DD松村社長がM&A加速で21年2月期にも年商1000億円に、店舗も800店に

【銀座新聞ニュース=2017年6月5日】首都圏、大阪圏を中心にレストラン事業を展開するダイヤモンドダイニング(9月1日に「DDホールディングス」に変更予定、港区芝4-1-23、三田NNビル、03-6858-6080)の社長の松村厚久さんは6月5日夕の記者会見後に、銀座新聞ニュースに対して、年商1000億円(連結ベース)を2020年2月期から2021年2月期に達成したいとの見通しを明らかにした。

6月5日に共同で会見した、左から貞広一鑑さん、松村厚久さん、稲本健一さん。

5日に松村厚久(まつむら・あつひさ)さんはバグースプレイス店(中央区銀座2-4-6、銀座Velvia館、03-5524-3991)で、連結子会社化した名古屋と首都圏を中心にレストラン事業を展開するゼットン(目黒区中目黒1-1-71、KN代官山、03-5773-4317)の社長の鈴木伸典(すずき・しんすけ)さん、6月1日付で完全子会社化したノンアルコール店や主に中国地方で飲食店を運営する商業芸術(渋谷区代官山町1-6、広田代官山ビル、03-5459-7447)の社長の貞広一鑑(さだひろ・かずみ)さんとバグースプレイス店(中央区銀座2-4-6、銀座Velvia館、03-5524-3991)で共同会見した。

また、ダイヤモンドダイニングは5月26日の株主総会でゼットンの創業者で会長だった稲本健一(いなもと・けんいち)さんが海外統括担当の取締役に就任(5月25日にゼットンの会長を退任)し、会見に同席した。

ダイヤモンドダイニングは2月28日までにゼットンの株式の42%を所有し、商業芸術については6月1日に18億1000万円で全株式(65万7000株)を取得し、2社を子会社化したことなどにより、2018年2月期の売上高が前期比45.9%増(2017年2月期305億円)の445億円、営業利益が同9.7%増(同16億円)の18億円、経常利益が同18.5%増の17億円(14億円)、純利益が同8.0%増(同6億円)の7億円を見込んでいる。

店舗数はダイヤモンドダイニンググループが277店(2017年5月末)、ゼットンが82店(同)、商業芸術は83店(結婚式場1店、美容室2店を含む、2017年3月末現在)を運営しており、計442店になる。会見後に、松村厚久さんは年商1000億円について「2020年2月期から2012年2月期には達成したい」と語り、店舗数としては「800店舗ぐらい」と語った。売上高で2.2倍、店舗数で8割増にする考えだ。

稲本健一さんはダイヤモンドダイニンググループとして、アメリカ・ハワイに6店あり、今夏に和食店とハワイの食材を使った「アイランド・フレンチ」の2店舗を開店し、2018年2月期に年商20億円になる見通しで、さらにアメリカの東海岸か西海岸に出店する計画で、年商1000億円達成時には海外売上高については約50億円をめざす。

こうした業績の大幅拡大にはM&Aを加速させる必要があるが、今回の商業芸術については、貞広一鑑さんは証券会社に上場審査を受けており、4月にも株式公開する予定だった。しかし、共通の知人を通して松村厚久さんが、貞広一鑑さんに会合を持ちかけ、今春に銀座のバグースプレイス店で実現した。

「店舗を増やしても気持ちが燃えない、ワクワクしない」という鬱屈した状態が続いていた貞広一鑑さんが席で待っていて、近づいてきた「松村さんを見て、胸にこみ上げるものが出てきて」、ダイヤモンドダイニングへの株式譲渡が決まったという。

松村厚久さんは「人がすべてで、貞広さんも店のスタッフもすばらしい」と思ったことが、そのまま商業芸術の完全子会社化につながった。ただ、貞広一鑑さんは「偏屈な人」(稲本健一さん)で、自ら「シナジー効果には関心がない」というほど、ダイヤモンドダイニンググループ入りしても、自らの経営方針を変更する考えはないことを明らかにした。

ゼットンはすでにダイヤモンドダイニングの役員を受け入れており、ダイヤモンドダイニングのポイントカードのDDマイルも47店で使えるようにし、営業数値管理の統一化、メニューのブラッシュアップにも取り組んでいる。

注:「貞広一鑑」の「広」と「商業芸術」の「芸」はいずれも正しくは旧漢字です。