ためながで智内兄助展、7年ぶり、羽ばたく鶴の姿も

【銀座新聞ニュース=2021年9月16日】ギャルリーためなが(中央区銀座7-5-4、03-3573-5368)は9月16日から10月10日まで智内兄助さんによる個展を開く。

ギャルリーためながで9月16日から10月10日まで7年ぶりに開かれる智内兄助さんの個展に出品される作品「春となり」。

洋画家の智内兄助(きょうすけ)さんが7年ぶりにギャルリーためながで個展を開く。

智内兄助さんは1980年代に和紙にアクリル絵具で描く独自の画法を確立し、日本画と洋画の境界を越えた革新的な表現を切り拓き、日本の伝統美である衣装文様や花鳥風月を描く幻想世界に、華麗で繊細な「もののあはれ」の情趣漂う表現が生まれ、唯一無二の優美な画風を確立させた。

2002年にはギャルリーためながパリ店にて初個展を開き、これを機に世界的な大コレクター、智内兄助さんの作品に対して、ロスチャイルド家(Rothschild)の蒐集が始まった。現在ではヨーロッパの多くのコレクターを魅了する画家として知られている。

近年は花木や山の主題に取り組み日本の原風景に迫る作品を描いてきたが、最近ではその風景に羽ばたく鶴の姿が加わり、「百花咲き誇る四季の中に解き放たれ、鶴が自在にそして優雅に舞う理想郷」に広げた作品を含め新作約40点を展示する。

智内兄助さんは1948年愛媛県今治市(旧越智郡波方町)生まれ、1974年に東京芸術大学大学院油画科を修了、1980年代初めから和紙にアクリル絵具という独特な画法を確立し、1992年に毎日新聞に連載された宮尾登美子(1926-2014)の小説「蔵」のさし絵を担当、以来、人気と知名度を不動のものとした。

1971年に「シェル美術賞展」で佳作賞、1985年に「デッサン大賞展」で大賞、1988年に「日本青年画家展」で優秀賞、1987年から1990年にかけて「安井賞展」で特別賞、佳作、2009年に「ブラティスラヴァ世界絵本原画展」で「ビブ・プレーク(BIB PLAQUE)賞」などを受賞している。

息子の智内威雄(たけお)さんはピアノ奏者で、局所性ジストニアにより「左手のピアニスト」といわれている。

開場時間は10時から19時(日曜日、祝日は17時)。入場は無料。