トリップ神社2017、1位伊勢神宮、2位高野山、3位厳島とトップ3同じ

【銀座新聞ニュース=2017年5月22日】大手旅行サイトのトリップアドバイザー(渋谷区恵比寿4-20-3、恵比寿ガーデンプレイス、03-4510-3100)はこのほど、「旅好きが選ぶ!日本の神社仏閣ランキング2017」を発表した。

トリップアドバイザーの「旅好きが選ぶ!日本の神社仏閣ランキング2017」で1位に選ばれた伊勢神宮(画像は投稿写真)。

「日本の神社仏閣ランキング」は2016年からはじめられたランキングで、今回は2016年1月から12月の1年間に投稿された日本国内の神社仏閣や聖地、霊場に対する口コミを、評価点(5段階) や投稿数などをもとに、独自のアルゴリズムて集計し、国内の神社仏閣や聖地、霊場などを旅先としての満足度でランキング化している。日本には約8万カ所の神社と7万7000カの寺院があるとされている。

1位には、2013年の式年遷宮後も引き続き人気となっている「伊勢神宮」(三重県、伊勢神宮外宮の評価も合算)が選ばれ、2位に2015年に開山1200年を迎え、大法会や特別開帳などのイベントも行われた「高野山」(和歌山県、金剛峯寺、高野山奥之院、高野山壇上伽藍の評価を合算)が、3位には世界遺産登録20年を迎える「厳島神社」(広島県)と、2016年のランキングと同じだった。

上位30カ所のランキング全体では、京都府がもっとも多く8カ所(2016年は10カ所)が30位以内に入り、奈良県から5カ所(5カ所)が選ばれた。また、西日本からのランクインが23カ所(26カ所)と2016年と同様に西高東低だった。

2位の高野山(画像は投稿写真)。

さらに、茨城県、大分県、神奈川県、静岡県、宮崎県の5県にある施設が新たにランクインした。

1位の伊勢神宮については、「何度ここを訪れたかわかりませんが、いつ来ても心洗われる場所です。他の場所では鳥居をくぐるときに一礼する日本人が少なくなっていますが、ここでは多くの方が礼を重んじ、秩序ある行動を取っています。忘れかけている何かがここにはあり、日本人なら一度は訪れて頂きたい場所です」という投稿が寄せられている。

2位の高野山については、「世界遺産といっても派手に観光地化されておらず、厳かな信仰の場が今現在でも保たれていると感じました。もちろん観光バスやインバウンドが多いのも事実ですが、苔むした奥の院やその空気感を体感すると、自然と心安らかに感じられることが不思議です」との口コミが投稿されている。

3位の厳島神社については、口コミでは「干潮時には鳥居のすぐ近くまで徒歩で近づくことができることがよいですが、やはり満潮時の海に浮かぶ鳥居は美しいものでした。神社内もやはり満潮時の方が海に浮いているような感じでとても心に残っています。帰りは夕日に映える鳥居がより一層きれいに見えました。時間があえば夕日の時間に参拝することをお勧めします」との投稿があった。

3位の厳島(画像は投稿写真)。

ウイキペディアによると、伊勢神宮は太陽を神格化した天照坐皇大御神(あまてらし・ますすめ・おおみかみ、天照大御神=あまてらす・おおみかみ)をまつる皇大神宮(こうたいじんぐう)の「内宮(ないくう)」が第11代天皇にあたる垂仁天皇(すいにん・てんのう、紀元前69-紀元後70)26年(紀元前4年)。

衣食住の守り神である豊受大御神(とようけの・おおみのかみ)をまつる豊受大神宮(とようけ・だいじんぐう)「外宮(げくう)」が雄略天皇(ゆうりゃく・てんのう、419-479)22年(478年)に創建され、皇室の氏神として、天皇以外の奉幣(ほうへい、天皇の命により、神社・山陵などに幣帛=へいはく、捧げ物=を奉献すること)が禁止されていた。

明治天皇(めいじてんのう、1852-1912)が在位中の天皇としては1000年ぶりに参拝し、大日本帝国政府により全国神社の頂点の神社として位置付けられ、大東亜戦争(1941年から1945年)後は、宗教法人「神社本庁」発足により、全国神社の本宗とされ、内宮前に「神宮司庁」がある。

1967年に首相(当時)の佐藤栄作(さとう・えいさく、1901-1975)が参拝して以来、現職内閣総理大臣と農水大臣が主に1月4日の仕事始めに参拝するのが慣例となっている。

伊勢神宮において行われる式年遷宮(定期的に行われる遷宮)は原則として20年ごとに、内外両宮の正宮の正殿を始めとする別宮以下の諸神社の正殿を造替して神座をうつし、宝殿、外幣殿、鳥居、御垣など計65棟の殿舎といった全社殿を造替する他、装束・神宝、宇治橋なども造り替える。

飛鳥時代に天武天皇(てんむ・てんのう、631-686)が定め、持統天皇(じとう・てんのう、645-703)4年(690年)に第1回が行われた。その後、戦国時代の120年以上に及ぶ中断や幾度かの延期などはあったものの、1993年の第61回式年遷宮まで、およそ1300年間行われ、2013年には第62回式年遷宮が行われた。

高野山は平安時代の819年頃より空海(くうかい、774-835)が修行の場として開いた高野山真言宗の金剛峯寺(こんごうぶじ)の寺院で、比叡山と並び日本仏教における聖地とされている。現在は「壇上伽藍」と呼ばれる根本道場を中心とする宗教都市を形成している。山内の寺院数は高野山真言宗総本山金剛峯寺(山号は高野山)をはじめ117カ寺に及び、その約半数が宿坊を兼ねている。

地名としては、八葉の峰(今来峰=きんらいほう、宝珠峰=ほうじゅほう、鉢伏山=はちぶせやま、弁天岳=べんてんだけ、姑射山=こやさん、転軸山=てんじくさん、楊柳山=ようりゅうさん、摩尼山=まにさん)と呼ばれる峰々に囲まれた盆地状の平地の地域を指し、転軸山、楊柳山、摩尼山の3山は「高野三山」と呼ばれる。2004年7月7日に高野山町石道と山内の6つの建造物が熊野、吉野・大峯と共に「紀伊山地の霊場と参詣道」としてユネスコの世界遺産に登録された。

厳島神社は推古天皇元年(593年)に地方の有力豪族・佐伯鞍職(さえきの・くらもと、生没年不詳)が社殿造営の神託を受け、勅許を得て御笠浜に市杵島姫命(いちきしまひめ)を祀る社殿を創建したことに始まるとされている。「イツクシマ」という社名も「イチキシマ」が転じたものとする説がある。

厳島神社の鎮座する厳島(宮島)は「神に斎く(いつく=仕える)島」という語源から、古代から島そのものが神として信仰されたと考えられている。厳島中央の弥山(標高535メートル)山頂には巨石が連なっており、山岳信仰の対象であったとされる。厳島は一般に「安芸の宮島」とも呼ばれ日本三景の1つに数えられている。

厳島神社は平家からの信仰で有名で、平清盛(たいらの・きよもり、1118-1181)により現在の海上に立つ大規模な社殿が整えられた。社殿は現在、本殿、拝殿、回廊など6棟が国宝に、14棟が重要文化財に指定されている。そのほか、平家の納めた平家納経を始めとした国宝、重要文化財の工芸品を多数納めている。

戦国時代に社勢は徐々に衰退するが、毛利元就(もうり・もとなり、1497-1571)が1555年の厳島の戦いで勝利を収めて厳島を含む一帯を支配下に置き、厳島神社を崇敬するようになると再び隆盛し、毛利元就が大掛かりな社殿修復を行なった。江戸時代には厳島詣が民衆に広まり、門前町や周囲は多くの参拝者で賑わった。明治維新後、神仏分離により大聖院(旧別当寺)、大願寺といった寺院が独立し、1871年に近代社格制度において国幣中社に列し、1911年に官幣中社に昇格した。

また、厳島神社の平舞台(国宝:付指定)は日本三舞台の1つに数えられるほか、海上に立つ高さ16メートルの大鳥居(重要文化財)は日本三大鳥居の1つである。また、夏に行われる例祭は「管絃祭」として知られる。1996年12月にユネスコの世界文化遺産に登録されている。

日本の神社仏閣ランキング2017上位20カ所(カッコ内は2016年順位、初は初登場)
1位 (1) 伊勢神宮   (三重県伊勢市)
2位 (2) 高野山   (和歌山県高野町)
3位 (3) 厳島神社   (広島県廿日市市)
4位 (11)東大寺    (奈良県奈良市)
5位 (5) 出雲大社   (島根県出雲市)
6位 (19)伏見稲荷大社(京都府京都市)
7位 (7) 羽黒山   (山形県鶴岡市、羽黒山五重塔と出羽神社も合算)
8位 (15)書写山円教寺(兵庫県姫路市)
9位 (27)三峰神社  (埼玉県秩父市)
10位(初)銀閣寺   (京都府京都市)
11位(4) 三十三間堂 (京都府京都市)
12位(18)興福寺   (奈良県奈良市)
13位(23)瑠璃光寺  (五重塔、山口県山口市)
14位(24)東寺     (京都府京都市)
15位(初)金閣寺    (京都府京都市)
16位(初)鵜土神社  (宮崎県日南市)
17位(5) 禅林寺永観堂 (京都府京都市)
18位(22)仁和寺    (京都府京都市)
19位(13)大神神社  (奈良県桜井市)
20位(初)龍潭寺   (静岡県浜松市)