ポーラ銀座で海外研修員展、高木彩、池田光弘、武田裕子、彦坂敏昭

【銀座新聞ニュース=2017年3月3日】ポーラ・オルビスホールディングス(中央区銀座1-7-7、ポーラ銀座ビル、03-3563-5517)が運営するポーラミュージアムアネックス(ポーラ銀座ビル3階、03-3563-5501)は3月3日から26日まで高木彩さん、池田光弘さんらによる「2017-感受と創発」を開いている。

ポーラミュージアムアネックスに3月26日まで展示されるパリ在住の高木彩さんの作品。左側の「リュトピア・ウ・ラ・モール(L’utopie ou la mort、ユートピアか死か)」(2015年)は2015年1月のパリの風刺新聞「シュルリー・エブド」への襲撃事件で亡くなった友人への追悼が込められている。いずれの作品も「アヤグリーン」ともいうべき、独特のグリーンが効果的に使われ、異彩を放っている。

ポーラグループの公益財団法人「ポーラ美術振興財団」が1996年から実施している35歳以下の若手の海外研修を支援する「若手芸術家の在外研修に対する助成」の対象となった若手作家の研修成果を披露するのを目的に毎年、開かれており、2017年で10回目となる。

今回も美術評論家でポーラ美術館館長の木島俊介(きじま・しゅんすけ)さんが作家たちに出品依頼を行っており、「作品は各アーティストの自由な創意に委ねられている。アーティストが対象とする外部世界が、多様な、急進的な変化を見せている現在、アーティストのなすべきことはその混沌とした世界を『感受性 パトス』として求心的に自己の身体に受けとり、作品として世界に創発させることにある」としている。

今回は油彩画家の高木彩(たかぎ・あや)さん、油彩画家の池田光弘(いけだ・みつひろ)さん、日本画の武田裕子(たけだ・ひろこ)さん、 インターネットを活用して、写真を紙面上で新しい風景に描きだす彦坂敏昭(ひこさか・としあき)さんの4人が作品を公開している。3月13日から4月23日まで「繊細と躍動」をテーマに新たに4人が作品を公開する。

高木彩さんは1977年千葉県生まれ、2002年に女子美術大学大学院美術専攻科を修了、福沢一郎(ふくざわ・いちろう)賞、2005年に大村文子(おおむら・ふみこ)基金女子美パリ賞、フランス・パリに滞在、2007年から2010年までパリに文化庁新進芸術家海外研修制度派遣研究員として在住、2011年にポーラ美術振興財団在外研修員として続いてパリで学び、2012年と2015年に野村財団芸術文化助成によりパリで学んでいる。

2007年に「第26回 損保ジャパン美術財団 選抜奨励展」(損保ジャパン東郷青児美術館)に出品、2010年に第8回前田寛治(まえだ・かんじ)大賞展に出品、2011年にイタリア・ベネチアで「体・顔・動き」展に出品、2012年にパリ・デカルト大学で個展、2013年にイタリア・フィレンツェで個展、2015年にパリ・テイラー財団による個展(デカルト大学)で開いた。

池田光弘さんは1978年北海道生まれ、2004年に武蔵野美術大学油絵学科を卒業、2006年に同大学大学院造形研究科美術専攻油絵コースを修了、第21回ホルベイン・スカラシップ奨学生、2013年にポーラ美術振興財団在外研修員としてドイツ・ベルリンで学び、2015年まで引き続きベルリンで学ぶ。

2005年に広島市現代美術館「新・公募展」で優秀賞、2007年に上野の森美術館の「VOCA展2007」で奨励賞を受賞している。現在、武蔵野美術大学非常勤講師。

武田裕子さんは1983年東京都生まれ、1995年に中国・北京に滞在、2007年に東京芸術大学美術学部日本画専攻を卒業、2012年に東京芸術大学大学院文化財保存学専攻保存修復日本画博士後期課程を修了、野村美術賞を受賞、2013年にポーラ美術振興財団の在外研修員として中国で学び、2014年に中国美術学院中国画系花鳥画高級進修生を修了、2015年に東京芸術大学大学院文化財保存学保存修復日本画研究室教育研究助手を務めている。

彦坂敏昭さんは1983年愛知県豊川市生まれ、2005年に京都造形芸術大学情報デザイン学科を卒業、2009年にアメリカのポロック・クラズナー財団賞を受賞し、2015年に公益財団法人ポーラ美術振興財団在外研修員と英国とアイスランドで学んだ。

開場時間は11時から20時。入場は無料。