ギャルリーためながでリヨン派のJ・フサロ展

【銀座新聞ニュース=2017年2月25日】ギャルリーためなが(中央区銀座7-5-4、03-3573-5368)は2月22日から3月26日までジャン・フサロさんによる個展を開いている。

ギャルリーためながで3月26日まで開かれているジャン・フサロさんの個展に出品される作品。

92歳を迎える、リヨン派の新具象の画家としてフランス・リヨンで現在も制作しているジャン・フサロ(Jean Fusaro)さんの作品およそ50点を展示する。

リヨン派とは、1803年に開設されたリヨン美術館や1807年に創立されたリヨン美術学校などで学んだ、敬虔な宗教心と際立った理想主義、特異な神秘主義的魅力に彩られた画家たちを指す総称だ。リヨンがカトリック復興運動の拠点だったり、フリーメーソンが活発だったことと関連している。そのリヨン派のひとりで、代表的画家がルイ・ジャンモ(Louis Janmot、1814-1892)で、「魂の詩」という連作作品と詩を書いた。

リヨンは絹織物の街であり、花のデザインが盛んで、リヨン美術学校にも花の絵のクラスができるなど、多くの花の絵の画家が誕生し、リヨン派最初の画家ともいえるのがジャン=ミシェル・クロボン(Jean-Michel Crobon、1770-1853)で、オランダ絵画の技法を習得して、身近な人たちの肖像画やリヨン近郊の風景などを描きだした。

1888年にはリヨン美術協会が創立され、1894年にはリヨン万国博覧会が開かれた。リヨン出身の風景画家の代表として知られるのがフランソワ=オーギュスト・ラヴィエ(Francois-Auguste Ravier、1814-1895)だった。その後、20世紀に入ると、リヨン美術学校出身の画家、アンドレ・コタボ(Andre Cottavoz、1922-2012)らとともに、ジャン・フサロさんはリヨン派の新具象と呼ばれた。

ジャン・フサロさんは1925年フランス・マルセイユ生まれ、リヨン美術学校に3年間学び、1951年にマントンのビエンナーレに参加、1953年にフェネオン賞、1957年にマルセーユ市大学賞を受賞、エコール・ド・パリ展に出品した、初期の頃は、南フランスやポルトガル、ベネチアを描いたが、その後、パリをはじめとするフランス各地の街並を独特のタッチで描くようになる。「白を基調とする洗練された色彩を躍動感のある筆勢にのせて描き出す風景は、詩情とリズムに満ち、繊細かつ洒脱な空間を構成している」という。

ローザンヌのトノン・レ・バン校のモザイク壁画やコレットの著作「紳士クラブ」のさし絵などを手がけている。最近は、地方議会の要請により、リヨン近郊にあるサン・ジャック・デザレ教会の壁画を制作した。

開場時間は10時(日曜日、祝日は11時)から19時(日曜日、祝日は17時)まで。入場は無料。