ピカデリー「家族はつらいよ2」、橋爪功、吉行和子ら舞台挨拶

【銀座新聞ニュース=2017年5月21日】松竹(中央区築地4-1-1、東劇ビル、03-5550-1533)は5月27日から丸の内ピカデリー(千代田区有楽町2-5-1、有楽町マリオン9階、03-3201-2881)で一般公開する「家族はつらいよ2」の初日に、橋爪功さん、吉行和子さんらによる舞台あいさつを開く。

5月27日から一般公開される「家族はつらいよ2」((C)2017「家族はつらいよ2」製作委員会)。

27日9時の回上映終了後に、監督の山田洋次(やまだ・ようじ)さんをはじめ、父親「平田周造」役の橋爪功(はしづめ・いさお)さん、平田周造の妻「平田富子」役の吉行和子(よしゆき・かずこ)さん、平田周造の長男「平田幸之助」役の西村雅彦(にしむら・まさひこ)さん、平田幸之助の妻「平田史枝」役の夏川結衣(なつかわ・ゆい)さん。

平田周造の長女「金井成子」役の中嶋朋子(なかじま・ともこ)さん、金井成子の夫「金井泰蔵」役の林家正蔵(はやしや・しょうぞう)さん、平田周造の次男「平田庄太」役の妻夫木聡(つまぶき・さとし)さん、平田庄太の恋人「間宮憲子」役の蒼井優(あおい・ゆう)さん、鰻屋役の徳永(とくなが)ゆうきさん、平田幸之助の長男「平田謙一」役の中村鷹之資(なかむら・たかのすけ)さん、平田周造の同級生「丸田吟平」役の小林稔侍(こばやし・ねんじ)さんが舞台に登場してあいさつする。

「家族はつらいよ2」は山田洋次さんの86本目の作品で、脚本は山田洋次さんと平松恵美子(ひらまつ・えみこ)さんが共同執筆し、山田洋次さんの「東京家族」で一家を演じた橋爪功さん、吉行和子さん、妻夫木聡さん、蒼井優さんら8人の「家族はつらいよ」の平田家のメンバー再結集して現代に生きる新たな一家として、前作から数年後の平田家で巻き起こる新たな騒動が描かれる。

「家族はつらいよ」は2016年3月に公開され、観客動員人数120万人、興行収入13億8000万円を記録した。前作が「熟年離婚」がテーマだったが、今回は「無縁社会」がテーマで、山田洋次さんは「ある登場人物の悲しい人生、昔は格好良くて、女の子からもモテ、一生懸命働き、順調だったはずの男が、バブルの時代を越えて、どんどん生活が苦しくなり、滑り台を滑るように最後まで行ってしまう、そんな悲しい『死』を目の当たりにすることで、自分たちの幸せに改めて気づき、家族が新たな絆を作っていく、そんなお話」としている。

物語は周造がマイカーでの外出をささやかな楽しみにしているが、車に凹み傷が目立ち始めたことから高齢者の危険運転を心配した家族が、周造から運転免許を返上させようと画策するところからはじまる。しかし、頑固オヤジの周造を説得するイヤな役回りを互いになすりつけ合う家族たちの心を見透かした周造は大激怒してしまう。

平田家が不穏な空気に包まれる中で、ある日、富子が旅行に出かけることになり、つかの間の独身貴族を楽しむ周造は、お気に入りの居酒屋の女将かよ(風吹ジュン=ふぶき・じゅん=さん)を乗せて車を走らせる。その途中、高校時代の同級生・丸山と意外なかたちで再会を果たすが、直後に交通事故を起こしてしまう。

ウイキペディアによると、山田洋次さんは1931年大阪府豊中市生まれ、南満州鉄道のエンジニアだった父親の勤務のため、2歳で満州に渡り、少年期を過ごし、1947年に大連から日本に引き揚げ、1954年に東京大学法学部を卒業して松竹に補欠入社、野村芳太郎(のむら・よしたろう、1919-2005)作品の脚本、助監督を務め、1961年に「二階の他人」で監督デビューした。

松竹ではヌーベルバーグが活躍していた時代にあって、松竹大船調路線の後継者として「下町の太陽」や「馬鹿まるだし」などのコメディを中心とした作品で企業内監督の道を歩み、1969年に「男はつらいよ」を監督し、観客動員が地味だったが、評判を呼び、その後、27年間に全48作が制作される大ヒットシリーズとなった。

1969年に芸術選奨文部大臣賞、その後、2、3年おきに「家族」や「同胞」などを手がけ、高い評価と手堅い成績を収め、1972年に菊池寛(きくち・かん)賞、2002年に藤沢周平(ふじさわ・しゅうへい、1927-1997)原作の「たそがれ清兵衛」を制作、アメリカの「第76回アカデミー賞」外国語映画部門にノミネートされた。

2004年に藤沢周平原作の時代劇「隠し剣 鬼の爪」で「第7回ジンバブエ国際映画祭」最優秀作品賞を受賞、同年に横綱審議委員、文化功労者、2008年に芸術院会員、2012年に文化勲章を受賞した。財団法人「いわさきちひろ記念事業団」理事長、関西大学大学院文学研究科、立命館大学映像学部の客員教授、文化学院の特別講師。妻は「平塚らいてうの記録映画を上映する会」副会長を務めた山田よし恵(やまだ・よしえ、1932-2008)。

チケットは劇場窓口と劇場HPで発売しており、料金は一般1800円、大学生1500円、高校生、中学生、子ども、障がい者1000円、シニア1100円。