丸善日本橋で小磯良平展、パリ所縁の島村達彦やピカソらも

【銀座新聞ニュース=2017年3月21日】丸善・日本橋店(中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は3月22日から28日まで3階ギャラリーで「小磯良平とパリ香る画家たち展」を開く。

丸善・日本橋店で3月22日から28日まで開かれる「小磯良平とパリ香る画家たち展」に出品される小磯良平の「ドレスの女(B)」(リトグラフ)。

フランスの「パリがもっとも狂喜していた20世紀初頭」、そこにはパブロ・ピカソ(Pablo Picasso、1881-1973)やシャガール(Marc Chagall、1887-1985)、モディリアーニ(Amedeo C.Modigliani、1884-1920)、ゴッホ(Vincent Willem van Gogh、1853-1890)ら、「後に美術史上の巨匠となる画家たちが集い、刺激し合い、また離れ離れになっていった」という。

そうした時代の中で、近代日本洋画家を代表する小磯良平(こいそ・りょうへい、1903-1988)も、東京芸術大学を卒業するとパリにわたり、その空気の中で画家としての礎を築いた。今回はそんな芸術の都パリを想わせる画家たちの油彩画やパステル画、版画など約70点を展示販売する。

小磯良平のほかに、梅原龍三郎(うめはら・りゅうざぶろう、1888-1986)、安井曽太郎(やすい・そうたろう、1888-1955)、朝井閑右衛門(あさい・かんうえもん、1901-1983)、荻須高徳(おぎす・たかのり、1901-1986)。

三岸節子(みぎし・せつこ、1905-1999)、福本章(ふくもと・しょう、1932-2011)、島村達彦(しまむら・たつお、1922-2004)、絹谷幸二(きぬたに・こうじ、1943年生まれ)さん、奥谷博(おくたに・ひろし、1934年生まれ)さん。

岡野博(おかの・ひろし、1949年生まれ)さん、池田清明(いけだ・せいめい、1951年生まれ)さん、坂口紀良(さかぐち・のりよし、1948年生まれ)さん、島村信之(しまむら・のぶゆき、1965年生まれ)さん、広田稔(ひろた・みのる、1959年生まれ)さん、寺久保文宣(てらくぼ・ふみのり、1964年生まれ)さんら。

海外ではピカソ、シャガールのほか、ラウル・デュフィ(Raoul Dufy、1877-1953)、ベルナール・ビュッフェ(Bernard Buffet、1928-1999)、ポール・アイズピリ(Paul Aizpiri、1919-2016)、ジャン・ピエール・カシニョール(Jean Pierre Cassigneul、1936年生まれ)さん、コタボ(Andre Cottavoz、1922-2012)ら。

ウイキペディアによると、小磯良平は1903年兵庫県神戸市生まれ、1928年に東京美術学校(現東京芸術大学)西洋画科を卒業、在学中の1925年に「兄妹」で帝展入選、1926年に「T嬢の像」で帝展特選、卒業後の1928年にフランスに留学、1936年に帰国、「新制作派協会」(現新制作協会)の結成に加わり、1938年から1年間、陸軍省嘱託の従軍画家として中国に渡り、帰国後戦争画を描いた。

1941年に群像画「娘子関を征く」(第1回芸術院賞)と「斉唱」を相次いで発表、群像を書くため精力的に戦争画に取り組むが、戦後は画集に収録しなかった。戦後は東京芸術大学教授を務め、定年退官後に、迎賓館(赤坂)大広間の壁画「絵画」と「音楽」を制作した。1992年に創設された「小磯良平大賞展」は国内最高賞金の公募展となっている。1979年に文化功労者、1982年に日本芸術院会員、1983年に文化勲章などを受賞している。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日は17時)まで。入場は無料。