永谷商事が宝井一凜と白山神社あじさい祭と八百屋お七散歩

【銀座新聞ニュース=2017年6月9日】永谷商事(武蔵野市吉祥寺本町1-20-1、0422-21-1796)が運営する「お江戸日本橋亭」(中央区日本橋本町3-1-6、日本橋永谷ビル1階、03-3245-1278)は6月16日に宝井一凜さんによる「講釈師と一緒に歩く歴史と文化の散歩ラリー」を開く。

永谷商事が6月16日に開く「講釈師と一緒に歩く歴史と文化の散歩ラリー」で「白山神社あじさい祭」を案内する宝井一凜さん。

「講釈師と一緒に歩く歴史と文化の散歩ラリー」は永谷商事が毎月数回開催している講談師が史跡を案内するイベントで、今回は真打の講談師、宝井一凜(たからい・いちりん)さんが「白山神社あじさい祭」を案内し、その後、お江戸日本橋亭で宝井一凜さんらの「日本橋お江戸寄席」を鑑賞する。

今回、案内するコースは「大円寺(ほうろく地蔵)」(文京区向丘1-11-3、03-3813-1321)から「円乗寺(八百屋お七の墓)」(文京区白山1-34-6、03-3812-7865)をまわり、「小石川植物園」(文京区白山3-7-1、03-3814-0138、入園料330円)を歩いて、その後、お江戸日本橋亭に移動し、昼食後に日本橋お江戸寄席となる。

6月の「文京あじさいまつり」は「文京花の五大まつり」のひとつで、ほかに2月頃の「文京梅まつり」、3月下旬から4月上旬頃の「文京さくらまつり」、4月から5月頃の「文京つつじまつり」、6月頃の「文京あじさいまつり」、11月頃の「文京菊まつり」を「文京花の五大まつり」という。

2017年の「文京あじさいまつり」は6月10日から18日までで、約3000株のあじさいが、白山神社の境内から白山公園にかけて咲き、土曜日と日曜日を中心にさまざまなイベントが予定されている。11日と18日の日曜日には歯痛止め信仰で知られる白山神社で「歯ブラシ供養」が行われる。

大円寺は1597年に石河勝政(いしこ・かつまさ、1577-1659)の開基、久山正雄(くやま・まさお)の開山により神田柳原に創建され、1649年に現在地に移された。昭和の初め、高村光雲(たかむら・こううん、1852-1934)によって七観音の尊像が造立されたが、戦災で焼失し、後に門下生によって復元された。

ほかに織田秀雄(おだ・ひでかつ、1583-1610)の供養塔や、石河、北畠、星合、依田などの墓が現存している。八百屋お七(やおやおしち、1668-1683)との縁のある寺で、山門真正面にある「ほうろく地蔵(ほうろくとは素焼きの土鍋のことで、放火をしたお七のために熱くされた)」は八百屋お七ゆかりの地蔵とされ、1719年に建てられている。

円乗寺は天台宗の寺院で、天正年間(1573年から1592年)に円栄(えんそう)によって創建されたと伝えられている。八百屋お七の家がこの寺の檀家で、境内にはお七の墓がある。寛政年間(1789年から1801年)にお七役で名を馳せた4代目岩井半四郎(いわい・はんしろう、1747-1800)によって建立された。

小石川植物園は東京大学大学院理学系研究科付属植物園で、植物に関するさまざまな研究を行っている。国指定名勝および史蹟で、東京都指定旧跡に指定されている。江戸時代に人口が増加しつつあった江戸で暮らす人々の薬になる植物を育てる目的で、1638年に麻布と大塚に南北の薬園が設置されたが、大塚の薬園は廃止され、1684年に麻布の薬園を5代徳川綱吉(とくがわ・つなよし、1646-1709)の小石川にあった別邸に移設したものがこの小石川御薬園だ。

その後、8代徳川吉宗(とくがわ・よしむね、1684-1751)の時代になり、敷地全部が薬草園として使われ、1722年に将軍への直訴制度として設置された目安箱に町医師小川しょう船(おがわ・しょうせん、1672-1760)の投書で、江戸の貧病人のための「施薬院」設置が請願されると、江戸町奉行の大岡忠相(おおおか・ただすけ、1677-1752)に命じて検討させ、御薬園内に診療所を設けた。これが小石川養生所だ。

明治期に入ると、東京帝国大学が1877年に開設され、同大学理科大学(現・理学部)の付属施設となり、広く一般植物などを多種そろえた植物学の研究施設として生まれ変わり、一般にも公開された。1897年には本郷キャンパスにあった植物学教室が小石川植物園内に移転し、講義棟も建設され、植物学に関する講義も行われることになった(1934年に植物学教室は本郷に再移転)。

1998年より、現在のように大学院理学系研究科の付属施設となり、毎年5月に理学系研究科・理学部の学生・教職員交歓会が開かれている。2012年9月19日に「小石川植物園(御薬園跡及び養生所跡)」として国の名勝および史跡に指定された。

宝井一凜さんは東京都立川市生まれ、1999年に8年のフリーライターを経て、田辺一鶴(たなべ・いっかく、1929-2009)に入門、2000年に前座、2005年に「二ツ目」、2010年に宝井琴梅(たからい・きんばい)さんの門下へ移籍し、亭号を「田辺」より「宝井」に改め、2013年10月に「真打」に昇進している。岩手県奥州大使、昭島市観光親善大使などを務めている。

時間は10時から16時で、10時に都営三田線白山駅A2出口改札前に集合し、昼までにお江戸日本橋亭に戻り、午後から日本橋お江戸寄席となる。料金は弁当、飲み物、寄席代を含めて3000円で、交通費や別途入館料などがかかる場合は自己負担となる。申し込みは永谷商事まで。