ヤマハ銀座でベーゼンドルファー展、岩崎洵奈、山口友由実ら演奏

【銀座新聞ニュース=2017年6月25日】大手楽器メーカー、ヤマハグループのヤマハミュージックジャパン(港区高輪2-17-11、03-5488-5443)は6月26日から7月23日までヤマハ銀座店(中央区銀座7-9-14)1階で「ウィーンが誇る至高のピアノ-ベーゼンドルファー」を開く。

6月26日から7月23日までヤマハ銀座店で開かれる「ウィーンが誇る至高のピアノ-ベーゼンドルファー」で展示されるクリムトの絵が描かれている「『ウーマン・イン・ゴールド(Woman in Gold)』モデル(Model)200」。

オーストリアのピアノメーカーで、ヤマハの子会社、「ベーゼンドルファー(L.Bosendorfer Klavierfabrik)」社製のピアノを3期に分けて展示する。また、連動企画として、ピアノ奏者による生演奏や試弾会を開く。

6月26日から7月6日まで展示されるのはピアノの屋根の内側に、オーストリアの画家、グスタフ・クリムト(Gustav Klimt、1862-1918)の作品「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像1(Woman in Gold)」の原画を忠実に再現した「『ウーマン・イン・ゴールド(Woman in Gold)』モデル(Model)200」を展示する。「ベーゼンドルファー」では、クリムトモデル1作目の「接吻」に続き、6月に2作目として世界で25台を発売したピアノで、譜面台や脚の上部にも金箔を使用している。

7日から16日がウィーンにある「ヨハン・シュトラウス記念館」に保管・展示されているピアノを復刻した「ヨハン・シュトラウス(Johann Strauss2、1825-1899)モデル(Model)200」を展示する。ヨハン・シュトラウス2世はベーゼンドルファーを愛用し、ヨハン・シュトラウス2世が1867年に作曲した「美しく青きドナウ」は、オーストリアの第2国歌と称されている。

同じく「ハミングバード モデル200」。

17日から23日が栄華の象徴として、ウィーンの王宮の装飾に施されてきた寄木細工の技法と、神聖ローマ皇帝のフランツ1世(Franz1、1708-1765)の皇后、マリア・テレジア(Maria Theresia、1717-1780)が選んだイエローの外観が印象的なハプスブルク家の夏の離宮、シェーンブルン宮殿(Schloss Schonbrunn)に見られるエキゾチックな絵柄をモチーフにした2013年に9台限定で発売された「ハミングバード モデル(Model)200」を展示する。

ウイキペディアによると、「ベーゼンドルファー(L.Bosendorfer Klavierfabrik)」はスタインウェイ、ベヒシュタインと並んでピアノの御三家といわれる。1828年にオーストリア・ウィーンでイグナーツ・ベーゼンドルファー(Ignatz Boesendorfer、1794-1859)により創業され、各国の帝室や王室の御用達に選ばれ、産業博覧会で入賞したこともあり、名声を高めた。

創業当時、オーストリアには200を超えるピアノメーカーがあったといわれているが、現在も残っているのは「ベーゼンドルファー」のみ。1839年に当時のオーストリア皇帝、フェルディナント1世(Ferdinand 1、1793-1875)から初の「宮廷および会議所ご用達のピアノ製造者」との称号を授けられている。

第2次世界大戦(1939年から1945年)後に経営難に陥り、アメリカの会社に買収されたが、2002年にオーストリアの銀行グループ、バワグ(BAWAG P.S.K.)が経営権を取得、オーストリアに復帰した。しかし、2007年に再び経営難に陥り、2008年にヤマハがオーストリアの工場を残す条件で買収した。ベーゼンドルファーは伝統的な工法により、創業から今日までで約5万台を製作し、現在は年間約300台を生産している。

「ベーゼンドルファー」のピアノはフランツ・リスト(Franz Liszt、1811-1886)の激しい演奏に耐え抜いたことで多くの演奏家の支持を得たとされ、長らく「スタインウェイ」と人気を二分した。

その中で最上位機種「モデル290インペリアル」は、標準88鍵盤の下に4組から9組の弦が張られ、最低音を通常よりも長6度低いハ音とした完全8オクターブ、97鍵の鍵盤を持つピアノとして知られている。イタリアの作曲家、フェルッチョ・ブゾーニ(Ferruccio Busoni、1866-1924)の要望といわれている。

7月1日と2日は無料のミニコンサートとサロンコンサートを開く。定員は40人で先着順。いずれも事前の申し込みが必要で、ヤマハミュージックジャパンプレミアムピアノ推進室ベーゼンドルファー・ジャパン(03-6681-5189)に申し込む。
1日13時から1階で岩崎洵奈(いわさき・じゅんな)さんによる「ウーマン・イン・ゴールドモデル200」を使用した「ベーゼンドルファーミニコンサート」を開く。

16時から6階コンサートサロンで岩崎洵奈さんによる「モデル290インペリアル」を使用した「ベーゼンドルファーサロンコンサート」を開く。

2日12時30分から1階で山口友由実(やまぐち・ゆうみ)さんによる「ウーマン・イン・ゴールドモデル200」を使用した「ベーゼンドルファーミニコンサート」を開く。

16時から6階コンサートサロンで山口友由実さんによる「モデル290インペリアル」を使用した「ベーゼンドルファーサロンコンサート」を開く。

8日と9日のミニコンサートは無料で、参加も自由。

8日15時から1階で矢島愛子(やじま・あいこ)さんによる「ヨハン・シュトラウスモデル200」を使用したCDデビュー記念ミニコンサートを開く。

9日15時から1階でギター奏者の伊藤ゴロー(いとう・ごろう)さんによるCD発売記念ミニコンサートを開く。伴奏は沢渡英一(さわど・えいいち)さん、バイオリン奏者の伊藤彩(いとう・あや)さんで、沢渡英一さんは「ヨハン・シュトラウスモデル200」を使用する。進行役は中原仁(なかはら・じん)さん。

15日と16日の11時、12時、14時、15時、16時、17時から6階コンサートサロンで「ウーマン・イン・ゴールドモデル200」を使用した「ベーゼンドルファー試弾会」を開く。15日は山口友由実さん、16日は岩崎洵奈さんがアドバイスしたり、2人に曲をリクエストできる。1回(45分)1万円で、各回とも定員5人で、ヤマハミュージックジャパンに申し込む。

注:「沢渡英一」の「沢」は正しくは旧漢字です。