丸善丸の内で太田幹子、ダヴィデンコら郷土人形展、石田百合実演

【銀座新聞ニュース=2017年9月10日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・丸の内本店(千代田区丸の内1-6-4、丸の内オアゾ、03-5288-8881)は9月13日から19日まで4階ギャラリーで「MISOROGI人形展」を開く。

丸善・丸の内本店で9月13日から19日まで開かれる「みそろぎ(MISOROGI)人形展」に出品される作品。

2017年に3回目を迎える、「羽関オフィス」(東村山市久米川町3-27-57、042-395-7547)が主催、企画する郷土人形から現代創作まで、人形の不思議にふれるための展示会で、「みろそぎ(MISOROGI)」は「ミソロジー(Mythology、神話)」の当て字で、「その意味にとらわれず、人が自分たち以外のひとがたの存在を、モノのなかに見いだすようになった不思議を、国境を越えて探していく」イベントとしている。今回も国内外の個性豊かな約60人の作家がさまざまな人形を出品する。

今回、出品するのは郷土人形、玩具系では、香川県の高松宮内張子(たかまつ・みやうち・はりこ)の太田幹子(おおた・みきこ)さん、長野県の道神面(どうしんめん)作家「お面のおっとぼけ」さん、岩手県の六原張子「さわはん工房」、千葉県のみ太郎窯、千葉真理子(ちば・まりこ)さんと千葉県の芝原人形、草の子窯、千葉真理子さんの夫、千葉惣次(ちば・そうじ)さん。

熊本県の木の葉猿の永田礼三(ながた・れいぞう)さん、東京都の古型今戸人形(こけい・いまとにんぎょう)の吉田義和(よしだ・よしかず)さん、張り子の前田ビバリー(まえだ・びばりー)さん。

創作人形、美術造形、フィギュアでは、杉田明十志(すぎた・めいじゅうし)さん、青の羊(あおのひつじ)さん、安達忠良(あだち・ただよし)さん、アトリエ「マーブル」を主宰する冨島大吾(とみしま・だいご)さん、アルシブラ(Archibras)さん。

飯野モモコ(いいの・ももこ)さん、石塚公昭(いしづか・きみあき)さん、イフンケ-小松編る(いふんけ・こまつあめる)さん、イワコ(IWACO)さん、石田百合(いしだ・ゆり)さん。

エン(En)さん、影山多栄子(かげやま・たえこ)さん、カアコ(ka-a-ko)さん、クサボン(くさぼん)さん、クリック・クラック(CLICK CRACK)さん。

くるはらきみさん、人形制作集団「月光社(げっこうしゃ)」、河野滋子(こうの・しげこ)さん、コリスミカ(こりす・みか)さん、さとうそのこさん。

ゝシルス(しるす)さん、高橋操(たかはし・みさお)さん、所由紀子(ところ・ゆきこ)さん、西村フェリツ(にしむら・ふぇりつ、FELIZ)さん、ノエ(Noe、高橋野枝=たかはし・のえ=)さん。

原田万紀(はらだ・まき)さん、張り子人形のやま(はりこにんぎょうのやま)さん、風らい坊(ふうらいぼう)さん、不思議屋(ふしぎや)さん、本多厚二(ほんだ・こうじ)さん。

マツモトヒラコ(まつもと・ひらこ)さん、ユニット「ままごと森」を共同で主宰する水木(みずき)ゆかりさん、水澄美恵子(みなずみ・みえこ)さん、ミヤタケイコ(みやた・けいこ)さん、八木裕子(やぎ・ゆうこ)さん。

矢部藤子(やべ・ふじこ)さん、山口景子(やまぐち・けいこ)さん、ユズミコ(ゆずみこ)さん、吉村眸(よしむら・ひとみ)さん、よねやまりゅうさん。福祉施設「スタジオクーカ(STUDIO COOCA)」も出品する。

海外ではエストニアからダヴィデンコ・アンナ(Davidenko Anna)さん、ラトビアからシンコヴスカヤ・クセニア(Shinkovskaya Ksenia)さん、ロシアからホフロヴァ・マヤ(Hohlova Maya)さん、カレヴァ・アリナ(kareva Alina)さん、ハイチェンコ・ディナ(KHAYCHENKO Dina)さん。

同じくロシアからクリンスキー・ダリナ(Klinskih Darina)さん、マート・オルガ(Mart Olga)さん、ムラトヴァ・オクサナ(Muratova Oksana)さん、パブリヒナ・ナタリア(Pavlihina Natalia)さん、ヴラソヴァ・ヴェラ(Vlasova Vera)さん、ドム・ナ・コレカクス(Dom Na Korecax)さん。

海外民芸品メーカーとしてはロシアからドロズドヴスカヤ(Drozdovskaya)、フィリモノヴォ(Filimonovo toys)、フリドゥノヴォ(Hlydnyovo toys)、ゴロヴキナ(Golovkina toys)、ソレツカヤ(Soletskie toys)、ロマノフスカヤ(Romanovskaya toys)、コストロマ(Kostroma toys)、ディムコヴォ(Dymkovo toys)が出品する。

ダヴィデンコ・アンナさんは14点を出品し、うち5点は石の顔の作品としている。このため、13日の購入は1人1点に制限される。

羽関オフィスは千葉県船橋市生まれ、学習院大学文学部哲学科を卒業した小川千恵子(おがわ・ちえこ)さんが1993年に創作人形を扱う「ユーラシア・ドールズ」を設立し、1994年に創作人形情報専門誌「ドール・フォーラム・ジャパン」を季刊で創刊した(2007年に休刊)。

2002年よりギャラリー「ノンク・プラッツ」のディレクターも兼任し(2007年に閉館)、映画「イノセンス」で国内外の人形ロケハンをコーディネートし、2004年にNHK新日曜美術館「人形」特集にアドバイスしている。2008年に羽関チエコ(はぜき・ちえこ)と改名し、個人事務所「羽関オフィス」を立ち上げて、人形展などの企画業務を行っている。

14日19時と17日14時から石田百合さんが「きざし」と題して、独自のパフォーマンスを披露して、「作品が生まれる空間」を公開する。観覧は無料。

15日と16日の10時と14時、水木ゆかりさんによるワークショップを開き、「赤ずきんちゃん」を制作する。参加費用は税込5400円(材料費込み)で、定員は各回とも6人。

石田百合さんは1964年京都府京都市生まれ、1986年に大学を卒業、人形制作をはじめ、京都で個展を開き、1989年から羊毛を使ったフェルトの制作をはじめ、1991年に北海道十勝の牧場に移住し、個展、フェルトのワークショップ、人形を使った1人芝居をはじめ、その後、羊の文化を知るため、モンゴル、中央アジア、トルコ、ハンガリー、アゼルバイジャン、グルジアなどを陸路により訪れ、1999年にドールフォーラムジャパン(DFJ)主催の「新世紀人形展」で入選した。

2000年に東京に移転し、NHK「おしゃれ工房」で「手作りフェルトのティーコゼー」に講師として出演する。テキスタイルを主な素材に、いきもののかたちを作り、2016年にガットギターをカスタマイズした「アリア」によるソロ・パフォーマンスやアルトサックス奏者の浦辺雅祥(うらべ・まさよし)さんとデュオでライブ演奏も行っている。2015年から東北芸術工科大学テキスタイル専攻にてフェルト造形演習の非常勤講師を務めている。

水木ゆかりさんは兵庫県神戸市生まれ、2007年に別人格の「よるのうさこ」として、人形が畑からはえる「ままごと森」をはじめ、協力者として「かえるのまもちゃん」と組み、2008年から大阪・老松町「雑貨店カナリヤ」で作品展を開き、2016年から「みそろぎ人形展」に参加し、2017年に「ままごと森」を「まもちゃんとうさこのユニットでたがやし中」としている。

開場時間は9時から21時(最終日16時)まで。入場は無料。ワークショップは羽関オフィス(042-395-7547)もしくはメール(hazeki@nonc.jp)を送るか、丸善・丸の内本店4階ギャラリーに電話で予約する。空いていれば、当日でも参加できる。