ソニービルで1000万の星が見えるプラネタ、松下奈緒がナビ、曲も

【銀座新聞ニュース=2016年12月18日】大手家電メーカーのソニー(品川区大崎2-10-1、03-6748-2111)は12月9日から2017年1月29日までソニービル(中央区銀座5-3-1、03-3573-2371)の8階OPUSで「サウンドプラネタリウム-VOYAGE」を開いている。

2017年1月29日までソニービルで開催中の「サウンドプラネタリウム-ボワイヤージュ(VOYAGE)」の上映風景。

プラネタリウムの高精細投影機「メガスター(MEGASTAR)-2」とハイレゾリューション・オーディオ(ハイレゾ)音源を融合させたイベントで、女優で歌手の松下奈緒(まつした・なお)さんがナビゲーションを担当している。

「メガスター(MEGASTAR)-2」は元ソニー社員で、「有限会社大平技研」の代表取締役、大平貴之(おおひら・たかゆき)さんが開発した投影機で、肉眼で見ることのできない1000万個の星を映し出すことのできる光学式プラネタリウムで、5台のプロジェクターを使用し、無数の星々がきらめく天空を再現している。また、上映される映像の冒頭にはドローンで撮影された銀座の夕焼けの実写や、色鮮やかなオーロラ、空間全体に拡がる星々などを見ることができる。

「サウンドプラネタリウム」に使われている大平貴之さんが開発した投影機「メガスター2」。

音楽は12月27日までは松下奈緒さんの新しいアルバム「ベスト・10イアーズ・ストリー(THE BEST-10 years story)」に収録されている「旅人のテーマ」、ミシア(MISIA)さんのアルバム「ミシア・スーパー・ベスト・レコーズー15周年セレブレーション(MISIA Super Best Records-15th Celebration)」に収録されている「エブリーシング(Everything)」、アメリカのアカペラ(無伴奏)5人組「ペンタトニックス」のアルバム「ペンタトニックス・クリスマス (ジャパン・エディション)」に収録されている「ハレルヤ」を流している。

28日から1月29日まで松下奈緒さんの「ベスト・10イアーズ・ストリー」に収録されている「インプレッシブ(Impressive)」、歌手のジュジュ(JUJU)さんのアルバム「リクエスト(Request)」に収録されている「ヘロー、アゲイン(Hello,Again)-昔からある場所」、英国のロックバンド「オアシス(OASIS)のアルバム「モーニング・グローリー」に収録されている「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」を流す。

ナビを務めている松下奈緒さん。

ウイキペディアなどによると、プラネタリウム(planetarium)は、投影機から発した光をドーム状の天井の内側に設置された曲面スクリーンに映し出すことで、星の像およびその運動を再現する設備あるいは施設を指す。名称は惑星(planet)に由来する言葉で、惑星や恒星を含む星空全体とその運動を再現している。

古代ギリシアの天文学者、アルキメデス(Archimedes、BC287?-BC212)は、太陽、月、惑星の運行を再現する装置を所持していたといわれており、「アンティキティラ島の機械」の発見により、そのような天体の運行を再現する装置が紀元前に存在していたことが実証されている。

イタリアのの天文学者、ヨハンネス・カンパヌス (Johannes Campanus、1220-1296) は「テオリカ・プラネタルム(Theorica Planetarum、太陽系儀)」を建設したが、今日では18世紀のアイルランドのオーラリー伯爵(Charles Boyle、4th Earl of Orrery KT PC FRS、1674–1731)に因んで「オーラリー(Orrery)」と呼ばれる。

18世紀において、小型のオーラリーでは迫力を欠き、18世紀末には複数の教育者が、大型の天界を再現する装置を造り、アダム・ウォーカー(Adam Walker、1730-1821)と彼の息子たちが制作した「エラボレート・マシン(Elaborate Machine)」は全高12フィート(約3.7メートル)、27インチ(約69センチ)径というもので、垂直に立てられ、球体は巨大だった。現存する最古の作動する惑星運行儀は、オランダの「フラネカー」で、オランダのアマチュア天文学者、アイゼ・アイジンガー(Eise Eisinga、1744-1828)によって自宅の居室で7年かけて制作され、1781年に完成した。

世界初の近代的なプラネタリウムは、1923年にカール・ツァイス社の技師であったヴァルター・バウアースフェルト(Walther Bauersfeld、1879–1959)によって発明された「ツァイス1型」と呼ばれた投影機だ。北天用の1個の恒星球と惑星棚を備え、約4500個(おおよそ6等星まで)の投影を行うことができた。恒星原板の採用や、集光レンズを使用してドーム内に星像を投影するという現在の光学式(レンズ式)プラネタリウムの基本的原理がこの時点でほぼ完成している。この投影機はドイツ博物館に収蔵されている。

日本では最初に設置されたプラネタリウムは1937年に大阪市立電気科学館(後の大阪市立科学館)に設置されたカール・ツァイス・イェーナ社製「ツァイス2型」で、同型が1938年に有楽町の東日天文館に設置されたが、1945年に戦災で焼失した。1957年に東京・渋谷に天文博物館五島プラネタリウムが、1960年に兵庫県明石市に明石市立天文科学館が、1962年に名古屋市に名古屋市科学館が開館した。

日本国産のプラネタリウムは、五藤光学研究所が1959年に制作した「M-1型投影機」(当時約800万円)が最初で、この投影機は静岡県清水市(現静岡市清水区)の富士観センターや東京・浅草の新世界などに設置され、うち1台は1960年にニューヨークの国際見本市に出品され、見本市終了後にコネチカット州のブリッジポート博物館へ販売され、1962年に一般公開された。

1958年に千代田光学精工(現コニカミノルタ)が市井の発明家・信岡正典(のぶおか・まさのり)が開発したプラネタリウムを甲子園阪神パークで開かれた科学博に出展し、この投影機はそのまま常設され、その後、福岡、広島などにも設置された。現在、五藤光学研究所とコニカミノルタプラネタリウムは、2社を合わせて世界のプラネタリウムの半数近いシェアを抱えるトップメーカーとなっている。

また、大平貴之さんが個人で制作し、1998年にロンドンで初公開されたメガスターは、従来比100倍に相当する投影恒星数150万個を再現した。その後、大平技研によって開発・運用されている「メガスター2」は、恒星投影数約500万個(12.5等星まで)に拡張され、日本科学未来館や川崎市青少年科学館などに設置されている。

2008年6月、シカゴで行われたIPS(国際プラネタリウム協会)大会で発表された「スーパーメガスター2」は、約2200万個(13等星まで)の恒星を投影することが可能となっている。2006年現在、プラネタリウムをもっとも多く保有している国はアメリカで約1200基あり、その次が日本の約300基となっている。

「ハイレゾリューション音源」は音楽用CD(CD-DA)を超える音質の音楽データの総称で、略して「ハイレゾオーディオ」、あるいは「ハイレゾ音源」と呼ばれる。サンプリング周波数と量子化ビット数のうちどちらかがCD-DAスペック(44.1キロヘルツ、16ビット)を超えていればハイレゾリューションと見なされる。

一般にCDは44.1キロヘルツ、16ビット、DATは48キロヘルツ、16ビットで、これらを超える情報量(サンプリング周波数、あるいはビット数のいずれかで)を持つ、音源をさす。2014年3月26日に、一般社団法人「電子情報技術産業協会 (JEITA)」によって呼称と定義について周知され、6月12日に一般社団法人「日本オーディオ協会」 (JAS)がハイレゾ音源の定義や推奨ロゴを発表している。

デジタル音声信号の音の質は、サンプリング周波数と量子化ビット数で構成されており、サンプリング周波数とは、1秒間にアナログ信号を何回デジタル信号に変換するかの回数を表し、数値が高いほど、よりきめ細かく、より大量の変換を行なえる。

サンプリング周波数が96キロヘルツの場合、CDのサンプリング周波数44.1キロヘルツの2倍以上、192キロヘルツであれば4倍以上のきめ細かさになる。

量子化ビット数とは、アナログ信号をデジタル信号に変換する際に、音の強弱を何段階に表現するかの数値で、この数値が高いほど、より元信号に忠実に、より大きな音の変化まで変換することが可能となる。

CDの量子化ビット数は16ビットなので、2の16乗(6万5536階調)の音の強弱に変換できる。ブルーレイの24ビットであれば2の24乗(1678万階調)の変換まで可能となり、CDの約256倍の音の強弱に変換することができる。

これらCDをしのぐ量のデジタル信号に変換された音楽を、ブルーレイ・プレーヤーなどを使って、より限りなく原音に近い音声を再現したものを「ハイレゾリューション・オーディオ」という。

ブルーレイでは、CD同様の手軽なプレーヤー操作で、今まで聴こえてこなかったホールトーンや、楽器の奥深い音色、ボーカルの息づかいまで聞き分けることができるとしている。

時間は11時から19時(12月31日、1月2日、3日は18時)、上映時間は15分程度の繰り返し。入場は無料。1月1日は休み。