ポーラ銀座で海外研修員展、中原一樹、秋吉風人、藤原絵里佳ら

【銀座新聞ニュース=2017年3月31日】ポーラ・オルビスホールディングス(中央区銀座1-7-7、ポーラ銀座ビル、03-3563-5517)が運営するポーラミュージアムアネックス(ポーラ銀座ビル3階、03-3563-5501)は3月31日から4月23日まで鈴木ヒラクさん、中原一樹さんらによる「2017-繊細と躍動」を開いている。

今回監修した木島俊介さん(右から1人目)と、今回、作品を展示している若手作家3人、左から藤原絵里佳さん、鈴木ヒラクさん、秋吉風人さん。後に飾られているのは鈴木さんの墨汁を使った作品。

ポーラグループの公益財団法人「ポーラ美術振興財団」が1996年から実施している35歳以下の若手の海外研修を支援する「若手芸術家の在外研修に対する助成」の対象となった若手作家の研修成果を披露するのを目的に毎年、開かれており、2017年で11回目となる。

今回も美術評論家でポーラ美術館館長の木島俊介(きじま・しゅんすけ)さんが作家たちに出品依頼を行っており、「作品は各アーティストの自由な創意に委ねられている。アーティストそれぞれは、現在というこの多様性と急進性の世界に生きつつそれを自己の身体に受け取っているのだが、その受容は創作として世界に返還されることで、この世界にひとつの場(トポス)を得るのであろう」としている。

ラオスで制作している藤原絵里佳さんの陶器。釉薬を使わず、低温で焼成した作品で、「何に使われるとかを考えてなくて・・・」と不思議な大きな焼き物で、巨大な花瓶とも思える作品(後)は、日本に持ってくる途中で一部欠けてしまった。2つの陶器をヒモで結んだ作品など、将来の可能性を感じさせるものも展示されている。

今回は、平面、インスタレーション、壁画、彫刻などを制作する鈴木ヒラク(すずき・ひらく)さん、ドローイング、銅版画家、書家の中原一樹(なかはら・かずき)さん、画家の秋吉風人(あきよし・ふうと)さん、陶磁器作家の藤原絵里佳(ふじわら・えりか)さんが出品する。

鈴木ヒラクさんは1978年宮城県仙台市生まれ、神奈川県育ち、2001年に武蔵野美術大学映像学科を卒業、2008年に東京芸術大学大学院美術研究科を修了、2009年に財団法人「東京都歴史文化財団」の助成により、オーストラリア・シドニーのアートスペース・シドニー(Artspace Sydney)に滞在、2011年に財団法人「東京都歴史文化財団」の助成により、英国チェルシー・カレッジ・オブ・アーツに滞在、同年にアジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)フェローシップでアメリカ・ニューヨークに滞在した。

2012年に公益財団法人「ポーラ美術振興財団」の在外研修員としてドイツ・ビルリンで学び、2017年に「インターナショナル・FIDプライズ・ドローイング・コンテスト(The international FID Prize drawing contest)」でグランプリを受賞している。

中原一樹さんは1980年香川県生まれ、2000年に横浜市立大学商学部経済学科に入学し、2003年から2004年にオーストリア・ウィーン大学美術史学部に留学、2005年に横浜市立大学商学部経済学科国際社会コースを卒業、同年10月にドイツ・ベルリンのヴァイセンゼー芸術大学絵画科に留学、2010年に同大学を卒業、2011年に同大学絵画科マイスターシューラーを修了した。

2012年にベルリンのクンストラウム・ベタニエンでマルト・スタム賞、公益財団法人「野村財団」により芸術文化助成を受けてフランスに滞在し、2013年に公益財団法人「ポーラ美術振興財団」の在外研修員として英国に滞在している。2008年から前衛書家グループ「奎星会」の奎星展に出品し、2009年に特選を受賞している。

秋吉風人さんは1977年大阪府生まれ、2001年に名古屋芸術大学美術学部絵画科洋画コースを卒業、2003年に同大学大学院美術研究科同時代表現研究を修了、2010年に公益財団法人「吉野石膏美術振興財団」の在外研修員としてドイツ・ベルリンに滞在し、2011年に文化庁の新進芸術家海外研修制度派遣研修員としてベルリンに滞在し、2013年に公益財団法人「ポーラ美術振興財団」在外研修員としてベルリンに滞在している。

藤原絵里佳さんは1984年愛媛県松山市生まれ、2006年に愛媛大学教育学部芸術文化課程造形芸術コース(工芸/陶磁専攻)を卒業、2008年に金沢美術工芸大学大学院工芸研究科工芸専攻陶磁コース修士課程を修了、2010年に金沢卯辰山工芸工房を修了、2013年に公益財団法人「ポーラ美術振興財団」の在外研修員としてラオスに滞在している。

2008年に第46回朝日陶芸展で入選、2009年に第65回金沢市工芸展で入選(2010年に金沢市工芸協会会長奨励賞)、金沢卯辰山工芸工房研修者作品展で金沢卯辰山工芸工房賞などを受賞している。

開場時間は11時から20時。入場は無料。