ヴァニラで近藤智美作品展、会田誠と対談も

【銀座新聞ニュース=2017年1月21日】ヴァニラ画廊(中央区銀座8-10-7、東成ビル、03-5568-1233)は1月23日から2月4日まで近藤智美さんによる「媚び術研究」を開く。

ヴァニラ画廊で1月23日から2月4日まで開かれる近藤智美さんの「媚び術研究」に展示されるフライヤー。

18歳で広島から上京して、渋谷で「マンバギャル(ガングロといわれたヤマンバの第2世代)」を経験し、その後、独自の画風で絵を描いている近藤智美(こんどう・さとみ)さんの個展で、「媚び術=古美術」と考え、展示室Aでは新作の絵画作品、立体作品を、展示室Bでは今まで描きためてきたマンガや切り取った夢日記を展示する。

近藤智美さんは「23歳の頃、お前は媚びないからダメなんだ、と上司に言われた。一瞬、媚びてみようかと思った。でもやめた。そして、絵描きになろうと思った。それでも、制作を続けているうちに、ふと気付いた。結局、目を背けた社会とも、どうしようもなく繋がっていることに」と振り返る。

さらに「媚びたことのない人なんか、一人もいないんじゃないか。媚びないと言われた私が、絵で媚びるとはどういうことだろう、と考えた。巨匠に媚びる。海外に媚びる。お偉いさんに媚びる。未来に媚びる。私の絵が『媚び術』で『古美術』になる。身も蓋もない『未来の古美術』になる。かつて千利休(せんの・りきゅう、1522-1591)がそうしようとしたように」としている。

近藤智美さんは1985年広島県生まれ、18歳で上京し、渋谷でマンバギャル(ガングロといわれたヤマンバの第2世代)を経験、ギャル文化の終えんを見届け、絵を描き始め、2011年に個展、2012年に「ボカ(VOCA)展」、2013年に「ラブ(LOVE)展」に出品、人間をモチーフにして古典技法、さまざまな引用を用いて抑制したタッチで描いている。

28日17時30分から近藤智美さんと現代美術家の会田誠(あいだ・まこと)さんによるトークイベント「バー廃庵」を開く。近藤智美さんと会田誠さんが作品や展覧会のテーマ「媚」について、2時間語り合う。バーの主、近藤智美さんの気が向けば、お客の似顔絵を3割増しで描いて指名を取る、パフォーマンスを行う可能性もある。参加費は2000円 (ドリンク2杯と媚茶)で、事前に申込フォームから申し込む。

ウイキペディアによると、会田誠さんは1965年新潟県新潟市生まれ、1989年に東京芸術大学油画専攻を卒業、1991年に同大学大学院を修了(油画技法材料第一研究室)、在学中に同人誌「白黒」(3号まで)を発行し、レントゲン芸術研究所で開かれた「フォーチューンズ」で本格的な活動をはじめ、1993年に江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎(かつしか・ほくさい、1760-1849)の「蛸と海女」のパロディ「巨大フジ隊員VSキングギドラ」で注目され、「あぜ道」や「切腹女子高生」などが代表作となっている。

アーティストグループ「昭和40年会」に参加したり、若手の芸術家や学生をまとめ、自宅で「西荻ビエンナーレ」を開いている。平面作品に限らず、映像作品の監督、出演、フィギュアなども制作している。2001年に現代美術家の岡田裕子(おかだ・ひろこ)さんと結婚し、2003年に自身の制作を追ったドキュメンタリー映画「≒会田誠」を公開、2005年に写真「ガールズ・ドント・クライ(Girls Don’t Cry)2003」の一つが香港クリスティーズにおいて9253ドル(約110万円)で落札された。2007年に岡田裕子さんの半生を描いたドキュメンタリー風ドラマ「ふたつの女」に出演した。

アーティストグループ「昭和40年会」に参加したり、若手の芸術家や学生をまとめ、自宅で「西荻ビエンナーレ」を開き、平面作品に限らず、映像作品の監督・出演、またフィギュアなどの制作もしている。2012年12月に森美術館で開かれた個展「会田誠展:天才でごめんなさい」の際に、「食用人造少女・美味ちゃん」や「犬」シリーズなど一部の作品が社会的に問題視されたことがある。

開場時間は12時から19時(土・日曜日、祝日17時)で、入場料は500円。