M84でE・アーウィット・マグナム・フォト元会長「犬」展

【銀座新聞ニュース=2017年3月6日】Art Gallery M84(中央区銀座4-11-3、ウインド銀座ビル5階、03-3248-8454)は3月6日から4月15日までエリオット・アーウィットさんによる写真展「ウィット&ユーモア」を開く。

アート・ギャラリー・エム・ハッシー(Art Gallery M84)で4月15日まで開かれるエリオット・アーウィットさんの写真展「ウィット&ユーモア」に展示される「ニューヨーク・シティ(New York City,)1946.」(C)Elliott Erwitt/Magnum Photos)。

世界的な報道写真家の集団「マグナム・フォト」の会長を務めたフランス人写真家、エリオット・アーウィット(Elliott Erwitt)さんの作品は「ウィットとユーモアに富んだ人間味あふれるもので、ジャーナリステイックなエッセイから広告写真まで、多種多様」(オーナーの橋本正則=はしもと・まさのり=さん)という。

また、「写真にはアーウィット自身が見たそのままが写し出されております。犬や子どもなどの親しみやすい題材を好んで撮影し、一見すると何でもない光景を撮影しているようでいて、普遍的な真理が隠されている」としている。今回は、エリオット・アーウィットさんのの代名詞とも言える「犬」の作品を中心に、ゼラチンシルバーのオリジナルプリント作品 約30点を展示する。

エリオット・アーウィットさんは「私にとって写真とは観察の芸術だ。ありふれた場所で何かおもしろいものを発見することだ。自分が『何を』見ているかというのはあまり関係ない。それを『どのように』見ているか、がすべてである」と述べている。

ウイキペディアによると、「マグナム・フォト(Magnum Photos)」(本部・アメリカ・ニューヨークとフランス・パリ)はハンガリー人写真家のロバート・キャパ(Robert Capa 、1913-1954)の発案により、フランス人の写真家、アンリ・カルティエ=ブレッソン(Henri Cartier-Bresson、1908-2004)、イギリス人の写真家、ジョージ・ロジャー(George Rodger、1908-1995)、ポーランド人の写真家、デビッド・シーモア(David Seymour、1911-1956)らと1947年に創設された報道写真家の集団だ。

2007年に創設60周年を迎え、東京都写真美術館などでドキュメンタリー映画「マグナム・フォト 世界を変える写真家たち」が上映された。2006年9月から12月には、東京・銀座の中央通りで、「マグナム・フォト」の写真家が撮影した「東京」の写真を、タイルにプリントして展示するという試み「銀座フォトグラム2006」を開いている。

「マグナム」の名はシャンパンの大瓶に由来するといわれ、現在ではメンバーの数も50人を超え、イギリス・ロンドンと東京に支社が置かれている。日本人の会員は浜谷浩(はまや・ひろし、1915-1999)と1965年に参加し、1988年に正会員になった久保田博二(くぼた・ひろじ)さんがいる。

エリオット・アーウィットさんは1928年フランス・パリでロシア系の両親の下に生まれ、1939年、11歳の時に家族でアメリカに移住し、ロサンゼルスのカレッジで写真・映画制作を学び、1944年にハリウッドで過ごし、写真現像所で働き、映画スターのブロマイドを制作し、その後、ロサンゼルス・シティー・カレッジに進学、実際に写真を撮り始めた。

1949年にニューヨークで写真家として活動、1951年に徴兵され、陸軍通信隊の一員としてドイツ、フランスなどで写真関連の任務を遂行し、1953年 にハンガリー人写真家のロバート・キャパ(Robert Capa、1913-1954)に推薦され、「マグナム・フォト」に参加、「ライフ」などの雑誌を中心に作品を発表した。

1968年に「マグナム・フォト」の会長に就任し、3期務め、1971年に初のドキュメンタリー映画を制作、この頃より映画と写真の作品を交互に手掛けるようになり、1987年に写真の仕事に戻り、集大成の写真集と写真展の準備に取りかかり、今日まで数多くの写真集を刊行している。1951年に「ライフ」誌の写真コンテストで新人賞、2011年にニューヨークの国際写真センターより功労賞を受賞している。

開場時間は10時30分から18時30分(最終日は17時)。入場料は700円(税込)。日曜日が定休。