丸善丸の内で沢岡泰子「記憶の風景」展、木のリトグラフ

【銀座新聞ニュース=2017年6月12日】大手出版流通会社の丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)グループの丸善・丸の内本店(千代田区丸の内1-6-4、丸の内オアゾ内、03-5288-8881)は6月14日から20日まで4階ギャラリーで沢岡泰子さんによる木版リトグラフ作品展「記憶の風景シリーズより」を開く。

丸善・丸の内本店で6月14日から20日まで開かれる沢岡泰子さんの「記憶の風景」に展示される「記憶の風景-149」。

日本で生まれた木のリトグラフ「モクリト(MOKURITO)」で30年以上も描いている版画家の沢岡泰子(さわおか・やすこ)さんが手近な版材を自在に使い、2011年から制作を続けている「記憶の風景」シリーズの約150点の中から、新作を中心に数十点を展示する。

木のリトグラフは1936年東京都生まれ、東京芸術大学を卒業し、多摩美術大学教授(現在名誉教授)だった小作青史(おざく・まさし)さんが考案した技法で、木にリトグラフの方法で油性材料で描画したり、彫刻刀で彫りを入れたりして製版する。リトグラフの自由な描画と、木版ならではの木目を生かした絵が描けるのが特徴とされている。

通常のリトグラフ用インクよりも柔らかめのインクで刷ることができるため、木版プレス機で刷る以外にもバレンを使ったり、足で踏んで圧をかけて刷ったりできる。

沢岡泰子さんは1932年北海道旭川市生まれ、1962年に女子美術大学芸術学部を卒業、1962年から1969年まで日立製作所、松下電器産でプロダクトデザイナーとして、家電製品のデザインを手がけ、1971年からグループ展、個展に参加、した。

1985年にアメリカ・ニューメキシコ工科大学で金属造形クラスを指導、ニューメキシコ市で個展、1992年にフランス・パリで個展、2004年と2005年にポーランド・ワルシャワで個展、2008年にイタリアで「木のリトグラフ25人展」に参加した。現在、日本美術家連盟会員、日本画協会会員。

開場時間は9時から21時(最終日は17時)まで。入場は無料。

注:「沢岡泰子」の「沢」は正しくは旧漢字です。