丸善丸の内で大津英敏、J・シュマイサーら5人版画展

【銀座新聞ニュース=2017年9月19日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・丸の内本店(千代田区丸の内1-6-4、丸の内オアゾ、03-5288-8881)は9月20日から26日まで4階ギャラリーで小杉小二郎さんらによる「版画五人展」を開く。

丸善・丸の内本店で9月20日から26日まで開かれる「版画五人展」に出品される小杉小二郎さんの「卓上の静物」。

国内外で活躍してきた5人の作家のモノクロから、柔らかな美しい色彩のエッチング作品を展示販売する。今回、出品するのは、小杉小二郎(こすぎ・こじろう)さん、大津英敏(おおつ・えいびん)さん、東直樹(あづま・なおき)さん、堀越千秋(ほりこし・ちあき、1948-2016)、ドイツ出身のヨーク・シュマイサー(Joerg Schmeisser、1943-2012)の5人。、

小杉小二郎さんは1944年東京都滝野川区(現北区)生まれ、1966年に日本大学芸術学部工業デザイン科を卒業、工業デザインの道に進むも、1968年から油彩画の制作をはじめ、1970年に中川一政(なかがわ・かずまさ、1893-1991)とともにフランスにわたり、ブルターニュ・コンカルノの村外れに一軒家を借りて制作し、一度日本に戻った後、冬に再びフランスにわたり、グラン・ド・シュミエール研究所に通い、1971年にサロン・ドートンヌに出品、以後、毎年のように出品した。

1974年に銀座・彩壷堂で個展を開き、以来、2年ごとに個展を開いた。1975年に第18回安井賞展で入選、サロン・デ・アルティスト・フランセに出品し、銅賞、1981年に東京セントラル美術館油絵大賞展で佳作賞、サロン・デ・ボザールでフラマン賞、1984年に第1回日本青年画家展で優秀賞(1986年優秀賞)、1987年に朝日新聞社の三浦朱門(みうら・しゅもん、1926-2017)の連載小説「ささやかな不仕合わせ」のさし絵を担当、1989年に前田寛治(まえた・かんじ、1896-1930)賞展で佳作賞、1992年に「タカシマヤ文化基金」第2回新鋭作家奨励賞、2006年に第29回損保ジャパン東郷青児(とうごう・せいじ、1897-1978)美術館大賞を受賞している。現在、無所属。

大津英敏さんは1943年熊本県熊本市生まれ、後に福岡県大牟田市に転居し、1969年に東京芸術大学大学院を修了、1971年に第39回独立展で独立賞、1979年にフランスにわたり、1981年に帰国し、1983年に第26回安井賞、1989年に多摩美術大学教授、1993年に第11回宮本三郎(みやもと・さぶろう、1905-1974)賞、2005年に第28回損保ジャパン東郷青児美術館大賞、2007年に日本芸術院賞、2014年に多摩美術大学名誉教授。

東直輝さんは1948年大阪府生まれ、中京大学文学部心理学科を卒業、1971年に春陽会第48回展で新人賞、1980年にスペイン・ホアン・ミロ国際デッサン・ドローイングコンクールで入選、1981年にアメリカ国際展で入選、1987年に安井賞展で入選、1992年に安田火災美術財団で奨励賞、1994年に春陽会第71回展で中川賞、1995年に第7回石田財団で芸術奨励賞などを受賞している。

堀越千秋は1948年東京都生まれ、東京芸術大学大学院油画専攻を修了、1976年にスペイン政府給費留学生としてスペインにわたり、その後、マドリードに在住し、日本と行き来しながら制作し、週刊朝日で「美を見て死ね」を連載しており、朝日新聞の別刷り「グローブ」のコラム「アート特派員」を連載し、逢坂剛(おおさか・ごう)さん連載小説「斜影はるかな国」などのさし絵を担当した。全日空(ANA)の機内誌「翼の王国」の表紙絵も手掛けた。2014年にスペインのりエンコミエンダ文民功労章を受章し、2016年に死去。

ヨーク・シュマイサーは1942年ポメルン(現ポーランド)ストルブ生まれ、1967年にハンブルグ造形美術大学を卒業、この間、1965年から1973年までアメリカ・ミズーリー大学考古学発掘隊の画家として定期的にイスラエル・ギリシャ発掘に参加、1967年にドイツ文化庁のDAAD派遣交換学生として京都市立美術大学に留学、1976年にオーストラリアで個展、オーストラリア国立大学(キャンベラ)の人文科学研究所特別研究員を務めた。

1977年にエルサレム・ベッツアレル美術大学客員講師、1978年にオーストラリア・キャンベラ美術大学専任教授に就任、1989年に京都精華大学美術学部版画科客員教授(2008年まで)、1993年に中国杭州美術学院にアーティスト・イン・レジデンスとして滞在、1996年に国際交流基金フェローシップにより日本に滞在、2002年に京都市立芸術大学美術学部教授(2008年に退官)、2012年に死去。

開場時間は9時から21時(最終日17時)まで。入場は無料。