丸善日本橋で別府の竹製品展、森友恵、岡田晃ら

【銀座新聞ニュース=2017年7月15日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・日本橋店(中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は7月18日から25日まで3階ギャラリー特設会場で別府竹製品協同組合による「別府の竹工芸 竹かご展」を開く。

丸善・日本橋店で7月18日から25日まで開かれる別府竹製品協同組合による「別府の竹工芸 竹かご展」に出品される作品。

マダケ(真竹)の産地にある別府竹製品協同組合(大分県別府市光町1-5、0977-22-6439)が日々の手仕事で作り出される暮らしの竹道具を展示販売する。丸善・日本橋店では「手でふれてみると、すっとなじむ、どこかほっとする竹の籠たち。忙しい日常でわすれてしまった温もりを思い出す。思わず手に取ってみたくなる、使ってみたくなる、そんな作品」を販売する。

別府市の竹製品は主に別府市を中心に大分県内に産するマダケを主材料とし、花籠、盛かごを中心にさまざまな竹製品を生産し、今日では美術工芸品をつくり出す作家も出ている。別府市内で竹産業関連に従事する人が多く、観光とともに別府市の主要産業となっており、1979年には「別府竹細工」として大分県で唯一、通産省(現経済産業省)の「伝統的工芸品」の指定を受けている。

今回、出品するのは網谷浩一さん、網中聖二(あみなか・せいじ)さん、一木律子(いちき・りつこ)さん、伊藤憲男(いとう・のりお)さん、岩尾竹籃。

大内良子(おおうち・よしこ)さん、大谷健一(おおたに・けんいち)さん、大山恵理香(おおやま・えりか)さん、岡田晃(おかだ・あきら)、佐藤美樹子(さとう・みきこ)さん、清水貴之(しみず・たかゆき)さん。

都留千里(つる・ちさと)さん、西田梨紗(にしだ・りさ)さん、松田浩樹(まつだ・ひろき)さん、森脇けい子(もりわき・けいこ)さん、渡辺文明(わたなべ・ふみあき)さん、森友恵(もり・ともえ)さんの17人。

ウイキペディアによると、竹細工は竹を加工したり、竹ひごを編み込んで細工物を作ることで、日用品、農具、漁労具などの荒物、茶道具などの工芸品、竹とんぼや水鉄砲といったおもちゃの中で、竹を素材とした細工物のことを指す。

素材となる竹はマダケがもっとも多く利用されており、伐採したままの青竹、火であぶったり(乾式)、苛性ソーダで煮沸したりして(湿式)、油抜きをした晒し竹、ある程度炭化させた炭化竹、伐採後数カ月から数年間自然に枯らしたもの、家屋の屋根裏で数十年間囲炉裏(いろり)やかまどの煙でいぶされた煤竹(すすだけ)と、種々の素材が流通している。

青竹は容易に入手できるが、耐久性に問題があり、晒し竹や炭化竹に加工することでその問題点が改善される。煤竹は独特の色(煤竹色)をしており、硬く、耐久性に富むが、入手は困難である。マダケに次いでモウソウチクも多く用いられており、モウソウチクは青竹のままで利用されている。別府竹細工や日田の竹箸などの竹工芸の盛んな大分県は、マダケの面積、生産量とも全国1のシェアを占めている。

別府竹製品協同組合によると、竹は世界に1250種あり、日本ではそのうち626種が存在し、大分県がマダケの生産量で32%(2007年)を占め、国内では第1位となっており、別府の竹細工の主要な材料とされている。

製作工程は大別すると、竹材の乾燥、加工、編組、仕上げの4つになる。もっとも重要な工程が「編組」で、竹ヒゴを使って編みあげ、形つくる作業はすべて手作業によって行われている。多くのデザインは、この工程でおこなわれるち密な伝統的技法によって生み出されている。

青竹を油抜き加工してそのまま使うものを白物、表皮をはつり染色するものを染物という。別府の竹細工は、室町時代に行商用のカゴをつくって売りだしたのがはじめとされ、江戸時代には別府温泉の名が広まり、湯治客の滞在中の厨房用品(米あげざる、飯かご、味噌こしなど)が土産品として持ち帰られるようになり、竹細工の需要が増え、別府周辺の地場産業となった。

1902年に「別府町・浜脇町学校組合立工業徒弟学校竹籃科(ちくらんか、現大分県立大分工業高等学校)」が設立され、多くの作家や技術者を輩出し、現在の竹細工の基礎が築かれた。1938年に竹工芸の技術者育成、試験研究のために大分県工業試験場別府工芸指導所(1954年に「大分県別府産業工芸試験所」)が設立され、その後、大分県立別府高等技術専門校との統合で発足した大分県竹工芸・訓練支援センターは、竹工芸科を持つ日本で唯一の職業能力開発校であり、現在も多くの技術者を育成している。

1967年には生野祥雲斎(しょうの・しょううんさい、1904-1974)が竹工芸で初めて重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されている。1979年には通産大臣指定伝統的工芸品に指定され、伝統工芸士の認定登録者は2011年2月現在で21人にのぼっている。

別府竹製品協同組合は1978年に設立され、会員企業が42社で、総従事者数が160人としている。職人は約50人で、竹製品の共同加工、共同販売などの需要開拓事業や後継者育成事業などの事業を行っている。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日17時)まで。