丸善日本橋で「月見の器」展、酒井泉、山内朗生ら

【銀座新聞ニュース=2016年9月20日】丸善・日本橋店(中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は9月21日から27日まで3階特設会場で「月見のうつわ展」を開く。

丸善・日本橋店で9月21日から27日まで開かれる「月見のうつわ展」に出品される小林加代子さんの「染付」、酒井泉さんの「陶磁器」、山内朗生さんの「木工」作品。

丸善・日本橋店で9月21日から27日まで開かれる「月見のうつわ展」に出品される小林加代子さんの「染付」、酒井泉さんの「陶磁器」、山内朗生さんの「木工」作品。

夏が過ぎて月見の季節となり、田畑では作物が実り、食べ物のおいしい季節になっている。10月13日の「十三夜(じゅうさんや)」を控えて、秋の草花を飾り、気に入りの酒器で、月見を楽しめるように、染付けの小林加代子(こばやし・かよこ)さん、陶磁器の酒井泉(さかい・いずみ)さん、木工作家の山内朗生(やまうち・あきお)さんらによる「月見のうつわ」を展示する。

ウイキペディアなどによると、「十三夜」は8月十五夜(旧暦8月15日から16日の夜)の月に対して、9月十三夜(旧暦9月13日から14日の夜)の月は「後(のち)の月」と呼ばれる。「十五夜」(中秋の名月)は中国から伝わったが、「十三夜」は日本固有の風習で、秋の収穫祭のひとつではないかと考えられている。

919年に宇多法皇(うだほうほう、867-931)が旧暦9月13日にも観月の宴を行い、これが日本独自の「十三夜」の月見のはじまりとされている。また、食べ頃の大豆(枝豆)や栗などを供えることから、この夜の月を「豆名月(まめめいげつ)」または「栗名月(くりめいげつ)」と呼ばれる。

江戸時代の遊里では、十五夜と十三夜の両方を祝い、どちらか片方の月見しかしない客は「片月見」または「片見月」と呼ばれ、縁起が悪いと遊女らに嫌われた。2度目の通いを確実に行なうために、「十五夜」に有力な客を誘うと、相手は「十三夜」にも来なければならないという風習があった。旧暦8月15日は2016年は9月15日、旧暦9月13日は10月13日になる。

酒井泉さんは1990年に武蔵野美術大学油絵科を卒業、1998年に愛知県立窯業高等技術専門校を修了、愛知県瀬戸市で修業を重ね、東京で主に瀬戸や信楽の土を使って使用陶器を制作している。化粧土や釉薬(ゆうやく)を薄く塗り重ねて、1240度の高温で焼成している。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日は17時)まで。入場は無料。