丸善日本橋で寺田豊「京絞り」展、捨松の帯も、相沢慶子と対談

【銀座新聞ニュース=2016年10月24日】丸善・日本橋店(東京都中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は10月26日から11月1日まで3階ギャラリーで「京絞りの源流を探る6 京絞り寺田展-帯の捨松『自然がおりなす造形美の世界』」を開く。

丸善・日本橋店で10月26日から11月1日まで開かれる「京絞りの源流を探る6 京絞り寺田展」に展示される京絞りの衣装。

丸善・日本橋店で10月26日から11月1日まで開かれる「京絞りの源流を探る6 京絞り寺田展」に展示される京絞りの衣装。

「有限会社 京絞り寺田」(京都市下京区新町通綾小路下る船鉾町391、075-353-0535)を運営する4代目京絞り作家の寺田豊(てらだ・ゆたか)さんが2011年以来6年続いて「京絞りの源流を探る」と題して、先人の絞り技法を学び、現代の素材、技術を加えた絞り訪問着、付け下げ、小紋、コート、小物、ショールなど新作を展示販売する。また、京都西陣織の「帯屋捨松」の帯もあわせて出品する。

「京絞り寺田」は1813(文化10)年に初代井筒屋治助(いづつや・じすけ)が京都寺町仏光寺で木版彫刻美術出版業として創業、1923年に6代寺田熊太郎(てらだ・くまたろう)が京鹿の子絞り製造卸「寺田商店」を設立、その後現社名に改称している。

「帯屋捨松」は江戸時代の安政年間、1854年に創業し、「木村捨織物所(きむらすておりものしょ)」として帯を生産してきたが、昭和30年代に5代目木村四郎(きむら・しろう)が図案家、織匠、染色家の故徳田義三(とくがわ・よしぞう)に弟子入りし、指導を受け、その後を引き継いだ6代目木村弥次郎(きむら・やじろう)さんも故徳田義三に弟子入りし、1978年に独立し、曾祖父の木村捨松(きむら・すてまつ)の名前をとって屋号を「帯屋捨松」と改称した。

その後、7代目の木村博之(きむら・ひろゆき)さんが社長に就任し、10数人のスタッフで運営し、週2回の勉強会で、すべての従業員が織りの技術を学んでいる。また、帯屋捨松では分業体制をとらず、企画、意匠、デザインから生産まですべてを自社内で一貫生産している。2012年より東京芸術大学大学院絵画専攻油画の学生が帯屋捨松で「帯」について実地で学んでいる。

寺田豊さんは1958年京都府京都市生まれ、1994年にフランス・パリ市主催フランスオートクチュール組合後援により「バガテル城美術館」の「燦功工房展」に招待出品、東京で個展を開催、1996年にフランス・パリ国立ギメ美術館が「雪に萩」を買い上げ、2002年に「布結人の会」を設立した。

イタリア・ミラノの美術学校と交流、2007年に歌舞伎役者の中村芝雀(なかむら・しばじゃく)さんの「人魚の恋椿」の衣装を制作し、2008年に京都絞工芸展で知事賞と近畿経済産業局長賞、源氏物語千年紀「夢浮橋」の几帳を作成している。

29日16時から17時まで寺田豊さんと月刊誌「家庭画報」(世界画報社)や「きものサロン(Salon)」(世界文化社)などで女優の着物コーディネートを手がける相沢慶子(あいざわ・けいこ)さんが「絞りの装いと魅力」と題してトークショーを開く。また、相沢慶子さんが寺田豊さんの着物を使い、美しいスタイリングを提案する。

相沢慶子さんは女性誌の着物のページの編集やスタイリングなどを30年以上にわたって手がけ、女優や著名人の着物のスタイリングも行っている。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日は17時)、入場は無料。