ダイヤモンドDとゼットン、「人材確保、海外事業」等で協業

【銀座新聞ニュース=2016年9月15日】首都圏、大阪圏を中心にレストラン事業を展開するダイヤモンドダイニング(港区芝4-1-23、三田NNビル、03-6858-6080)が名古屋と首都圏を中心にレストラン事業を展開するゼットン(目黒区中目黒1-1-71、KN代官山、03-5773-4317)を買収したことについて、9月15日夕方、バグースプレイス店(中央区銀座2-4-6、銀座Velvia館、03-5524-3991)で共同会見した。

会見後、写真撮影に応じる松村厚久さんと稲本健一さん(左から)。松村さんは進行性パーキンソン病により、体の自由がきかず、言葉も思うように出せない中、会見に出席した。2人は同じ1967年生まれだが、3月生まれで学年が上の松村さんがこれまでは先輩風を吹かしていたが、「これからはそうしたことはしない」と宣言すると、稲本さんは「松村社長を支えていきたい」と語った。

会見後、写真撮影に応じる松村厚久さんと稲本健一さん(左から)。松村さんは進行性パーキンソン病により、体の自由がきかず、言葉も思うように出せない中、会見に出席した。2人は同じ1967年生まれだが、3月生まれで学年が上の松村さんがこれまでは先輩風を吹かしていたが、「これからはそうしたことはしない」と宣言すると、稲本さんは「松村社長を支えていきたい」と語った。

ダイヤモンドダイニングは7月19日からゼットンの株式公開買い付けを実施し、8月25日に1株790円で180万9400株(14億2942万円)を買収し、ゼットンの株式発行数(430万7900株)の42%に達し、最大の株主になり、9月1日にゼットンがダイヤモンドダイニングの持分法適用関連会社になっている。

これについて、ダイヤモンドダイニング側は「スケールメリット、効率化などで協力できる」と述べた。スケールメリットは購買、物流で大きく発揮し、2社で人材の採用募集も広げられることで大きな効果があるという。ただ、効果は2017年3月から見込んでおり、海外事業、ウエディング事業でも協業を期待している。

ゼットンは2015年2月期に営業利益が減益、、2016年2月期に営業損失を計上するなど苦しい状況だが、2016年3月から8月までの上半期で店舗間の店長クラスの人事異動を抑え、前期に不振店を閉鎖するなどの効果もあって「V字回復」(社長の鈴木伸典=すずき・のぶてる=さん)をしているという。稲本健一さんは「既存店伸び率で100%前後ではないか」としている。

今回の2社の協業により、3月1日付でゼットン会長に就任した創業者の稲本健一(いなもと・けんいち)さんは9月1日付でダイヤモンドダイニングの海外事業子会社のチェアマンに就任し、「こんご、ハワイ、アメリカのメインランド、アジア、オセアニアに力を入れたい」と語った。

すでに、ダイヤモンドダイニングとゼットンの海外売上高は20億円に達しており、これを30億円に引き上げる方針だ。また「現段階では公表できない」(稲本健一さん)としているが、2017年5月の株主総会で、ダイヤモンドダイニングの取締役にも就任することを示唆した。

今回の提携については、2015年10月に松村厚久(まつむら・あつひさ)さんと稲本健一さんの会食で話が発展し、TOBという形でゼットンがダイヤモンドダイニング入りすることで合意したという。稲本健一さんは「グループのトップは松村社長で、それを支えるのが私の役割」と述べた。また、松村厚久さんの進行性パーキンソン病については、「人は病気になると弱気になるが、松村社長はひじょうに強い性格で、それを見て私が側から助けていきたいと思った」と、難病と戦う松村厚久さんを支えたいとの強い思いを明らかにした。

ダイヤモンドダイニングは2017年3月から2020年2月期に年商500億円(2016年2月期にダイヤモンドダイニング298億円、ゼットン101億円)、営業利益30億円(同ダイヤモンドダイニング9億5000万円、ゼットン9300万円の損失)、純利益15億円(同ダイヤモンドダイニング2億6000万円の損失、ゼットン2億3000万円の損失)をめざす3カ年をスタートさせる。