(まえだ・まさひろ、1948年京都府生まれ)さん、23日は染織研究家の今井陽子(いまい・ようこ)さん、26日は漆芸家で石川県立輪島漆芸技術研修所で学び、人間国宝、日本工芸会理事の小森邦衞(こもり・くにえ、1945年石川県生まれ)さん。

27日は金工家で、法政大学卒業の浅井盛征(あさい・せいせい、1945年韓国生まれ)さん、28日は木工芸家で京都市立美術大学(現京都市立芸術大学)卒業の人間国宝、村山明(むらやま・あきら、1944年兵庫県生まれ)さん、29日は人形作家で、慶応義塾大学卒業、MOA美術館館長の内田篤呉(うちだ・とくご、1952年生まれ)さん、30日はガラス工芸作家で東京都立大島高校卒業、1992年まで保谷硝子(現HOYA)に勤めた白幡明(しらはた・あきら、1946年東京都伊豆大島生まれ)さんが出演する。

24日と25日は第63回の受賞者が作品を解説する予定。

営業時間は10時30分から19時30分まで。入場は無料。

日本橋三越で9月21日から10月3日まで開かれる「第63回日本伝統工芸展」のフライヤー。

日本橋三越で9月21日から10月3日まで開かれる「第63回日本伝統工芸展」のフライヤー。